西松建設からの違法献金を受け取った容疑で公設第1秘書が逮捕された小沢一郎・民主党代表が記者会見。
しかし、「政治資金管理団体で受け取っていたら何の問題もないのだから、何の問題もない」というのは、開き直り以外のなにものでもありません。これではだれも納得しないでしょう。
小沢氏側が西松建設に献金請求書…「企業献金」認識か(読売新聞)
大久保容疑者 額など具体的指示 小沢氏側団体が主導か(産経新聞)
小沢王国の工事でゼネコン統率 逮捕の秘書(朝日新聞)
西松前社長「献金はダム受注目的」 影響力を期待(朝日新聞)
西松違法献金、管理本部が「司令塔」…前社長らトップ経験(読売新聞)
民主・小沢代表の記者会見冒頭発言(朝日新聞)
「献金すべてオープンに」小沢代表会見一問一答 – 西松建設事件(朝日新聞)
報道されているかぎりでは、西松建設からの献金を、書類上、2つの政治団体からの献金として処理するということで、双方が合意して(阿吽の呼吸で?)やっていた、というのが実態のようです。
こうしたことは、これまで自民党だってやってきたこと。だから、「この種の問題でいままで逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかった」「今回は、普通の従来のやり方を超えた異常な手法であった」という小沢氏の主張は、ある意味、正直な発言かも知れません。
しかし、形の上で、政治団体を介在させれば何でもOKというのでは、政治資金規正の意味がありません。小沢氏は、政党支部や政治資金管理団体で受け取れば何の問題もないのに、政治団体で受け取ったために犯罪になる、というのはおかしいとも主張しています。しかし、それでは政治資金管理団体を1つに限定した意味がなくなります。同じであれば、政治資金管理団体で受け取ればよいのであって、これはまったくの開き直りでしかありません。
それはそれとして、名は体をあらわすとはよく言ったもので、小沢氏の政治団体の「陸山会」という名前が、そもそも田中角栄の「越山会」をなぞったものでしょう。田中角栄は新潟(越後)だったから「越山会」、小沢一郎氏は岩手(陸中)だから「陸山会」。小沢氏が、田中角栄いらいの金権腐敗政治の本流を受け継いでいることの、文字どおりの「出生証明」となっているのではないでしょうか。
小沢氏会見 民主代表続ける
[NHKニュース 3月4日 12時29分]
民主党の小沢代表は記者会見し、西松建設に絡む政治献金をめぐり公設秘書が逮捕されたことについて、政治献金は適切に処理しているとして、引き続き代表を務める意向を示すとともに、「非常に不公正な検察権力の行使だ」と批判しました。
この中で、小沢代表は「政治資金規正法にのっとって収入も支出も適法に処理し、報告をして公開している。企業献金を受けることが許されている政党支部で受け取っていれば何の問題も起きなかったわけだが、西松建設からではなく、政治団体が寄付してくれるという認識だったので、政治資金管理団体で受け取ることにしたもので、至極あたりまえのことだ。逮捕を含め、強制捜査を受けるいわれはない」と述べ、政治献金は適正に処理しているという考えを強調しました。そのうえで、小沢氏は、みずからの進退について「わたし自身としては何らやましいことはないし、わたしの秘書も法律にのっとって処理しているので、それによってどうこうということは考えていない」と述べ、代表を辞任せず、引き続き務める意向を示しました。
さらに、小沢氏は「相手方に対し便宜供与を行ったということであれば、甘んじて捜査を受けるが、わたしも秘書もそういう事実はない。この種の問題で逮捕や強制捜査といったやり方をした例はなく、従来のやり方を越えた異常な手法だ。衆議院選挙が取りざたされている時期に、今までやったことのないような異例の捜査が行われることは、政治的にも法律的にも、非常に不公正な検察権力、国家権力の行使だと感じている」述べ、今回の検察の捜査を批判しました。そして、小沢氏は「今回の秘書の逮捕や強制捜査はまったく合点がいかず、理解できない。近いうちに秘書の嫌疑は晴れると信じており、わたしと民主党に対する疑念を晴らすことができる。わたしどもの正当性が証明されると思っている」と述べました。また、小沢氏は「献金の金の出どころまでせんさくはしておらず、善意を信じてやってきているが、違法に作られた金だということが確定したときには返却するつもりだ」と述べました。
これに先立って、民主党は緊急の役員会を開き、小沢氏が政治献金は適切に処理していることなどを説明して理解を求め、役員会としても、引き続き小沢氏の下で、結束して党運営に当たる方針を確認しました。
小沢氏側が西松建設に献金請求書…「企業献金」認識か
[2009年3月4日14時57分 読売新聞]
