出演者270人以上!! 東フィル「グレの歌」

東京フィルハーモニー特別演奏会「グレの歌」

東京フィルハーモニー特別演奏会「グレの歌」

土曜日、東京フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会「グレの歌」(シェーンベルク、1911年作曲)を聴いてきました。

もともとこの公演は、東フィルの創立100周年記念公演として2011年3月20日に予定されていましたが、直前に東日本大震災が起こり、やむを得ず中止・延期となったものです。それが2年かかって、「グレの歌」世界初演(1913年2月23日)からちょうど100年目の同じ日に復活公演されることになったものです。

この作品、何がすごいかというと、オーケストラ151人、合唱120人、ソリスト5人という、きわめて大がかりなのです。ホールに入ってみると、コントラバスが12台、ハープが4台…。広いオーチャードホールのステージが一杯です。

「グレの歌」はだいたいこんなストーリー。舞台は中世デンマークのグレ城。ヴァルデマル王は、グレ城で美しい少女トーヴェとの逢瀬を重ねる。そこに王妃ヘルヴィッヒがやってきて、トーヴェを殺害してしまう。悲嘆にくれた王ヴァルデマルは亡霊となって亡霊の臣下たちとグレの地をさまよう…

なんですが、どう考えても、悪いのはヴァルデマル王のはなずなのに、作品の中では王妃ヘルヴィッヒが悪者のように描かれていて、もうその段階でお話についていけません。^^;

第1部は、ソリスト2人による王ヴァルデマルとトーヴェの歌ですが、ヴァルデマル役の望月哲也さんの声が3階席まで届かず、オケに埋没…。最後に山鳩が登場してトーヴェ殺害の顛末を語るのですが、山鳩役の加納悦子さんの声が痛ましさを一層増して、見事でした。

ここで15分の休憩をはさみ、後半、第2部、第3部へ。

第2部はヴァルデマル王が神を恨んで歌をうたいます。(あとで考えたら、ここで王は死ぬわけですね)

第3部になると、王は亡霊となり、同じく亡霊の臣下たちとともにグレの地をさまようわけです。農夫が恐れおののき十字をきったり、ヴァルデマル王の道化だったクラウスが登場したり(これも吉田浩之さんが好演)。最後に語りが入って、混声合唱で生命の復活する夏の朝の到来が告げられる、というわけです。

前半では、山鳩役の加納悦子さんが素晴らしく、後半では農夫役の妻屋秀和さんが秀逸。しかし、一番素晴らしかったのは新国の合唱でした。

それにしても、コントラバス12台、チェロ14台が生み出す低音の響きは半端ではありません。150人のオケを見事に統率した尾高忠明さん、お疲れ様でした。m(_’_)m

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【演奏会情報】 東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会「グレの歌」
指揮:尾高忠明/ヴァルデマル王(テノール):望月哲也/トーヴェ(ソプラノ):佐々木典子/山鳩(アルト):加納悦子/道化クラウス(テノール):吉田浩之/農夫(バス)・語り:妻屋秀和/合唱:新国立劇場合唱団/合唱指揮:三澤洋史/コンサートマスター:荒井英治/会場:Bunkamuraオーチャードホール/開演:2013年2月23日 午後3時

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