日本の原発災害マニュアルはなぜ8〜10km圏の避難しか想定していなかったのか

原発事故のさい、どう対処するかというマニュアルがこれ↓。原子力安全委員会がさだめた「原子力施設等の防災対策について」です。

原子力施設等の防災対策について:原子力安全委員会(PDF:2.49 MB)

で、これを読んでいくと、原子力発電所の場合、「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲」(EPZ)の「めやすの距離」として約8〜10kmという数字が上げられています(13〜14ページ)。

これにもとづいて、全国にある原発の地元自治体では、原発で事故が起こった場合、8〜10km圏で住民避難の計画をたてています。しかし、今回の福島原発の事故で、20km圏内は避難、20〜30km圏は屋内退避となっていて、はたしてそれで十分なのかどうかが問題になる事態に立ち至っています。それから考えると、8〜10kmというのはあまりに狭いというか、ささやかな想定です。しかし、マニュアルには、「技術的見地から十分な余裕を持たせ」たものだとされています。

なんで、こんなことになっているのか? と思って、マニュアルを読んでみました。

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