今シーズン読響の定期はとってなかったんですが、今日は好きなショスタコーヴィチをやるということで、1回券を買って、サントリーホールへ行ってきました。(今年1回目)
指揮は、フランクフルト響の首席指揮者(1997〜2000年)だったヒュー・ウルフ。ピアノはフィンランド出身のアンティ・シーララ。ヒュー・ウルフがいきなり松葉杖で登場したのでびっくりしましたが、来日直前に左足を骨折したそうです。
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103 〈1905年〉
1曲目、バルトークは、いろいろコンサートでは聴くけれども、自分ではほとんど聴かないので、ピアノ協奏曲第3番も初めて。ナチスの支配を逃れてアメリカに亡命して、1945年に作曲された最晩年の曲とのこと。前衛的な雰囲気はなく、非常に繊細で、第2楽章の静謐な感じが印象的。アンコールは、ショパン:24の前奏曲から第4番 ホ短調。
ショスタコーヴィチの交響曲第11番は、第1楽章の出だしの弦の響きが透明度が高くて、うなるような不安感というか、何かがおこるのではないかという不気味な感じがあまりせず、はたしてこれで大丈夫なんだろうかと一瞬思ったりもしたのですが、聴いている内に、これはこれで納得できる演奏だと思えてきました。とくに第3楽章の「同志は倒れぬ」は秀逸。また、そのあとのヴァイオリンが奏でる「こんにちは、自由よ」との対照が鮮やかに感じられました。
また、ヒュー・ウルフは、そうとうテンポをゆらしていたみたいで、第1楽章の出だしはかなりスローだと思ったのですが、終わってみればほぼ標準的な演奏時間でした。全体として、好みは別れると思いますが、最終楽章にかけての集中力もあって、こういう演奏もありだと思いました。
それだけに、LAという舞台の左手奥などという席だったことが残念。なにせ、手前にホルンが陣取ってみえる場所なので、金管が全力で吹きまくると、弦や木管の音はまったく聞こえません。(^_^;) しかも困ったことに、2人おいて隣の女性(音大生か?)は露骨に指揮のように手を振るし、隣の男性は、手は振らないものの、指揮者がよくやるように、口をパクパク開けたり閉めたり、声こそ出さないものの、もううっとうしいやら、煩わしいやら…。反対側に座ったカップルは、演奏中ずっとごそごそ動き続ける始末。前列のおっさんは寝てるし…(なんでこの曲で寝れるのか不明)。演奏する側は集中力と緊迫感を持ってやっているのに、聞く側がさっぱりでした。
しかも、チケットを買うときには2階正面最後列のC席は売り切れていたのに、会場に行ってみると、がらがら。全体でも半分ぐらいしかお客さんがいませんでした。熱演だったのに、もったいない限りです。
【関連ブログ】
演奏会直後だというのに、もうあちこちでブログに載っております。バルトークについてはあれでも、ショスタコーヴィチはいずれも好評だったようです。
新しい世紀のための音楽 : 誰がために鐘は鳴る
Kuehn Style | ヒュー・ウルフ指揮読響(バルトーク+ショスタコーヴィチ)とお正月最終回
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木陰の散歩道:1/15(火)ショスタコの11番
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2008-01-15 – Aus der neuen Welt
ヒュー・ウルフ指揮 読売日本交響楽団 – 楽興の時・音の絵
読響定期 「ショスタコーヴィチ:交響曲第11番」他 – はろるど・わーど
東条碩夫のコンサート日記 1・15(火)再びヒュー・ウルフ指揮 読売日本交響楽団 ショスタコーヴィチ11番
今日の雑念 読響定期
【演奏会情報】 読売日本交響楽団第467回サントリー定期演奏会
指揮:ヒュー・ウルフ/ピアノ:アンティ・シーララ/コンサートマスター:藤原浜雄/会場:サントリーホール大ホール/開演:2008年1月15日(火) 午後7時?
私も同じあたりで聴いてました。
今日は非常に良かったですね。
多分席が近いと思うのですが、私の席からも
曲に合わせて動きまくる彼女らは非常に気になってました。
あと、間違ってエロトラバと一緒にトラックバックを
消してしまったので、大変申し訳ないですが、
再度トラックバックお願いします。
tonjiさん、レスありがとうございました。m(_’_)m
ノリノリで指揮している女性には、楽章の間の休みに注意してやろうと思ったのですが、よく考えたら、ショスタコーヴィチの第11番は全楽章続けて演奏されるので、注意するタイミングがありませんでした…。(-_-;)
今晩は!トラックバック有難うございました。私は昨晩は2階RAの2列11番という席で聴いていました。貴君の席近辺の様子は良く解かりました。あの叔父さんは、大体あの席近辺で物思いに耽っておられます。気にしないことですね。今シーズンはマイセレクト会員だったので、早速、本日、来シーズンの年間会員権を購入してしまいました。11回分ですが、値上がりで懐が痛いのですが、結局は聴きに行ってしまうので、奮発いたしました。C席のRAの部分は最前列も通路沿いの席も殆ど一杯でしたが、運良くRAの4列目の階段通路沿いの席を確保することが出来ました。
それにしても、昨晩の演奏は特に良かったです。バルトークも出だしは兎も角、最後には高みに上り詰めましたし、ショスタコーヴィチの第11番は息つく暇も無く、あれよあれよと謂う間に終わってしまいました。素晴らしかったです。何度でも聴きたい演奏でした。今後とも宜しくお願い致します。
http://blogs.yahoo.co.jp/ryukyutokyo/12842798.html
石橋さん コメントありがとうございます。m(_’_)m
実は、私も翌日、2008年上期の芸劇名曲シリーズの定期会員を申し込みました。読響は、定期会員になったときの料金の割引率が高いので、なんだかお得な気分です。(^_^;)
4月、9月のスクロヴァチェフスキが楽しみです。
GAKUさんこんばんは。コメントとTBをありがとうございました。
ショスタコーヴィチは本当に素晴らしかったですね。体育会系というと語弊があるかもしれませんが、とても筋肉質で、練り上げられたショスタコーヴィチだったと思います。一つのスタイルとして確立していました。
>露骨に指揮のように手を振るし、隣の男性は、手は振らないものの、指揮者がよくやるように、口をパクパク開けたり閉めたり
残念ですね。物音立てるなとはいいませんが、指揮マネなどは視界に入ると、結構気になってしまいますよね…。最後の余韻はとても良かったのですが…。
ピンバック: はろるど・わーど