経済理論学会の『季刊 経済理論』第47巻第2号(2010年7月)。2008年世界恐慌と恐慌論についての特集。
オイラにとって面白かったのは、盛岡真史「置塩経済学の理論と方法」。
置塩理論というと、とかく「基本定理」や「置塩の定理」が成立するかどうかということばかり議論されるのですが、僕は、置塩氏の提起した問題はもっと広いと思っています。それにもかかわらず、その広さにおいて置塩氏の理論を取り上げた論文が少なく、僕のような素人がひとりで置塩氏の著作を読んでいくのに困っていました。その点で、盛岡氏の論文は、いろいろと手がかりとなる指摘が多く、あらためて置塩理論を勉強しなければ、という気持ちにしてくれました。
置塩理論と言えばあのゴテゴテした数式をイメージしてしまいます。けど、あの数式になれると何とも言えない味わいがあるのですけど。けど、盛岡論文は置塩経済学とはを考える上で非常に簡潔かつ的確に理論と方法論を展開しており読み応えのある論文でした。手持ちの置塩氏の本などを読み返さないと。手元には蓄積論くらいしかないですけど。
Raidersさん、初めまして。
たくさんコメントをいただき、ありがとうございます。
僕も学生時代には何冊かもっていたのですが、大学院で日本史を専攻したときに全部手放してしまったため、置塩先生が亡くなられる少し前ぐらいから、もう一度読み直そうと思って、あらためて古本を買い集めました。古書店でもなかなか手に入らず、1冊1万何千円なんていう値段のものもありましたが、何年かかかってようやく買い揃えることができました。
どの本も難しくて、なかなか全ては理解できませんが、個人的には、『資本制経済の基礎理論(増補版)』が一番おもしろかったです。