結局、密室で何が話し合われたのか?

さて、今日の防衛省…ですが、もうボロボロ。読売新聞の報道によれば、事故直後の航海長の事情聴取で、レーダーでは清徳丸を探知していなかったことを認めていた! ところが、そのあとで防衛省が発表したのは、「2分前に発見」という情報だけで、「レーダーでは探知していなかった」ことは伏せられていた。

一般論においても、個別論においても、こういうものを「情報隠蔽」というのだということを申し上げなければならないと思います。(←石破大臣風に読め)

大臣室、謎の1時間 防衛相・次官、説明食い違い(朝日新聞)
「清徳丸」をレーダー探知せず…イージス艦航海長が供述(読売新聞)

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長崎・十八銀行が6億6000万円の残業代未払い

長崎市の十八銀行が、未払いの時間外賃金(いわゆるサービス残業)6億6000万円を支払っていたことが明らかに。それにしても、未払いがあったのが全行員の75%にのぼるというのはひどい。「同行が把握していた勤務時間よりも時間外、休日労働などで長く勤務していた」というが、いったい勤務時間のどういう把握の仕方をしていたのか。

姫路では、信用金庫の支店長は「名ばかり管理職」であるとして、残業代450万円の支払いを命じる判決。

十八銀行:未払い時間外賃金6億6千万円 全行員の75%(毎日新聞)
北伊勢上野信金:計306人分の時間外賃金、未払い1億3514万円/三重(毎日新聞)
残業代訴訟:支店長代理は非管理職 播州信金に450万円支払い命令――地裁姫路支部(毎日新聞)
大崎市民病院、残業代6000万円未払い 職員の8割(河北新報)

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次々と覆る防衛省の言い分

防衛省の言い分が次々に覆った。まず、航海長を呼び出す際に「怪我人に付き添わせる」としていた点は、負傷者がいたのは事実だが、航海長は別のヘリで防衛省に直行していたことが判明。

次に、防衛事務次官は航海長からの事情聴取について「内容を覚えていない」「記録は存在しない」としていたが、メモは作られていた。

こうなってくると、いまの防衛大臣、防衛事務次官のもとで、事故の真相究明と原因追及が果たしてできるのか? という根本的な問題を考えざるをえなくなる。

事故当時、救助作業で負傷、1人入院 あたご乗組員(朝日新聞)
イージス艦事故当日 事前連絡なく3機のヘリを使用(MSN産経ニュース)
航海長事情聴取のメモ、防衛次官が存在認める(読売新聞)
イージス艦事故:海保「けが人移送」も否定 虚偽上塗りか(毎日新聞)
イージス艦事故:次官説明、虚偽の疑い強まる(毎日新聞)
イージス艦事故:航海長聴取は石破防衛相の意向で自室に(毎日新聞)

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改憲議連に民主も参加

今朝の読売新聞に、「新憲法同盟に民主参加」の記事。読んでみると、中曽根元首相が会長を務める「新憲法制定議員同盟」が、3月4日に総会を開き、民主党の鳩山幹事長、羽田元首相が顧問に、前原副代表、藤井裕久最高顧問が副会長に就任する新体制を発足させる、という。

何だこのニュースは? と思って、Googleを探ってみたら、NHKが24日に流したこんなニュースがキャッシュに残っていた。また、産経新聞も記事を流していた。

“憲法議連” 近く新役員体制(NHKニュース)
新憲法制定議員同盟、役員に民主党議員を加える(産経新聞)

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“覚えていない”はずがない

防衛事務次官が、事件直後の航海長からの事情聴取について、「内容を覚えていない」と発言。

しかし、わざわざ海保庁に隠して航海長をヘリで呼びつけておいて、何を聞いたか覚えていないなどということはありえない。やっぱり、この場で何か“悪い”ことをしたからに違いない。

“聴取の内容 覚えていない”(NHKニュース)

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防衛省の事情聴取は「捜査の妨げ」

すでに21日に流れていたニュースだが、インターネットで何度検索しても見つからず、ここには紹介しなかったが、海上保安庁は、21日の段階で、防衛省がイージス艦の乗組員から事情聴取することを禁止。これは当たり前の話で、トラックが交通事故を起こしたときに、警察の捜査の前に運転手が会社と相談していたら、誰だっておかしいと思う。

他方で、防衛省は、通常であれば当直は何人なのか、当直はいつ交代するのか、海上に船を発見したときには見張りから艦橋にどのように伝達するのか、そういうごく基本的なことはさっぱり公表してこなかった。

今朝のNHKでも、元艦長という人物が、「午前3時に、このあたりを通るのであれば、艦長は起きているものだ」「監視員が船を発見したときに、“避けていくだろう”などと判断を下すことはありえない。そのまま愚直に報告するようにしつけられている」と話していた。そういう基本的な事実は隠蔽したまま、「2分前に緑色灯を確認した」などという自分に都合のいいことだけ発表してきたのだ。

