『マクベス』読み終わりました

松岡和子訳『マクベス』

松岡和子さんの訳によるシェイクスピア全集(ちくま文庫)の『マクベス』を読み終わりました。

分かりきっていることだけど、魔女の予言を聞いて、スコットランド王を殺害したマクベスとその妻の関係がテーマ。いろんな解釈があるけれど、やっぱり優柔不断なマクベスを、権力欲に燃えた奥さんが焚きつけたというふうに、僕には読める。しかし、マクベス夫人は気がふれて、マクベスより先に死んでしまう。ということは、やっぱりマクベスが主犯なのか。

ほかにも疑問いろいろ。

バンクフォーの息子フリーアンスはどうなったのか? バンクフォーを殺害する暗殺者が途中で3人になっているが、それはどうして? マクダフはなぜ妻と子どもを置き去りにしたのか、アイルランドに逃げたはずのドナルベインはどうなったのか?などなど。伏線が張られたはずなのに、答えがない…。

『経済学批判』27ページとはどこか?

『経済学批判』(ベルリン、1859年)27ページ

『経済学批判』(ベルリン、1859年)27ページ

『資本論』第3部第19章で、マルクスは、「貨幣制度一般が、どのようにして最初、異なる諸共同体間の生産物交換のなかで発展するかについて、私はかつて指摘したことがある」と述べて、そこに注(42)を付して、『経済学批判』(ベルリン、1859年)の27ページを上げている。

新日本出版社版では、ここに訳注がついていて、邦訳該当ページとして、『全集』第13巻(『経済学批判』が収められている)の19ページを指示している。大月書店版では、ヴェルケ版のページで21ページとなっているが、『全集』で確認したらすぐ分かるように、指示した個所は同じだ。

ところが、どうもこのページが違うようなのだ。

そこで、まず『経済学批判』の原書を確認してみた。いまは便利な世の中で、Google Booksを探すと、ちゃんと『経済学批判』のコピーのPDFファイルが見つかるのだ。冒頭の写真はその27ページだ。

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資本論第3部第17章「商業利潤」の翻訳について

資本論第3部第17章「商業利潤」を読んでいて、どうしても日本語として意味不明なところにぶつかってしまった。それはヴェルケ版のページで308ページの終わりから309ページにかけて、商人資本が商業労働者の賃金を支払うために前貸しする可変資本部分にたいして、どうして利潤が支払われるのか?という「困難」を考察した部分。

ここは、もともと「『資本論』のなかできわめて難解な個所に属する」(有斐閣『資本論体系』5「利潤・生産価格」、100ページ)と言われている部分。エンゲルスの編集はおおむねマルクスの草稿どおりなのだが、もともと草稿の文章が入り組んでいるため、邦訳を読んでいても、マルクスが何を論じているのか、文意を追うことさえ難しい。

たとえば、新日本出版社の資本論ではこうなっている。ここでマルクスは、純粋に商品資本の形態転換のために必要な追加資本をB、またその過程で消費される不変資本をK、形態転換を遂行するために必要な労働にたいする支払いをbとして、BおよびKについて検討したあと、問題はbについてであるとして、bおよびbにたいする利潤がどのように商人に支払われるのかという問題に考察を加えている。

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シェイクスピア『十二夜』を読了

シェイクスピア『十二夜』(ちくま文庫)

松岡和子さんの翻訳(ちくま文庫)で、シェイクスピアの『十二夜』を読了。主人公ヴァイオラ(女性)が男装して、公爵の恋をとりもとうとするが、公爵が惚れた女性は男装したヴァイオラに一目惚れしてしまうというドタバタ劇。この劇中に登場する道化がいちばんの見ものかも。

日フィル杉並公会堂シリーズ第1回

日フィル杉並公会堂シリーズ第1回

昨日は、当日券で、日フィル杉並公会堂シリーズ第1回を聞いてきた。指揮は、阪哲朗氏。

 シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 op.38 「春」
 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 op.90

阪哲朗氏の指揮を聞くのは初めて。シューマン「春」は非常に華やかで、明るい演奏だった。メリハリが効いているという感じだ。それに比べると、後半は少し演奏に力が入ったか、たとえば4楽章の最後などもう少し陰り、わびしさのようなものが感じられないまま終わってしまった印象。

