吉田秋生というと、『BANANA FISH』や『YASHA?夜叉?』などを思い浮かべる人が多いと思いますが、僕にとってはちょっと疲れる感じ。それより、吉田作品の中では傍流になるかも知れませんが、『河よりも長くゆるやかに』『夢みる頃をすぎても』の方が好きでした。
この『蝉時雨のやむ頃』も、いかにもという感じの青春物語。いろいろ悪戯はするけれど、とても犯罪はできそうにない、そんな悪ガキたちが登場し、ばたばた騒ぎは起こすけれど、ときどき、ふっと真面目なところも見せる。その緩急が自然なところがいいのです。
このお話は、さち姉と佳乃、チカの姉妹3人暮らしのところに、とつぜん腹違いの妹すず(中学生)がやってくる…、というもの。さち姉もタフだけれど、このすずちゃんもけっこう健気だし、サッカーが上手かったりします。姉妹が暮らす家が、鎌倉の古い家で、畳の茶の間にちゃぶ台が置いてあったりするのも、雰囲気あっていいですねぇ。(^_^;)
中学生のサッカーチームに入ったすずちゃんの学校生活をふくめ、この4人の暮らしがどんなふうに展開していくのか、楽しみです。