ユア『工場の哲学』と並んで、マルクスが機械を論じるさいに大いに参考にしたバベジ『機械と製造業の経済論』(初版1832年、第3版1846年)を手に入れました。
といっても、これは当時の版本でもリプリントでもありません。届いてからはじめて分かったのですが、Google Booksで公開されている画像データをOCRに読み込んで、文字データに変換し、それをそのまま印刷したものです。
アルファベットだけなのでOCRによる文字変換はほぼ100%なのですが、ただデータをそのまま流し込んで印刷しているので、大文字、小文字の区別はあっても、文字の大小などの装飾はいっさいありません。また、本文の途中に突然、脚注の文章が挟まり込んでいたり、表組みがただ数字の羅列になっていたりします。
さらに、画像データには蔵書印があったり、ゴミが写り込んでいたりする部分があって、それがOCRでまったくでたらめな文字に変換され、それがそのまま文章中に挟まっています。
こういうことも、Google Booksの画像と見比べて初めて分かったこと。活字にはなっているものの、Google Booksの画像と見比べて校正をしていかないと、文章のつながりや表の復元はとても不可能です。
日本人の感覚からいえば、こんなテキトーなものを出版していいのか?! という気もしますが、著作権のすでに切れた、研究史上の古典は、もはやパブリックなもの(公共財)なのだから、徹底的に利用し尽くそう、という考え方なのだ、ということが分かります。
Google ブックスで公開されているバベジ『機械と製造業の経済論』↓
On the economy of machinery and … – Google ブックス
昔、マニュファクチュア関係の出典を探したことがありますよ(^-^)マルクスは図書館の本で抜き書きしていたようですね(^-^)