授業に関心がわかない大学生が6割

東大の調査で、大学生の60%が「授業に興味がわかない」と回答。また、1日の勉強時間が1時間以下が64%、1カ月の読書がゼロが29%、1冊が28%という実態が判明。

大学生6割 授業に興味わかず(NHKニュース)

惨憺たる結果だが、僕自身をふり返ってみても、積極的に関心を持ったという授業は数少なかった。自分で好きな本を読んでいたし、そうなるとすべての授業に全力投球なんぞしていられない。だから、興味も関心もないけれど単位のためにとりあえず授業をとったことも少なくない。当然のことながら、そういう講義はまったく出席せず、教科書と他人のノートだけでレポートを書いて単位をもらった。学年末試験の時に教員から「なんだ、君もこの講義をとっていたのか」と言われたこともある。(^_^;) だから、60%というのは、僕だってそんなものだったかなと思えるような数字だ。

しかし、読書量のこの少なさは、あまりに残念。経済的に大変で本を買うお金がない、という問題もあるだろう。それは真剣な悩みだ。

同時に、高校までの延長で、教科書か参考書のように「これ一冊読んだら全部分かる」という、ある意味で“正解”の書いてある本だけを読みたい(というか、それ以外のムダな勉強をしたくない)という傾向があるように思われる。しかし、大学での勉強は、“正解”があって、それを覚えればよいというような勉強はない。答えを自分で探すだけでなく、問題そのものも自分で見つける必要がある。だから、読書にお金や労力を惜しまず、勉強してほしい。

とくに古典、名著と言われるような著作は、学生時代でなければ読めない、というのが実際のところ。若いころにこそ、そうした読書に挑戦してほしい。

同時に、すでに大学教員の側の努力も始まっているが、教壇からの一方的な講義ではなく、学生が“問題”と出合えるような、問題発見的な授業のやり方という工夫も必要だろう。

大学生6割 授業に興味わかず
[NHKニュース 2月3日 18時38分]

 大学生の60%以上が「授業に興味がわかない」と感じ、1か月に1冊も本を読まない学生も30%に上ることが、東京大学の研究グループが大学生5万人を対象に行った調査でわかりました。
 調査は、東京大学の研究グループが大学の運営や授業に生かすため、おととしから1年間、全国の国公私立127大学の大学生およそ5万人を対象に行いました。「授業に興味・関心がわかないか」という質問に対し、「よくある」が17%、「ときどきある」が45%と、あわせて60%を超えました。また、1日の勉強量について聞いたところ、授業の予習・復習に費やす時間は、「1時間以下」が64%を占め、このうち「まったくない」が13%となりました。大学入学前の高校3年のときの勉強時間については、4時間以上が34%、3時間程度が23%となっていて、大学入学を境に勉強量が極端に減る実態を示す結果になっています。
 さらに、漫画を除いた本を1か月にどれくらい読むかを聞いたところ、4冊以上が16%ある一方、1冊しか読まないが28%、まったく読まないが29%となり、読書量も少ない傾向を見せています。
 調査を行った東京大学教育学部の金子元久教授は「『今の学生はあまり勉強をしない』ということが裏付けられてしまった。それは一部の大学だけでなく、東京大学でも同じだった。大学側は『勉強は学生が自分でするもの』という建て前を捨てて、社会に出るうえで必要な知識を大学の中で育てる取り組みを始めることを、真剣に考えなければいけない」と話しています。

授業に関心がわかない大学生が6割」への3件のフィードバック

  1. 私立大学の現状は就職予備校ですよ

  2. 名無しさんへ

    実態としてそう思わざるを得ないようなところがあるのは分かりますが、だからといって、そう言い切ってしまっては、何の展望もなくなります。

    だからこそ、こういう学生たちも、自分が生涯をかけていいような“問題”と出合えるような講義が求められているのだと思います。

  3.  コメントは一昨年秋の「敬語5分類に」以来になります。
     現場の教員が何もしていないわけではないのですが、問題の背景には、地方私大の多くが「実学」一辺倒のカリキュラムを進めている現状もあると思います。
     私が語学(非・英語)の非常勤講師をしている大学でも、英会話や資格取得のための授業を拡大して入学者増を狙っていますが、中高以来の英語嫌い・勉強嫌いに拍車がかかって、ますます無関心になる学生が出てくるのではないかと危惧しています。しかもその大学上層部がコロコロと方針を変えるので、専任の教員らは雑務に追われて学生と向き合う余裕がなく、そもそも非常勤講師はそれらの意思決定プロセスに加われません。
     そんな中でも、ささいな話題がきっかけで予想もしなかった輝きを見せる学生もいるわけで、そんな可能性を信じて、仕事の続く限り(これが近頃どうにも不安なのですが)どうにか工夫していければと思っています。
     ところで、「講義はまったく出席せず、教科書と他人のノートだけでレポートを書いて単位をもらった」ようなのどかな風景は、今は難しいですよ。「評価基準の一つ」という名目で、出席を毎回とるように事務方がうるさく言ってきますから。
     また読書不足に関しては、お金の問題もあるでしょうが、大学に入るまでに「本の読み方」や「本の探し方」を教えてもらう機会が無かった学生が多いように思います。小中高の図書館司書不足の問題とも関係があるのではないかと、私は考えています。

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