海保が防衛省に不快感=「捜査の妨げに」?乗組員聴取(時事通信)

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負傷者に付き添いと偽り航海長を防衛省に移送

イージス艦衝突事故で、防衛省が、「ヘリでけが人を運ぶ」といって、航海長を防衛省に呼び寄せていたことが判明。しかも、大臣室で、防衛相、防衛事務次官、統合幕僚長、海上幕僚のTOP4で事情聴取。ここで、「2分前に緑色灯を確認。1分後に回避行動をとったが、衝突してしまった」というシナリオをつくりあげた可能性も考えられる。

イージス艦事故:防衛相、航海長を当日聴取 説明で触れず(毎日新聞)

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やっぱり…

イージス艦衝突事故で、清徳丸に気づいたのが12分前だったことが石破防衛相に報告されたのが19日夜だったことが判明。にもかかわらず、防衛省は「2分前」との説明を続けていた。また、事故6時間後に、当直士官をやっていた航海長を、あたごからヘリで防衛省に呼びつけていたことも明らかに。

「情報が断片的だったので確認していた」というけれど、自分に都合の悪い情報の公表を遅らせたことは間違いない。

防衛相「12分前」当夜把握 公表は翌日夕 海自艦事故(朝日新聞)
イージス艦衝突、「12分前視認」当日把握 防衛相 20時間公表せず(中日新聞)
事故6時間後、航海長ヘリで呼ぶ=聴取人物、海保に報告せず?イージス艦衝突で防衛省(時事通信)

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兵庫県の近現代史をふり返ってみた

『兵庫県の百年』(山川出版社)

唐突だけれども、幕末から戦後までの兵庫県の歴史について、本を読んでみた。いろいろ知っていたこともあるけれども、まとまった形で勉強するのは初めて。

戦前でいえば、明治4年の播但一揆や賀川豊彦米騒動と川崎造船の大争議(1921年)あたりは知っていたが、自由民権の動きや東播地域を中心とした日本農民組合の活動などは初めて知った。金融恐慌の引き金になった鈴木商店の本拠地は神戸である。

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手書き資料をコンピュータで検索する

今日の「日経新聞」夕刊に載っていた記事。京大の林晋教授が開発したSMART-GSというプログラムで、手書き資料を画像データとして読み込み、必要な文字列を検索できるというものです。

記事によれば、林教授が数学者ヒルベルトが残した「数学手帳」の解読作業を効率的にやろうとして開発してしまった、というのは、いかにも数学研究者らしい発想。70ページにおよぶ手帳の中から「Kronecker」という人名をすべて探し出すのに数分しかかからなかったそうです。

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救助開始は14分後

衝突1分後に救助を開始したという話が、事件直後に一部で伝えられたが、実際には「総員配置」の指示を出したのであって、実際にボートを下ろして救助活動を開始したのは14分後だった。これが時間がかかったものなのかどうか、私には分からないが、通報はもっと早くできたことだけは間違いない。

イージス艦事故 救助開始14分後、通報16分後  『あたご』対応遅れる(東京新聞)

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当直士官は漁船団を把握していた

イージス艦衝突事故。事故当時、操船の責任者であった当直士官が漁船団に気づいていたことが判明。いよいよ、衝突回避のために何もしなかった自衛艦に事故の責任があることが明瞭に。

また、防衛省の調査で12分前に漁船の赤色灯を確認したとされる乗組員が、海上保安庁の事情聴取にたいして「はっきり覚えていない」と証言していたことも判明。それなら、12分前にという証言は何だったのか? 「はっきり覚えていない」という証言を、防衛省が特定の筋書きに合わせて歪めたのか。それとも、当初の証言を海保庁にたいしては翻そうとしているのか、なかなか深刻な問題かも知れない。

イージス艦 当直責任者も船団把握、回避指示せず(朝日新聞)
見張り役 はっきり覚えてない(NHKニュース)
漁船団突入は常識外 海自内部からも「あたご」批判(中日新聞)

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徴兵制でなくても戦争ができる理由

堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)

タイトルの「貧困大国アメリカ」というのは伊達ではない、というのが読み終わったときの一番の感想。上位1割がアメリカ全体の富の7割を占めるというのが、どれほど凄まじいものか。

僕が不勉強だったのだが、いまサブプライムローン問題の影響が深刻だけれども、この「サブプライムローン」というものは、単純な「低所得層向け」の住宅ローンなどというものでないことを、本書を読んで初めて知った。紹介されている、2001年にアメリカ金融監督当局の定義は以下のとおり(本書1?2ページ)。