小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、同会が準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)のOBを代表とする二つの政治団体から献金を受ける際、同社に請求書を出していたことが、同社関係者の話でわかった。
その後、献金は2団体名義で、請求書の金額通りに行われ、陸山会側からは2団体あてに領収書が発行されていたという。東京地検特捜部も同様の事実を把握しており、小沢代表側が政治団体からの献金は西松建設からのものと認識していた可能性が強いことを示す事実とみている。
二つの政治団体は「新政治問題研究会」(1995年設立)と「未来産業研究会」(98年設立)。特捜部の調べなどでは、陸山会は2団体が解散した2006年までの4年間に、実質的に西松建設からの献金と知りつつ、2団体名義で計2100万円の違法な企業献金を受け、2団体からの献金と記載していたとされる。複数の同社関係者などによると、こうした献金の要請は、小沢代表の秘書らから同社東北支店(仙台市)などに寄せられていたという。
要請があると、同社では本社の総務・経理部門を統括する管理本部の本部長らが、政治資金規正法違反容疑で再逮捕された前社長・国沢幹雄被告(70)(外国為替及び外国貿易法違反罪で起訴)らの了承のもとに金額を決定。この金額を伝えられた陸山会側は、改めて請求書を作成し、西松建設に渡していた。
その後、請求書は2団体側に渡り、献金額の振り分けは、団体の手持ちの資金に応じて、決定されていた。振り込みの手続きは、2団体の代表を務めるOBが行っていた。献金が終わると、陸山会側から2団体に領収書が送られてきたという。
こうした手続きは毎年繰り返され、陸山会側から西松建設側に、「今年もよろしく」などと、前年並みの献金額を求めることもあったという。献金額は、新政治問題研究会が03?05年に各500万円、06年が100万円。未来産業研究会は03、04年が各200万円、05年が100万円となっている。2団体には西松社員が会費を振り込み、後で同社が賞与などで補填(ほてん)していた。
この事件では、政治資金規正法違反容疑で、陸山会の会計責任者で小沢代表の公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が逮捕されているが、同容疑者は容疑を否認している。特捜部は、陸山会の請求書は西松建設に送っていることから、大久保容疑者が、2団体は西松建設のダミーで、実際は西松建設からの献金だと認識していたとみている。
「献金元は西松建設」、会社側が小沢氏秘書に伝達か
[NIKKEI NET 2008/3/4 16:00]
準大手ゼネコン西松建設が民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」に違法献金したとされる事件で、同社側が、小沢代表の公設第1秘書で陸山会会計責任者、大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=に対し、2つの政治団体からと装った献金の実際の出し手が西松建設であると伝えていたことが4日、東京地検特捜部の調べで分かった。
特捜部は、政治団体を隠れみのにした迂回(うかい)献金であると大久保秘書が認識していたことを裏付けるとみて、献金の経緯について調べを進めている。小沢代表が違法献金を認識していたかどうかについても慎重に調べるもようだ。
大久保容疑者 額など具体的指示 小沢氏側団体が主導か
[産経新聞 2009年3月4日(水)15:55]
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)から事実上の企業献金を受けていた政治資金規正法違反事件で、逮捕された小沢氏の公設第1秘書で、陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)が、西松側に対し、献金額や献金先を具体的に指示していたことが4日、捜査関係者の話で分かった。
東京地検特捜部は4日正午ごろ、民主党岩手県第4区総支部が入る同県奥州市の小沢氏の事務所の家宅捜索を開始、2億円近くに上る違法なトンネル献金が、小沢氏側の政治団体の主導で行われてきたとみて、実態解明を進めるもようだ。
捜査関係者によると、陸山会や政党支部「民主党岩手県第4区総支部」など小沢氏側の政治団体は、西松のダミーの政治団体「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)から、両団体が平成18年末に解散するまでの12年間に総額2億円近い献金を受領していたという。
