毎日新聞が共産党地区委員会主催の「蟹工船」映画会に注目

知人から教えてもらった記事なんですが、「毎日新聞」西部版(福岡本社発行)が、福岡市内で開かれた映画「蟹工船」上映会を取り上げていました。

実は、この上映会、主催は日本共産党の地区委員会。それにもかかわらず(?)、昼夜2回で900人も集まり、立ち見が出るほどの盛況だったそうです。それ自体驚くべきことですが、注目すべきは、「毎日新聞」が、その上映会でわざわざ日本共産党支持者でない若者に取材していること。なかなかおもしろいところに目をつけたようです。

取材された青年からも、「私たち若い世代が働きやすい環境作りを考えてくれる候補者、政党を選ばなければ、という思いを強くした」とか「貧しい人に厳しい今の政治には変わってほしい」など、興味深い反応が返ってきています。

選挙:衆院選 蟹工船ブーム、風起こすか 福岡の共産党委が同名映画上映会(毎日新聞)

選挙:衆院選 蟹工船ブーム、風起こすか 福岡の共産党委が同名映画上映会

[毎日新聞 2008年10月4日 西部夕刊]

◇衆院選、若者の思い…「働く環境考える人に投票」「国や政治家は守ってくれぬ」

 小林多喜二の同名小説を原作にした映画「蟹工船(かにこうせん)」(1953年作)の上映会が3日、福岡市中央区の中央市民センターで開かれた。主催したのは、共産党福岡中央・南地区委員会。近づく衆院選をにらんだイベントだが、500席がほぼ満員になった会場には党の支持者以外にも、チラシなどを見て興味を持った若者の姿も。蟹工船ブームは、次期衆院選にどんな風を起こすのか。支持者以外の参加者に聞いた。【斎藤良太、阿部周一】

 1929年発表の小説は、カムチャツカ半島沖でカニを捕り船の中で缶詰にする作業に従事する人々が劣悪な労働条件に抗議し、力を合わせて立ち上がる内容。ワーキングプア(働く貧困層)が広がる現代の格差社会を映しているとして注目されている。主催者は「若い人に映画を見てもらい、日本の政治の中身を変えることを一緒に考えてもらおうと企画した」という。
 この日の上映は午前と夜の2回。計約900人が会場を訪れ、立ち見が出るほどの盛況だった。
 知り合いから聞いて来た博多区の男子大学院生(25)は「これまで題名ぐらいしか知らず、良い機会と思って見に来た。映画のような過酷な労働条件は今はさすがにないかもしれないが、今も本質は変わらないのではないか」と指摘。選挙については「私たち若い世代が働きやすい環境作りを考えてくれる候補者、政党を選ばなければ、という思いを強くした」と語った。
 朝夕は新聞配達のアルバイト、日中はホテルのベッドメークのパート勤務をしている城南区の男性(29)は、正社員の求職活動でハローワークを訪れた際、主催者側が配布していたチラシを見て上映会を知った。
 「映画の中では労働者は非常に弱い立場だった。国や政治家が自分を守ってくれるわけではないので、生き残るためには自分が強くなるしかないと感じた」と話した。これまで一度も投票に行ったことはなく、今回も今のところ選挙には関心はないという。
 「登場人物の一人が『おれたちももうちょっと気持ち良く働きたい』と叫んでいたのに共感した。上の人が自分のことばかり考えて弱い立場にある人を顧みないのは今も一緒」と話したのは職業訓練学校に通う南区の元看護師の女性(28)。「秋葉原の(無差別殺傷)事件も、勝ち組と負け組の格差が背景にあったと思う。貧しい人に厳しい今の政治には変わってほしいから、候補者の公約をちゃんと見比べて投票します」

【追記】

この映画上映会の様子を、福岡のRKB毎日放送がニュース番組で取り上げていることを教えていただきました。こちら↓から、その動画を見ることができます。

http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/010623.html

毎日新聞が共産党地区委員会主催の「蟹工船」映画会に注目」への2件のフィードバック

  1. winter-cosmosさん、お早うございます。m(_’_)m

    ミニシアターでもけっこう上映されていますね。上映会も、各地で取り組まれているようですし。

    といいつつ、僕はまだ見てないのですが…。(^_^;)

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