『歴史評論』2011年1月号 ((『歴史評論』は、歴史科学協議会が編集・発行する月刊の会誌です。))に、宮嶋博史氏が「方法としての東アジア再考」という論文を書かれています。岩波新書の「シリーズ日本近現代史」(全10冊、2006〜2010年)を取り上げたものです。同シリーズを取り上げた論評は、宮地正人氏の『通史の方法』(名著出版、2010年)を除くと、初めてだと思います。
宮嶋氏がこの論文でいちばん大きな問題として取り上げられているのは、第7巻『占領と改革』(雨宮昭一氏)です。その部分の見出しが「研究者のモラルについて」になっているのですから、その批判がどれほど厳しいか、わかるのではないでしょうか。
その他には、第1巻『幕末・維新』(井上勝生氏)なども取り上げられています。同書については、私もこのブログで私なりの批判を書きました。興味ある方はご参照を。