牧原憲夫『民権と憲法 シリーズ日本近現代史<2>』

牧原憲夫『民権と憲法 シリーズ日本近現代史<2>』(岩波新書)

岩波新書の「シリーズ日本近現代史」の2冊目。牧原憲夫氏の『民権と憲法』を読み終えました。

1877年の西南戦争終結から、1889年の「大日本帝国憲法」発布までの時期が対象になっています。牧原氏が「あとがき」に書かれているように、この時代は、どんな工夫をしてみても、自由民権運動が高揚しながら、結局、敗北し、帝国憲法体制ができあがるという「大きなストーリー」は動かしようがありません。しかし、牧原氏は、民権派と政府の対抗という図式に、「民衆」という「独自の存在」を加え、「三極の対抗」としてこの時代を描き、民権派が「国権」にからめとられていく側面を民権運動の敗北というふうに一面的に見ず、民権派の複雑な諸側面を分かりやすく描くことに成功していると思いました。

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日本経団連「優先政策事項」を読む(1)

日本経団連の「優先政策事項」ですが、詳しく読んでみたら、いろいろ財界のホンネらしいものも書かれている。けっこうきちんと研究してみる価値がありそうです。

といっても、「優先政策事項」は項目だけで愛想もこそもない。むしろ「優先政策事項【解説】」の方が面白い。
日本経団連:優先政策事項【解説】 (2007-01-10)

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まだまだ続くサービス残業

年末に明らかになった残業代不払い事件2件。

経済の元締め、日本銀行でもサービス残業というのは、日本の企業がいかに法令遵守という点でデタラメかということの象徴のようなものです。北陸電力では、時間外労働は「自己申告」といっていますが、労働時間を管理する義務は企業にあります。残業時間の「自己申告」「自主管理」がサービス残業の温床。まだ、こんなやり方を続けていたとは…。

日銀サービス残業 未払い1億6800万円(読売新聞)
北電 サービス残業 4億7000万円(中日新聞)
室蘭工大で残業代3670万円未払い(日刊スポーツ)

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今日の伊吹ちゃん 選挙情報への謝金も事務所経費とは…

高額事務所経費問題で、連日のように記者会見をしている伊吹文科相。今日は、自分が代表を務め、自分の議員会館を事務所にした政治団体について「私の団体ではない」と発言。さらに、「選挙の際に事前に情報をもらう際の謝金」まで事務所経費として支出していたことも認めています。

ぼろぼろ、何でも喋ってくれるのはいいけれど、あんた、有権者なめてたらアカンよ。

事務所費問題で伊吹氏会見 代表だが「私の団体でない」(朝日新聞)

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