これらの献金方法については、大久保容疑者が、西松前社長の国沢幹雄(70)と元総務部長兼経営企画部長の岡崎彰文(67)の両容疑者に対し、具体的な金額や献金先などを指示。2人はこれに応じ、毎年1500万?2000万円程度を大久保容疑者が指定した銀行口座に振り込んでいたとされる。
特捜部の調べに対し、西松関係者は「長年の献金は、小沢氏側の政治団体からの要求に応じて支払ってきた」などと供述しているもようだ。
西松関係者によると、両者の献金授受には、新政研や未来研の関係者は一切かかわっていなかったといい、特捜部はダミー団体を使ったトンネル献金について、小沢氏側の政治団体も違法性を認識していた疑いが強いとみている。
大久保容疑者は、陸山会の会計責任者に就任した12年以降、小沢氏側の政治団体の資金管理を任されていたという。
特捜部の調べによると、大久保容疑者ら3人は、18年10月ごろ、新政研の名義をダミーに使って、陸山会に対して行われた西松の企業献金を授受するなどした疑いが持たれている。
小沢王国の工事でゼネコン統率 逮捕の秘書
[asahi.com 2009年3月4日3時1分]
西松建設の裏金問題を巡る東京地検特捜部の捜査は3日、政界に及んだ。西松の名前を隠した政治献金を受けた容疑で逮捕されたのは、政権交代をうかがおうかという民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書大久保隆規容疑者(47)。「側近中の側近」とされ、地元の公共工事にも強い影響力があった、という。
朝日新聞が入手した大手ゼネコンの「極秘資料」。そこに名前が何度か出てくる大久保秘書の役割は、小沢代表の地元・岩手県を中心とする東北地方で、迫りくる総選挙に向けた実務を取り仕切る大久保秘書の姿とは明らかに異なっている。
資料はゼネコンが01年前後に、東北地方全域で展開した公共工事受注のための活動内容を詳細に記したものだ。そのなかに「盛岡(営)の所長より、県立病院」と題されたページがある。
「小沢氏の考え、大久保氏を育てたいという意向を持っている」
「仕事の話は大久保秘書にし、ほかはあいさつだけにしておいたほうがいい」
大久保秘書は、その他のページにも登場する。同社関係者が小沢代表系の岩手県議(当時)とみられる人物と面会した際の記録だ。
「本件の今後の進め方について」という項目。そこに次のようなくだりがある。
「まず、大久保氏(小沢党首の秘書)を通じて根回しをする。その指示を待て」
「営業所長は大久保氏を通じて今年度中にゼネコンのしかるべきトップと支店長で直接小沢党首に面談し『お願い』をすること」
「大久保秘書の段取りした会見は小沢党首も従う」
公共工事に絡んだ大久保秘書の影響力に一目置いていたのは、このゼネコンだけではない。
別の大手ゼネコンの関係者は「口利き依頼、陳情……。最も力を持っていたのが大久保氏だった。大久保氏の意見なら小沢氏も聞く。小沢氏の番頭だ」と証言。「秋田、青森を含め北東北3県の大規模公共工事の受注は、小沢事務所関係者の意向で左右されると、ゼネコン側はみていた」と話した。
ゼネコン関係者らは「岩手県内の工事は依然として『小沢王国』で自民党も太刀打ちできない」と口をそろえる。小沢代表の自民党時代から、小沢事務所は、岩手県内の建設業者だけでなく、仙台市に本拠を置く大手ゼネコンの東北支店などにも影響力を持っていたという。
小沢代表が自民党を離党した後もこの構図は続き、ゼネコン側は小沢代表の元秘書などに小沢事務所への口利きを頼むことがあったという。この状態が続いた背景について、あるゼネコンの元役員は「野党であるにもかかわらず、小沢事務所の意向を最大に尊重する役人が国にも県にも今でもいると、ゼネコン側が認識しているからだ」と指摘した。
大久保秘書は釜石市出身で地元高校を卒業後、同市議を経て99年の同市長選に立候補したが落選。その後、小沢代表の秘書になった。「小沢氏の権威をかさに着て恫喝(どうかつ)するようなタイプだった」と地元議員は話す。そんな大久保秘書が、数あるゼネコンの中で特に親しくしていたのが西松建設だったという。
西松前社長「献金はダム受注目的」 影響力を期待
[asahi.com 2009年3月4日15時4分]
小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる違法献金事件で、政治資金規正法違反容疑で逮捕された準大手ゼネコン「西松建設」前社長の国沢幹雄容疑者(70)らが東京地検特捜部の調べに対し、「小沢代表側への献金はダム工事などを受注するためだった」などと供述していることが関係者の話でわかった。
実際、西松建設は06年に、国土交通省が発注する岩手県内のダム工事の一部を約100億円で受注。同社側はこの受注を献金の成果と受け止めていたという。
