メリル4兆円、シティ6兆円の損失!!

サブプライムローン問題で、アメリカのシティグループはグループ全体で6.2兆円の損失、メルリリンチメリルリンチも年間4兆円超の損失を計上した。このほか、JPモルガンは黒字になったとはいえ、サブプライムローンがらみの評価損、破綻したベア・スターンズの吸収合併に絡んで、合わせて16.4億ドルの損失を計上。

影響は、イギリス、フランスの銀行にも及んでいる。

米シティグループ:サブプライムで損失、累計6.2兆円 欧米金融で最大規模(毎日新聞)
メリルリンチ赤字 4四半期連続、年間損失4兆円超 (朝日新聞)
米JPモルガン:純利益52%減(毎日新聞)
仏銀のサブプライム関連損失は150億ユーロ、クレディ・アグリコールめぐる報道行き過ぎ=仏経財相(Reuters)
サブプライム影響 英中堅銀に経営不安(読売新聞)

米シティグループ:サブプライムで損失、累計6.2兆円 欧米金融で最大規模
[毎日新聞 2008年7月19日 東京朝刊]

 【ワシントン斉藤信宏】米金融大手シティグループは18日、08年4?6月期決算が24億9500万ドル(約2700億円)の最終赤字(前年同期は62億3000万ドルの最終黒字)になったと発表した。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の評価損などが72億ドル(約7700億円)に膨らんだことが響いた。赤字決算は3四半期連続だが、赤字幅は1?3月期の51億ドルから半減した。
 シティはこのほか、消費者向けローンなどに対する貸し倒れ引当金を72億ドル計上。1?3月期決算までにサブプライム関連で計上した438億ドルの損失に貸し倒れ引当金を含む今回の損失を加えると1年間の累計損失額は582億ドル(約6兆2000億円)で欧米金融機関では最大規模。4?6月期の損失には、サブプライム関連の証券化商品価格下落による評価損や投資ファンドへの融資焦げ付き分などが含まれる。

メリルリンチ赤字 4四半期連続、年間損失4兆円超
[asahi.com 2008年7月18日11時27分]

 【ニューヨーク=丸石伸一】米証券大手メリルリンチの08年4?6月期決算は、46億5400万ドル(約4950億円)の当期赤字になった。サブプライム住宅ローン関連の損失が90億ドル(約9550億円)超に膨らみ、過去1年間の関連損失総額は400億ドル(約4兆2400億円)を上回った。
 17日に発表した。赤字は昨年7?9月期から4四半期連続。1?3月期は当期赤字が19億ドル、サブプライム関連損失が66億ドルで、4?6月期はさらに業績が悪化。市場の予想も下回った。4月に打ち出した約4200人の人員削減などのリストラ費用も4億4500万ドルに及び、赤字幅を広げた。
 損失を穴埋めするため、20%出資していた米金融情報大手ブルームバーグ社の株式を44億ドルで売却。さらに子会社の売却で35億ドルを調達する見込みという。
 過去1年間のサブプライム関連の累計損失額は、米大手証券4社で最も大きい。前年4?6月期は21億3900万ドルの黒字だったが、サブプライムローンを組み込んだ証券の販売に最後まで積極的だったのがあだになり、07年7?9月期に米金融大手10社(当時)で唯一の当期赤字に転落。以来、四半期決算ごとに証券業界で最大規模の損失計上を続け、1年たっても赤字から抜け出せなかった。
 保有しているサブプライム関連の証券を徐々に売って損切りを進めてきたが、サブプライムローンの焦げ付きが増え続けているため関連証券の値下がりが拡大。損失が増えている。
 米金融大手では、今年3月末までにサブプライム関連で450億ドル(約4兆7700億円)以上の損失を出した米シティグループが18日に4?6月期決算を発表する予定。シティも損失拡大が予想されている。

米JPモルガン:純利益52%減
[毎日新聞 2008年7月18日 東京朝刊]

