このブログでも、海外のメディアが日本共産党に注目している様子を紹介してきましたが、共産党の発行する雑誌『女性のひろば』6月号では、逆に、日本共産党を取材した海外メディアに「なぜ日本共産党を取材したのですか?」と取材する、というおもしろい企画をやっています。(^^;)
登場するのは、イギリスの公共放送BBC、スウェーデンの第3の日刊紙「シドスベンスカ・ダグブラデット」、韓国の新聞「ハンギョレ」の記者さんたち。どれも、どうして日本共産党に注目したのかよく分かります。
たとえばイギリスBBCの記者は、「イギリスでも格差と貧困の問題はあります。しかし、イギリスにはネットカフェ難民はいません」、「世界第2の経済大国で、共産党がこれほどがんばっているのは驚きです」と語っています。
このブログでも紹介したスウェーデン「シドスベンスカ・ダグブラデット」紙の記者は、こんなふうに語っています。
外国人にとって、日本のイメージというのは、豊かで、ハイファッションで、新しい科学技術と結びつけてとらえられがちです。私たちは、日本を超近代的で誰もが豊かで成功してると見ています。でも、東京に2年半住んでみて、日本の違った面が見えるようになりました。ちょうど日本の新聞が「ワーキングプア」とか、共産主義の台頭とかを報じはじめ、私もその話題を調べてみたいと思いました。豊かで、超近代的な資本主義日本で、共産主義って可能なのだろうか、と。
そして、日本共産党について取材したあとの感想として、こんなふうに答えています。
あなた方の党の政治的な意見のすべてに同意するわけではありませんが、社会の弱者を助けるためにこれほど献身的に働く人々に出会えて元気が出ました。日本共産党は、私たちに日本のもう1つの面を見せてくれました。そして日本における「ワーキングプア」の状況を理解するためのカギを与えてくれました。
私は、ハイテクの大企業、そして見せかけの豊かさの陰で日本の人々がどんな生活を送っているかを世界の人々に伝えることができたことに大きな喜びを感じています。
このヨーロッパのメディアの記者2人の感想に共通しているのは、1つには、資本主義の発達した日本で、なぜ共産党が伸びているのか、という疑問です。ヨーロッパで有力な共産党といわれたイタリア共産党は、共産党の立場を放棄して、左翼民主党になり、さらに「左翼」の看板も投げ捨ててしまいました。フランスでは、共産党の凋落ぶりは目を覆うばかりです(最近の大統領選では、いわゆるトロツキスト系の候補者よりも下回っている)。そんなヨーロッパの状況と比べて、資本主義の発達した日本で共産党が伸びている、というのは、本当に不思議なんだろうと思います。
しかし、それだけでなく、もう1つ2人が共通して指摘しているのは、日本の「ワーキングプア」とか貧困の実態は、ヨーロッパでは考えられない、ありえない事態だ、ということです。スウェーデン紙の記者さんが、「誰もが夜になれば、明日は大丈夫だと確信してベッドに行く権利を持っているはずです。仕事を、あるいは家まで失うかも知れないと常に怯えるなどというのは、あってはならないストレスです」「(スウェーデンでは)少なくとも人々は援助を受けることができるし、家を失うことに怯えなくてもいいのです」と話していたのが印象に残りました。
韓国「ハンギョレ」新聞の記者さんは、「自民党は政党というより個人の後援会という面が強いのに比べ日本共産党は最も歴史が長く、草の根の力が強い。おそらく最後まで残る政党の1つではないかと思います」と共産党を取材した感想を述べています。
『女性のひろば』誌のホームページは、こちら↓。
女性のひろば・2009年6月号特集 海外メディアが報じた日本共産党
【追記】
同誌で紹介されていたBBCの日本共産党取材のニュースが5月4日に放送されたようです。テキストベースの記事と動画は、以下のエントリーから見ることができます。
英BBCが“日本で共産主義が上り坂に”と放送
BBC ニュース動画を見つけました!!
スウェーデンの「シドスベンスカ・ダグブラデット」紙の記事はこちら↓から。ただし、スウェーデン語のままのものと、それをGoogle翻訳で英文にしたものだけ。日本語訳はありません。