特捜部は、西松建設が東北地方のダムなど大規模公共工事の受注で便宜を図ってもらうよう期待して小沢代表側への献金を続けていた疑いが強いとみて、同代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼ねる大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反(虚偽記載など)容疑で逮捕=らが公共工事の受注に関与していたかどうかなどについて調べを進めるものとみられる。
調べなどによると、西松建設が陸山会に献金する際、会社名を出さないためのダミーとして使っていたのは、同社OBが代表を務める政治団体「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)と「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)。他人名義での献金や政党側以外への企業献金は政治資金規正法で禁じられているが、大久保秘書は、西松建設からの政治献金(計2100万円)であることを知りつつ、この献金が両団体からの寄付だったように03?06年の政治資金収支報告書に虚偽記載をした疑いなどが持たれている。
一方、関係者によると、西松建設は、二つの政治団体の設立当初から、陸山会や小沢代表が代表を務める政党支部へ献金を始めたという。こうした献金を始めた理由について、国沢前社長は「西松建設は東北地方で仕事をとれないため、小沢代表側を頼った」という趣旨の供述をしている模様だ。
複数のゼネコン関係者によると、小沢事務所は、地元の岩手県など北東北3県を中心に公共工事の受注で強い影響力を持つとされる。この地域での大規模な公共工事の一つとして、西松建設は他の2社との共同企業体(JV)で06年3月、国交省東北地方整備局が発注する「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)建設工事の一部の入札に参加。洪水時に流水をためるなどして安全に下流に流すための施設工事を約100億円(後に約90億円に減額)で落札した。
関係者によると、国沢前社長や西松建設の営業担当者は、この受注について献金の成果が表れたと評価していたという。
小沢代表は4日の会見で、「献金に対して私や秘書が便宜を供与した事実はあり得ない」と述べた。
西松違法献金、管理本部が「司令塔」…前社長らトップ経験
[2009年3月4日10時52分 読売新聞]
ダミーの政治団体を利用した西松建設の違法献金では、同社の総務・経理部門を統括する管理本部(旧事務本部)が「司令塔」の役割を果たしていた。
政治資金規正法違反容疑で3日、特捜部に逮捕された前社長・国沢幹雄被告(70)は専務・副社長時代に同本部長を、元取締役・岡崎彰文容疑者(67)も同本部内で総務部長を、それぞれ長く務めていた。
政治団体を隠れみのにした西松建設の企業献金の仕組みは、まず、西松のOBが代表を務める政治団体「新政治問題研究会」(1995年設立)と、「未来産業研究会」(98年設立)の口座に、西松社員が会費を振り込むなどし、その後、同社が年2回の賞与に上乗せして補填(ほてん)するというものだった。
関係者によると、政治団体を作るよう指示したのが国沢被告。岡崎容疑者は総務部長として、社員に会費振り込みに協力するよう、声をかけていた。ある現役社員はかつて、岡崎容疑者から、「献金に協力してくれないか。賞与で返すから寄付してくれないか」と要請されたという。この社員は「当時は上司でもあり、断れなかった」と話す。
一方、政治家側からの献金やパーティー券購入の要請を受ける窓口になったのは、本社の役員や支店幹部らだが、こうした要請のうち、100万円単位の大口については、管理本部に必ず報告が上がり、管理本部長が献金先や金額を具体的に決定していた。この際には、政治家との過去の付き合いなどが考慮されたという。献金が決定すると、総務部長の岡崎容疑者が、二つの政治団体の代表者に連絡をとり、献金やパーティー券購入を指示していた。
国沢被告は95?2003年、管理本部長を務めた後、社長に昇格した。社長時代の04?06年、西松建設は二つの政治団体を通じて、計約8500万円を与野党の国会議員や自民党の派閥、地方自治体の首長らの政治団体に献金したり、パーティー券を購入したりしていた。このうち、国会議員の資金管理団体への献金では、民主党の小沢代表のほか、自民党の尾身幸次元財務相(400万円)、森喜朗元首相(300万円)らに対するものもあった。
民主・小沢代表の記者会見冒頭発言
[asahi.com 2009年3月4日10時34分]
民主党の小沢代表の記者会見の冒頭発言は以下の通り。
◇
いいかな。今回の問題について、私からご報告とご説明を。
