日本の高校生 「自分は価値のある人間」7.5%

日米中韓4カ国の調査で、日本の高校生の「自己肯定感(自尊感情)」が極端に低いことがあらためて確認された。

「自分は価値のある人間だ」と答えた割合は、アメリカ57.2%、中国42.2%、韓国20.2%にたいし、日本は7.5%と極端に低い。また、「自分を優秀だとは思わない」の割合は、アメリカ11.2%、中国32.7%にたいし、日本83.2%と非常に高い。

「自分に価値ない・憂鬱」 日本の高校生、米中韓比で高く:日本経済新聞
日本の高校生「自分に満足」24%:読売新聞
日本の高校生「自信ない」 米中韓と大きな差:共同通信

「親は私が優秀だと思っている」と答えた割合も、アメリカ91.3%、中国76.6%、韓国64.4%にたいし、日本は32.6%と極端に低い。つまり、7〜8割の高校生が、「自分は優秀ではない」と思い、かつ「自分は優秀だとは思われていない」とも思っているということになるのだが、これは、自己評価の低さが親に投影されているのか、親の評価の低さが子どもの自己評価の低さに反映しているのか、いったいどちらなのだろうか。

さらに、「学校には私を理解してくれる先生がいる」と答えた割合でも、日本は52.7%で、4カ国中最低。友人関係でも、調査結果をみると、「『相談できる友達がいる』の肯定率が4カ国で最も低い」とある。

自己肯定もできず、親に評価されているとも思えず、先生にも理解してもらえず、友人にも相談できないとなると、いまどきの高校生は、いったいどこで、どうやって自分を評価しているのだろうか。

「自分に価値ない・憂鬱」 日本の高校生、米中韓比で高く

[日本経済新聞 2011/2/26 9:27]

 日本の高校生の多くが「気分が晴れず憂鬱」で、「自分に価値がない」と考えている――。財団法人日本青少年研究所(東京・新宿)などが日米中韓4カ国の高校生を対象に実施した意識調査で、こんな傾向が明らかになった。同研究所は「経済の見通しの暗さを含めた将来への不安から、夢や目標が持ちにくいことなどが影響している」と分析している。
 調査は昨年6〜11月、4カ国の高校1〜3年に実施。日米中は約千人ずつ、韓国は約4千人に調査票を配り、ほぼ全員から回答を得た。
 「この1週間に憂鬱を感じた」と答えた割合は、「よく」「時々」を合わせると日本が46.5%で最多。韓国は21.5%、中国は30.0%、米国は26.7%だった。「寂しい」「むなしい」と感じる割合も日本は比較的高かった。
 日本の生徒がストレスを感じる要因は男子が「成績など勉強」で50.9%、女子は「友人関係」が51.2%で最多だった。ほかは「親との関係」や「進路」が目立った。
 「自分が価値のある人間と思うか」との問いに「全くそうだ」と答えた割合は米国が57.2%、中国42.2%、韓国20.2%に上った。しかし日本はわずか7.5%で、「まあそうだ」を含めても36.1%と、7〜8割台だった米中韓に比べて自尊感情の低さが目立った。
 自分の体形が「太っている」と思う割合は日本が17.6%で4カ国中最も多く、「少し太っている」も含めると48.8%に達した。だが、実際の肥満度の平均値は中国と並んで低く、米韓よりもやせていた。特に日本の女子は「自分の体形に満足していない」とする回答が86.7%に上り、身体面でも自己評価が低いことが浮き彫りになった。

日本の高校生「自分に満足」24%

[2011年2月25日 読売新聞]

日米中韓で最低

 日米中韓の4か国中、日本の高校生は、最も自分に自信がない――。そんな実態が、24日に発表された文部科学省所管の教育研究機関の調査でわかった。
 調査は財団法人「一ツ橋文芸教育振興会」と「日本青少年研究所」が昨年6?11月、日米中韓の高校生計約7200人を対象に実施。それによると、「私は価値のある人間だと思う」と答えた高校生は、日本が36.0%とワースト1位で、米国(89.1%)、中国(87.7%)、韓国(75.1%)の半分以下だった。「私は自分に満足している」への回答でも、米国(78.2%)、中国(68.5%)、韓国(63.3%)に比べ、日本は24.7%にとどまった。「親は私が優秀だと思っている」と答えた割合では、米国(91.3%)、中国(76.6%)、韓国(64.4%)に対し、日本は32.6%。
 調査にあたった放送大学の岩永雅也教授(教育社会学)は「不況で将来の展望を描きづらい日本の社会状況も要因になっているのでは」と見ている。

日本の高校生「自信ない」 米中韓と大きな差

[2011/02/24 17:25 共同通信]

 日本の高校生は自分の能力に自信が持てず、親や教員からも認められていないと感じている―。財団法人日本青少年研究所(東京)が昨年、日米中韓の高校生7233人に実施し、24日、公表した調査でこんな傾向が明らかになった。
 調査によると、自分は価値のある人間だと思うかとの質問に「全くそうだ」と答えた生徒は、米国57.2%、中国42.2%、韓国20.2%に上ったのに、日本は7.5%。日本の生徒は「まあそうだ」と合わせても36.1%にとどまった。
 「自分を優秀だと思うか」との問いに「そうではない」と回答した日本の生徒は83.2%に達し、米国の11.2%、中国の32.7%と比べて大きな差が出た。
 一方、「学校には私を理解してくれる先生がいる」と考える日本の生徒は52.7%で、4カ国中最低。「親は自分をよく分かってくれる」としたのは68.0%で、韓国の66.2%に次いで低かった。
 同研究所は「日本では家庭や学校で積極性を引き出すための教育が展開されず、自分への肯定感が低いのではないか」と分析している。

日本青少年研究所の発表資料はこちら↓。PDFファイル(330KB)が開きます。

高校生の心と体の健康に関する調査ー日本・アメリカ・中国・韓国の比較―

【追記】
「日本経済新聞」3/7付によれば、「学校に何でも相談できる先生がいる」と答えた生徒の割合は、日本は27.0%、最多はアメリカ71.0%。あとは数字は書かれていないが、グラフから読み取ると、中国が約40%、韓国が約33%。また、「学校に何でも相談できる友達がいる」と答えた生徒の割合は、日本は65.7%で最下位。これもほかの国の数値は書かれていないが、同じようにグラフから読み取ると、アメリカが約90%、中国約77%、韓国約84%になっている。

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