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やっぱりもっと前から確認していた

イージス艦あたごの交代前の当直が、すでに漁船群を確認していたことが明らかに。また、艦橋ではレーダーによる追尾などの操作をまったくおこなっていなかったことも判明。

交代前の乗組員 漁船群を確認(NHKニュース)
イージス艦事故:レーダー追跡怠る…船影特定作業記録なし(毎日新聞)
見張りの「見逃し」濃厚に=衝突前、当直全員が交代?イージス艦衝突事故(時事通信)
イージス艦事故:見張り員「漁船が避けると思った」(毎日新聞)
「事実明らかに」と強まる批判=防衛省に抗議電話1千本?イージス艦事故(時事通信)

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家族の怒りまで辞任拒否の口実にする石破大臣

清徳丸の乗務員の家族を訪問して、家族・親戚から厳しい言葉を受けた石破防衛相。

ところが、訪問を終わったとたん、「『大臣に原因究明・再発防止をやってほしい。政争の具にされるのは嫌だ』という家族の気持ちを深く受け止める」と、家族の怒りまで、辞任拒否の口実にしてしまった…。唖然 (-_-;)

石破防衛相:イージス艦事故で家族らに謝罪、辞任は否定(毎日新聞)
石破防衛相、吉清さん親子の家族・漁協関係者に謝罪(読売新聞)

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原因はもうほとんど明らか

海上自衛隊の一方的な発表に、漁民たちが怒り、GPSの記録を含め衝突前後の各船の動きを詳細に公表。まだ事実関係のすべてが明らかになっている訳ではないが、衝突の原因が海上自衛艦の側にあったことはもはや疑う余地はない。

船で混み合う海域だった、大型船はしばしば直進している、というが、民間の大型船はそれなりに周囲の漁船に警告を送ったりして、漁船に気をつけながら運行している。実際問題として、大型船の回避行動は時間もかかるし、その間に船は相当すすんでしまう。だから、臨機に小型船舶の側がよけることになることもあるという。

しかし、だからといって、小型船舶の側がよけのなかったのが悪い、といえば、衝突事故はすべて小型船舶の責任と言うことになってしまう。

イージス艦、漁船団を避けず直進 僚船GPSで裏付け(朝日新聞)
当直連携に問題か=視認5分後が交代時間?灯火は「赤」「白」・イージス艦事故(時事通信)

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二期会「ワルキューレ」

二期会「ワルキューレ」(2008年2月20日)

20日、二期会の「ワルキューレ」(全3幕)を見てきました。D井君、いつも格安でおいしいチケットを譲っていただき、ありがとうございます。m(_’_)m

ワーグナーの「ラインの黄金」の第2部。神々の長ヴォータンが人間に生ませた双子の兄妹のジークムントとジークリンデが、お互いに素性を知らないまま運命的な出会いをするところからストーリーはスタート。2人はフンディングのもとを逃げ出すが、追いかけてきたフンディングとジークムントは対決することに。ヴォータンは、最初、戦の娘ワルキューレの長姉ブリュンヒルデに、ジークムントを勝たせるように言うが、結婚をつかさどる女神である妻フリッカの怒りをまねき、あらためてブリュンヒルデにジークムントを負けさせるように命じる。しかし、ブリュンヒルデはジークムントを助けようとし、ヴォータンの怒りに触れ、勘当されてしまう。最後、ブリュンヒルデは、岩山の頂上で炎に包まれつつ眠りに就く。第3部になると、このブリュンヒルデが、ジークムント・ジークリンデの息子ジークフリートによって目覚ませられるのですが、第2部は、ここまで。

6時開演で、第2幕が終わったところですでに9時を回り、第3幕が終わりカーテンコールがすんだのは10時45分。お疲れさまでした。(^_^;)

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衝突12分前から気づいていた!

イージス艦あたごが、実は衝突12分前から漁船・清徳丸の存在に気づいていた、という。12分前なら、衝突回避はできたはず。いったい何をやっていたのだろうか…。

「12分間何していた」 防衛省「2分前」翻す(朝日新聞)

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キヤノン、追い込まれる

キヤノンが、グループ企業19社で、2008年中に、派遣社員、請負労働者5000人を直接雇用に切り替える方針を固める。

キヤノン自身は「計画通り」というだろうけれども、先日の共産党志位委員長の衆院予算委質問では、大分や滋賀の工場ではパートを含めても直接雇用は半分以下半数以上が派遣社員や請負労働者であるという実態を暴露されたばかり。本来、派遣労働は臨時的・一時的なものでなければならない。志位委員長の具体的事実をあげての追及に、舛添厚労相も「いささかでも違法状態があれば、そこに調査に立ち入る」と答弁せざるを得なかったほどだった。

キヤノン、08年の直接雇用5000人に=派遣・請負の正社員化加速(時事通信)
鹿島の裏金問題 「不適切な取引ない」 キヤノン会長会見(西日本新聞)
大分優遇進出 キヤノン、知事に“献金” パーティー発起人も(しんぶん赤旗)

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