このたび私の秘書の大久保の逮捕を含め、西松建設からの政治献金にかかわる関連のことで強制捜査が行われたわけですけれども、いわゆる強制捜査の根拠を聴くと、その政治団体からの献金か、企業からの献金か、その認識の違いを根拠にし、企業からの献金を認識して虚偽の記載をしたという検察の言い分のようです。この種の問題でいままで逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかったと思います。まさに検察の強制捜査の今回は、普通の従来のやり方を超えた異常な手法であったと思っております。
それからまた、衆院総選挙が取りざたされているこの時期において、このような今までやられたことのなかったような異例の捜査が行われたことに関しまして、私は非常に、政治的にも、法律的にも、不公正な国家権力、検察権力の行使だという感じをもっております。
事実関係について申し上げますが、私ども政治家は、皆国民の皆さんから公人であれ、個人であれ、現金をいただき、その浄財で政治活動をやってきている。私はそのみなさんからの浄財をご存じの通り入りも出も、すべて公開いたしております。従いまして、この二つの政治団体から寄付を受けたことについては、これも政治資金規正法にのっとって適法に処理し報告し公開されている。従って献金を受けたことはそのとおり事実です。
私は、秘書からの報告につきましての、この政治団体が寄付をしてくれるということでございましたから、政治資金管理団体で受領することにしたということで、私は、とっても当たり前の当然の事だと解釈をしております。
もしこれが西松建設そのものからの企業献金だという認識に立っているなら、政党支部は企業献金を受けることが許されているので、そういう認識にたっていれば、政党支部で受領すれば何の問題も起きなかったわけで、私どもの資金管理団体の担当者は、それは政治団体からの寄付という認識のもとであったから、政治資金管理団体で受領したということであったと報告を受けておりますし、それは至極当たり前のことだろうと思っております。
献金して頂く皆さんにそのお金の出所や、いろいろな意味において、そういうことをお聞きすることは行為に対して失礼なことでもありますし、通常、政治献金の場合だけでなく、そのようなせんさくをすることはないだろうと思っております。
そういう意味で、私どもとしましては、全く政治資金規正法に忠実にのっとって報告してオープンにやっている問題でして、このような逮捕を含めた強制捜査を受けるいわれはないという風に考えております。
んー、このような、いわゆる、検察権力、国家権力が、こういう形で強制捜査を行う、この種の問題でこういう形で行うことは普通の民主主義社会に置いてはありえないことだ。従って日本でもこのようなことは前例がなかった。
私が今回のことで一番心配するのが、このように強制力を持つ公権力が思うままにその権力を行使することが今後もまた行われることになれば、私は本当に国民の皆さんの人権を守ることができませんし、社会は暗澹(あんたん)たるものに陥ってしまうだろうと思っておりまして、日本の民主主義の成熟ということを考える上でも、先に申し上げたように、今度のこの種の問題で逮捕、強制捜査というやり方は大変民主主義を危うくするものであり、公正さを著しく欠くものであると考えている次第です。
私としましては、今申し上げましたように、何ら政治資金規正法に違反する点はありません。さらに付け加えれば、その献金が何らかの形で私や私の秘書が相手方に対して便宜を供与したとか何らかの利益を与える行為を伴っていたということがあるとするならば、それは私は甘んじて捜査を受けます。しかしながら私も私の秘書も全くそういう事実はありません。従いまして、今申し上げましたように、今回の強制捜査については、その公正さについて納得がいかない、疑いを抱かざるを得ないのが、私の現時点での認識でございます。
事実関係は皆さんご存じの通り、ごくごく単純なものですからおわかりと思います。これ以上の事実関係の説明はありませんし不要だと思います。
私がこの件について、みなさまにご報告を、ご説明を申し上げますのは以上です。
「献金すべてオープンに」小沢代表会見一問一答
[asahi.com 2009年3月4日13時43分]
小沢氏の記者会見でのやり取りは次の通り。
――党内外から代表辞任や議員辞職を求める声もある。進退は。
「今申し上げたように、私自身として何らやましいこともありませんし、私の秘書の行った行為は、政治資金規正法にのっとって適法にきちんと処理し、届け出た。そして公にされていることであるので、私としては、それによってどうこうということを考えてはおりません」
――確認だが、献金を受けた時、出どころが西松建設と知っていたか。知っていたが、政治団体経由だから問題ないと思ったのか。
