札幌市内のマンションで、40代の姉妹が遺体で発見された。姉が病死し、知的障害のある妹が助けを呼ぶこともできず餓死同然に凍死したという。あまりに痛ましい事件。
姉は一昨年から昨年にかけて生活保護の相談に区役所を訪れていたが、生活保護を申請しなかったという。しかし、そもそも本人が3度も窓口を訪れているにもかかわらず、申請にいたらなかったとはどういうことか。持病があって働けず、さらに障害のある家族をかかえ、本来なら生活保護が認められてしかるべきと思うが、窓口で申請を思いとどまらせるような対応がなかったか、検証が求められる。
また、かりに生活保護が難しかった(とてもそうとは思えないが)としても、何か他の手立てはとれなかったのか。
マンションに女性2遺体…姉病死、障害の妹凍死:読売新聞
生活保護を相談、申請はせず…札幌2遺体:読売新聞
マンションに女性2遺体…姉病死、障害の妹凍死
[2012年1月23日14時36分 読売新聞]
札幌市白石区のマンション室内で20日、女性2人の遺体が発見された。
北海道警札幌白石署は、この部屋に住む姉妹とみて身元の特定を進めているが、妹には知的障害があり、22日の解剖結果などによると、姉が昨年12月下旬に脳内血腫で病死し、残された妹は自力で生活が出来ず、今月中旬までに餓死同然で凍死したとみられている。
道警幹部によると、死亡したのは、佐野湖末枝(こずえ)さん(42)と恵さん(40)とみられている。
発見時、姉とみられる遺体はフリースの上にジャンパーを着るなど、室内と思えないほど厚着をしていた。妹とみられる遺体は膝まで布団を掛けてベッドに横たわっていた。極度にやせ細り、胃の中は空っぽだった。
生活保護を相談、申請はせず…札幌2遺体
[2012年1月23日 読売新聞]
札幌市白石区のマンション一室で、姉とみられる女性が病死し、知的障害のある妹とみられる女性が凍死していた問題で、姉は2010年6月から11年6月の間に3回にわたって、札幌市白石区役所に生活保護の相談に訪れていたことが23日、同区役所への取材でわかった。区役所は、受給資格はあると説明したが、姉は「できるだけ自分でやっていきたい」などと話し、申請はしていなかったという。
道警幹部によると、死亡したのは佐野湖末枝(こずえ)さん(42)と恵さん(40)とみられる。
同区役所によると、姉は10年6月1日に区役所を訪れ、「障害を持つ妹と暮らしている。障害者年金をもらっているが、私は失業中で、生活に困っている」などと相談した。しかし、申請の意思はなく、職員から生活保護の受給に必要な書類などについて聞いて帰ったという。
姉は、11年4月1日、同年6月30日にも同区役所を訪れていた。11年6月の時は「職が決まったが、妹の具合が悪くなり、一度も出勤しないまま退職した」などと話していたという。同区役所は「3回とも生活保護の申請の意思はなかった」としている。
マンションの管理会社から連絡を受けた白石署が20日、死亡している2人を室内で見つけた。部屋には現金は4万3000円が残っていたが、冷蔵庫などには食べ物はなく、ガスも止められガスストーブは使えない状態だった。
これ生活保護の申請したけど窓口で追い返されたんだけど。
読売は生活保護の申請してないと報道したけど実際はしていた。
やっぱり、そうですか。
私もそうじゃないかと思ったんです。でも、読売だけでなく各紙とも申請したとの記事がなかったので、それ以上は確かめようがありませんでした。なので、「本来なら生活保護が認められてしかるべき」「かりに生活保護が難しかったとしても」と書いたのですが。
書類を持って帰ったが、そのあと連絡がなかったというのがウソだったとすれば、大問題です。あらためて、生活保護にたいする行政の姿勢を問わなければなりませんね。
途中から見ましたが今日、TVで取り上げられていました。
せめてもう少し、暖かい地方で暮らしていたら・・・・