関西経済同友会が教育問題で提言を2つ発表。とくに5月に発表された「再び、誇りの持てる国へ」では、「自主憲法の制定」「日米同盟の強化」とともに「現代版 教育勅語」の制定などを要求しています。
いちばんあきれるのは、なぜ「現代版 教育勅語」の制定が必要かという理由づけ。こんなふうに言っています。
かつてのような美しい日本を取り戻すためには、日本人が、その根底に受け継いできた美意識を呼び覚まし、自らの美しさを再生していけるような教育の改革が必要である。
まず、かつての日本、つまり戦前の日本が「美しい」国だったかどうかが大問題。貧困と格差という点では、戦前社会は、いまの比ではなかったし、もちろん軍国主義・侵略主義が横行し、民主主義もありませんでした。そんな時代を勝手に「美しい日本」と決めつけ、それを「美意識」として、その美意識を教育を通じて押しつけよう、そのための「現代版 教育勅語」だということです。
さらに、教育勅語は、「国民道徳の根本として日本人が守るべき徳目が簡潔にまとめられ」「学校教育の中で日々唱和されることにより、国民全体に浸透」し、さらに「欧米をはじめとする各国から、国民教育の成功例として称賛されていた」と評価。しかし、「不幸にして戦後の占領政策の中で、軍国主義と結び付けられ否定され、廃止されてしまった」ため、「、日本人としての価値観が徐々に失われ、高潔さや清廉さ、公徳心が消えつつある」。だから、「現代版 教育勅語」が必要だというのです。なんというアナクロ。
こんにちは。
>戦前の日本が「美しい」国だったかどうかが大問題
東京新聞の「試される憲法」に、映画監督の山田洋次さんが書かれていますね。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/consti/news/200705/CK2007052202018047.html
こんばんは。
山田洋次監督の記事は、私も読みました。いい記事ですね。
この記事を読んで、夜間中学に学ぶ人たちが「幸福」になれる社会――それこそが、本当の「美しい国」だと思いました。