「私が直接やったわけではない。すべての献金について秘書ないし担当者がやっているが、今回の大久保(秘書)の話によれば、さっきから説明している通り、政治団体からの献金であるという認識であったから、政治資金管理団体で受領したということに尽きると思います」
――第1秘書逮捕は、政権交代をめざすうえで大きな衝撃。衆院選への影響、政治とカネの事件は政治不信も高まると思うが、今後、どう訴えていくのか。
「私は先ほどから繰り返し言っているが、政治献金については収入支出、入りも出もすべて公開をしています。今回問題になっている献金も、これも全部報告してきちんと処理を適法にいたしております。したがって、大久保が今逮捕されているが、遠からずその嫌疑は晴れるものと、そのように信じているので、私はそのことによって、少なくとも私自身と民主党に対する、そういった国民のみなさんの疑念は晴らすことができると、そのように思っている」
――与野党、多くの議員が二つの政治団体から献金を受けているが、なぜ今回検察のターゲットが小沢秘書になったと思うか。
「全くわかりません、先ほど申し上げたように、私は今、民主党、野党第1党の党首、代表をいたしております。そして政治献金に関しては、何度も言うように、すべて法にのっとって報告し、オープンにいたしております。多分収支を全部オープンにしているのは私だけではないかと思っておりますけれども、それがどうのという意味じゃございませんが、私はそういうふうに明朗にきちんといたしております。それにもかかわらず、このような一方的な、いわゆるこじつけたような理由でもって、検察権力の発動は公正を欠く、非常に政治的にも法律的にも公正を欠く行為ではないかという風に感じております」
――検察権力の横暴だという発言があるが、謝罪がない。世間に動揺を与えたことへの謝罪はないか。
「私は何度も何度も申し上げておりますように、何らやましい点もありませんし、また政治資金規正法にのっとって正確に処理し報告し、そして収支も全部オープンにいたしております。従って、今回秘書が逮捕される、強制捜査を受けるということについては全く合点がいかない、理解できないところでございます。従いまして、かならず、近いうちにその嫌疑が晴れ、私どもの正当性が証明されるものと思っておりますので、そういう意味において、いまおわびするという、その意味においては、理由は私は見当たらないと思っております」
――代表が言ったように近いうちに嫌疑は晴れるだろうということで謝罪も特にないが、送検、起訴なりされる場合も考えられるが、その時点でもそれは変わらないか。
「私は起訴などということはないというふうに信じております。そして起訴に値するような法律違反、違法なことはやっていない、そういうふうに思って、そう認識しております」
――献金の出どころを代表は把握していなかったが、結果としてゼネコンから多額の資金が政治資金団体にきていた。自民党の政権を代えようとする中で、同じような体質があるのではという声が広がっているが、どう考えるか。
「あなたはゼネコンだけの話をいたしますが、私は大変大勢の個人のみなさんからも献金いただいていますし、ゼネコンだけじゃなく、その他の企業からも身にあまるほどの献金をいただいている。心からみなさんに感謝している。旧来から政治資金に関して、あるいはその他の日本社会全体に関しての私の考え方ですけれども、献金を企業はいけないとか、誰はいけないとか、そういう意味で制約するやり方ではなくて、献金はどこから受けたって構わないけれども、それはすべてどこからいただいて何に使ったとすべて公開しろと。そしてそれを国民が見て、ああこういうところからもらっているのか、こういうところに使っているのかと判断できるディスクロージャー、一般の会社でも同じですが、行政もそうです、なかなか真実をオープンにしない、そういう社会の体質がいけないと思っている。従来からの私の主張は明朗あくまでも公開、オープン、何事も。そしてそれは妥当かどうかは国民、主権者が審判をくだすというのが、私は民主主義のありかただと思っておりますので、その今の自民党と同じ体質だというような類の意見はまったく心外であります。私はずっと以前から全部公開しろということをいってきた。自民党はひたすらそれを嫌がってきたわけであります。年金や医療の社会保険庁の行政をみてもそうじゃないですか。全部隠してきたじゃないですか。これがオープンになっていたらもっともっとはやく解決ができたろうと思っております。行政、各省庁、みなそうです。私はディスクロージャー、より日本社会をオープンな社会にして国民が判断する材料を、資料をきちんと限度内で、国民に提供する社会にすべきだというのが私の持論であります」
