映像的にも楽しめる作品 「王の男」

王の男

天気予報では雨が降るかも知れないと言われていましたが、12月にオープンしたばかりの新宿ガーデンシネマで、韓国映画「王の男」を見てきました。(本年1本目)

【あらすじ】
16世紀初頭、漢陽にやってきた旅芸人チャンセンと相棒の女形コンギル。都で時の王ヨンサングンが、妓生上がりの官女と日夜遊び呆けている噂を聞きつけた2人は、芸人仲間と宮廷を皮肉った芝居を始める。興行は人気を博すものの、一座は侮辱罪で逮捕されてしまう。重臣に「王を笑わせることができれば、侮辱ではない」と反論したチャンセンたちは、死をかけて王の前で芸を披露する。彼らの芸は王を魅了することができるのか…。(goo映画より)

国王ヨンサングン(燕山君)は、朝鮮王朝第10代、韓国では誰もが知っている暴君だそうです(在位1494?1506年)。あまりの暴君ぶりに、臣下である重臣たちによって王位を追われ、国王への追号である「宗」を贈られず、国王の兄弟を表わす「君」号で呼ばれることになったほど。ちなみに、追放されたヨンサングンに代わって擁立されたのが、チャングムが仕える中宗(チュンジョン)だそうです。

事前の広告では、上の「あらすじ」に書かれたようなストーリーが紹介されていたので、当然僕も、はたして国王は笑うのか? と思ってみていました。でも映画が始まったら、2人はさっさと捕まってしまうし、さっさと国王の前に引き出されてしまうし、しかも芝居はガタガタ…。「え、 こんな早く話が展開して大丈夫なの??」と思ってしまったのですが、じつは、そこから後が面白かった!!

しかし、それは見てのお楽しみです。(^_^;)

王の男(その2)

それを抜きにしても、この作品は、色がとても鮮やかで、映像的にもとても豪華につくられていて、それだけでも十分楽しめる作品です。主人公の女形コンギル(イ・ジュンギ)がなかなかの美形で、チャンセンとの気持ちの絡み合いがなかなか色気を感じさせてくれます。土面をつかった、ちょっと(というか相当)猥雑な大道芸というのも、朝鮮の民俗として、なかなか興味深いものでした。

ただ、韓国の人にとっては、説明するまでもないことなんでしょうが、ヨンサングンの暴君ぶりを描いたシーンというのはほとんどなく、柄本明似のチョン・ジニョンもちょっと線が細く、むしろ重臣たちに押さえつけられて鬱屈した国王という印象でした。それから、ヨンサングンが徐々に狂乱を深めていったあとなのですが、ラストをきれいにまとめすぎたというか、もうちょっとテンポよく、狂乱と破滅に突っ込んでいってもよかったのでは、と思いました。

それにしても、映画館はガラガラ。なんで、こんな面白い作品なのに…。

→公式サイト:王の男

【レビュー】朝鮮王朝時代の宮廷芸人を描いた「王の男」(朝鮮日報)
「王の男」低予算・高パフォーマンス実践で歴史的大ヒット(朝鮮日報)

【作品情報】
監督・製作:イ・ジュンイク/原作:キム・テウン/出演:カム・ウソン(チャンセン役)、イ・ジュンギ(コンギル役)、ユ・ヘジン(旅芸人の頭)、チョン・ジニョン(ヨンサングン役)、カン・ソンヨン(ヨンサングンの愛妾ノクス役)/制作:2005年、韓国/日本

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映像的にも楽しめる作品 「王の男」」への5件のフィードバック

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  4. GAKUさん、おはつです。
    新年そうそうTBいただきまして、どーもです 。

    たしかに 空いてましたね。
    映画も余裕でみれる環境だと、楽しさも倍増です。

    とってもキレイな映画でした。
    内容的には、?ってこともありますけど、
    エンタメは やっぱり 楽しんで見れればいーかなっと。

    へぇー そーなんですか。
    チャングムの王様が次の王様って知りませんでした。
    時の王って みなさん、辛い思いをされているんでしょーかね。

    こちらからもTBさせて頂きます、
    これからも、よろしくです。

  5. 凡人さん、こんばんは。
    わざわざお越しいただき、ありがとうございます。

    >映画も余裕でみれる環境だと、楽しさも倍増です。

    満員も困りものですが、あれは、ちょっと空きすぎかと…。
    見て損はない映画だと思うんですけどねぇ。(^_^;)

    恵比寿のガーデンシネマは良く出かけていたのですが、新宿のガーデンシネマもオープンしたばかりで、きれいで良かったですね。

    今年はたくさんの映画を見たいと思っています。こちらこそ、よろしくお願いします。

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