 【ワシントン斉藤信宏】米金融大手JPモルガン・チェースが17日に発表した08年4?6月期決算は、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題による金融市場の混乱を反映し、純利益が前年同期比52・7%減の20億300万ドル(約2123億円)と大幅な減益となった。ただ、市場予想は上回り、黒字を確保した。一般企業の売上高に当たる営業収益は2・7%減の183億9900万ドルだった。
 サブプライム問題に絡み、投資銀行部門で証券化商品の評価損などを約11億ドル計上したほか、事実上経営破綻(はたん)した証券大手ベア・スターンズの吸収合併に絡み5億4000万ドルの損失を計上したことなどが響いた。

仏銀のサブプライム関連損失は150億ユーロ、クレディ・アグリコールめぐる報道行き過ぎ=仏経財相
[ロイター 2008年 07月 15日 17:42 JST]

 [パリ 15日 ロイター] フランスのラガルド経済財務雇用相は15日、フランスの銀行のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関連の損失は150億ユーロだと明らかにした。仏ラジオ局に対し述べた。
 仏銀クレディ・アグリコールの状況については「個別の上場企業についてコメントしたくないが、一部新聞報道は行き過ぎの感がある」と述べた。
 クレディ・アグリコール株は0831GMT(日本時間午後5時31分)現在、2.11%安で推移している。
 クレディ・アグリコールは15日、取締役会を開催するが、仏紙ルモンドは前週、今回の取締役会で会長や最高経営責任者(CEO)が辞任する可能性があると報じた。
 ルモンド紙は、同行傘下にありグループの資本の大半を掌握する地域銀行からの批判を受け、Georges Pauget最高経営責任者とRene Carron会長が辞任を迫られる可能性があると伝えた。
 また15日付のラ・トリビューン紙は、幹部の辞任報道を重要視しないクレディ・アグリコールの関係者の話を報じた。
 この関係者は「グループ内に論争が起こるのは伝統で、時には緊張が走ることもある。しかし、クーデターを起こすような歴史はない」と述べた。

サブプライム影響 英中堅銀に経営不安/株価下落、格下げも影響
[2008年7月14日 読売新聞]

 英国で住宅ローン大手の中堅銀行、ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)の経営不安が表面化している。住宅市場の冷え込みでローンの借り手が大幅に減っているうえ、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題に伴う証券化商品の損失拡大が要因だ。増資で財務体質を改善する方針だが、株価の下落で実現は微妙だ。昨年のノーザン・ロックに続いて英銀行の経営危機が再燃すれば、世界の金融市場に動揺が広がる懸念もある。(ロンドン 是枝智)

■暗転

 B&Bは5月中旬に突然、既存の株主に新株を割り当てる方式で3億ポンド(約630億円)の増資に踏み切る計画を発表した。保有する証券化商品の価格下落などで、1?4月だけでも20億円近い損失を抱えたことや、住宅市場の悪化で損失が今後も大きく膨らむ恐れがあるためだ。
 6月2日には、米投資ファンドTPGに1億7900万ポンド(約380億円)の新株を引き受けてもらうことでも合意し、全体の増資規模を4億ポンドに引き上げると宣言した。
 ところが、経営の先行きを危ぶむ投資家の売りは止まらず、その後も株価の下落は止まらなかった。
 さらに追い打ちをかけたのが、米格付け会社ムーディーズによる格下げだ。B&Bは7月7日に臨時株主総会を開き、増資を正式に決める予定だった。しかし、総会の直前に格下げを受けたため、TPGは新株の引き受けを撤回した。株価は30ペンス割れ寸前まで急落し、上場以来の最安値を更新した。

■不透明

 ロンドンの銀行間取引市場では金利が高止まりしており、資金の出し手が貸し出しを絞り込む動きが表れている。B&Bは格下げの影響で資金の調達コストが膨らみ、収益が一段と悪化する可能性が高い。
 B&Bは17日に延期した株主総会で増資の実現を目指している。だが、株価は株主への新株割当額(1株あたり55ペンス)を割り込んだ状態が続いており、予定の増資額を確保できない恐れが強い。
 このため、市場では「『第二のノーザン・ロック』を避けるため、英国の他の大手銀行による増資引き受けか、買収で救済される」(銀行関係者)との見方もある。
 英金融当局は、ノーザン・ロックの事実上の破たん処理で対応が後手に回ったと批判された。金融不安の連鎖を防ぐため、当局主導で救済する案も取りざたされている。

今年に入って下がり続けるB&Bの株価(「読売新聞」2008年7月14日付)

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