――小沢事務所で政治団体から4年で2100万円、その後、陸山会に入るが、その大きな献金のチェック機能はどうしていたのか。ノーチェックで入れていたのか。
「チェックってどういう意味ですか?」
――その政治団体の背景はどういう背景かチェックしていたのか、事務所では調べたのか、システムはどうなっているのか。
「一般的に言って、私の事務所だけじゃなくて、献金をしてくれるという方について、このお金は、どういうところから出ているのかは、普通の一般常識として、個人間でもみんな同じだと思いますが、どっから持ってきた金だとか、そういう類のせんさくはしないのが私は大多数だと思っている。従って、その意味で献金してくれる皆様の善意を信じてやってきているというのが現状だ。まあ個人もいえば、全く知らない人からもたくさん献金をいただいている。そういう意味において、私が先般申し上げたように、その献金そのものが、お金そのものが違法であるということが明らかになった時には、それは返却することにして、そのけじめをつけているつもりであります」
――今問題になっているのは、個人でなく実は企業献金だったと。そんな脱法的な献金のあり方が国民に不信を与えている。政治改革を進めてきて、この疑惑をどう思うか。
「ですから、私どもの政治資金の処理の仕方としては、その政治団体の原資がどういう形でどういうところから入っているのかは、それは知る術もありません。ですから、そういう意味におきまして、政治団体からの寄付だったので、政治団体で受領したということであります。そしてもし今、西松建設の中でそのような脱法というべきか、違法な形で作られたお金であったということがはっきりした時点において、それは返却するつもりでおります」
――今日の説明まで時間かかった。これなら昨日話してもよかったのでは。遅れた理由と判断は。
「別に意図的に遅らせたのでも何でもありません。全く予期しなかったことでありますから、大久保がどうなっているのか、それさえもまったくわからなかったし、そういったことを問いあわせたりしている間に時間が経過したということだけでございます。ですから今日は(民主党)役員会でお話しし、その後でみなさんにご報告を説明しているということでございます」
――秘書は政治団体からの献金であるという認識だったということだったが、便宜供与はなかったと。捜査でそれが覆った場合は。
「私は覆ることがない、とさっきから言っているように必ず近いうちに嫌疑は晴れると。正当に適法に対応してきたということになるものと信じております」
――嫌疑ははれると言っているが、原資が脱法的であれば返却するということだが。
「そうですそうです。そうです。過去にも、…水谷建設だったかな。それも嫌疑が確定した段階で、きちんと返却しました。今いまだ確定してないでしょ。確定したときには、そのつもりでおります」
――小沢代表は、陸山会の代表者。監督責任はある。その際に代表者としてどこまでチェックし、担当者から聞き取りし、関係情報まで目を通すか。どのようなチェックをしてきたか。
「政治家は、一人で政治活動を全部やることは不可能です。ですから、スタッフ、秘書のサポートを借りながら活動を続けているわけであります。この政治資金につきましても、私も皆さんご承知のように、非力ながら民主党の代表として選ばれて務めさせていただいております。全国、一生懸命国民の皆さまに語りかけ、話しかけ、あるいは我々の政策を理解して頂く努力が、最大の、私は党首・代表としての任務だと思って、ずっと就任以来やってきました。まあ、民主党になってからだけではありませんけれども、私も40年やっておりますので、最初の当選した時より、だんだんそういう仕事が増えてきております。従いまして、細かな政治献金の一つ一つについて私が全部チェックするということは、いたしておりません。秘書を信頼してやる以外に現実問題として不可能なことでありまして、報告は受けて、全体の報告は受けて、それを了としておりますけれども、個別の一つ一つについてまで目を通す時間的、能力的余裕は現実にはないということであります」
――多額の献金を出す場合、自分たちが出しているとわかってほしいと企業は思うと思うが。
「私が直接窓口としてやっていたわけではありません。従いまして、大久保の話を報告を聞けば、『自分としては政治団体の寄付行為、献金だという認識で法律にのっとって処理した』という報告を受けておりますので、私はその意味でさっきから申し上げておりますように、どういうふうにしてその原資がつくられたかということまでは知りうる術がありませんので、私は秘書が、担当者がそういうことをそのまま受け取ったということについて、至極自然のことだと思っております」
(民主党役員室長「以上で会見を終わります」)
「はい、どうもありがとう」