オケは14編制、対抗配置。ホルン、クラリネット、フルートのトップが良かった。コンサートミストレルは千葉清加さん。アンコールはシューマンの「トロイメライ」弦楽合奏版。

杉並公会堂大ホールは約1,200人のホールだが、残念ながら3分の2程度の入りか。勿体ない限り。このシリーズは杉並公会堂の主催で、日フィル定期会員の割引が効かない。今後のプログラムはさておき、こういうプログラムなら、開始時刻を7時半に繰り下げて、会社帰りでも十分間に合うようにするのも一つの手ではないだろうか。

憲法審査会で「憲法改正は必要なし」と真正面から指摘

今日、衆議院の憲法審査会で、去年末の総選挙後初めての実質的な審議が開かれた。各党が憲法改正に前のめりになるなか、日本共産党の2人の委員は、堂々と真正面から「憲法改正は必要なし」と主張した。

各党いろんな思惑で発言しているが、いまの日本で、憲法の規定があるゆえにできないことがあって困っている、などという問題は1つも存在しない。むしろ、憲法で定められていることが守られていない、きちんと実現されていないことこそが大問題なのであって、そこをきちんと努力して、もう日本国憲法は100%実践した、という段階になって、初めて憲法改正の是非が問われるのだ。

それにしても、先の総選挙で共産党が21議席に躍進したおかげで、衆院憲法審査会の共産党委員が2人になったことは本当に大きな成果だ。国民世論を味方に、ぜひとも大奮闘していただきたい。

2015.5.7 衆院憲法審査会 赤嶺政賢議員の意見表明

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=b1O_yLzRDUs&w=560&h=315]

2015.5.7 衆院憲法審査会 大平喜信議員の発言

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=6zNwc8uzSe0&w=560&h=315]

読売新聞世論調査でも9条改憲は「必要ない」が多数派

「読売新聞」は3月24日の世論調査で憲法問題を取り上げている。で、読売新聞の記事はなかなか認めたがらないのだが、この調査でも、9条を改正する「必要はない」が多数派を占めている。

すなわち、第1項については「改正する必要はない」が84%で、「必要がある」14%を大きく引き離している。第2項についても「改正する必要はない」50%、「必要がある」46%で、やはり「必要はない」が多数になっている。

「内閣・政党支持と関連問題」 2015年1?2月郵送全国世論調査

改憲派が憲法改正の口実にしようとしている「大災害などの緊急事態」での政府の権限についても、「憲法は改正しないで、政府の責務や権限を明記した新たな法律を作る」が52%で多数。国民は、決して改憲派の言動に惑わされず、しっかりと考えていることが分かる。

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9条改正「反対」多数は各紙共通の結果

各紙の世論調査を見ても、9条改正は不要・反対は多数を占めている。

たとえば、5/2付の「朝日新聞」では、9条は「変えない方がよい」が63%で、「変える方がよい」の29%を大きく上まわっている。「日本経済新聞」5/3付の世論調査では、憲法改正の是非について、「現在のままでよい」が44%で「改正すべきだ」42%を上回った。

憲法改正不要48%、必要43% 朝日新聞社世論調査
憲法世論調査―質問と回答〈3・4月実施〉
憲法「現状維持」44%、改憲賛成を上回る 日経調査

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憲法9条「改正すべきだと思わない」55%

毎日新聞5/4付の世論調査。「憲法9条の改正をすべきだと思いますか」の質問に、「思わない」が55%と過半数を占めた。昨年の調査では51%で、4ポイントのアップ。「改正すべきだと思う」のほうは、昨年の36%から9ポイントダウンして27%に。

そもそも、去年の調査で、「改正すべきだと思う」が46%から36%に10ポイントダウンし、「思わない」が37%から51%に急増していた。

安倍首相と自民党が、憲法改正に前のめりになればなるほど、「9条改正必要なし」の世論が増えていく。安倍首相にとっては皮肉な結果と言える。

毎日新聞世論調査:質問と回答

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