ちょいと気分転換に…

松岡和子訳『ヘンリー6世 全3部』(ちくま文庫)

資本論のドイツ語とにらめっこしていると、その世界に完全に引き込まれてしまって、なかなかそこから抜け出すことが出来ません。

そこで、気分転換に、こんなものを買ってみました。ちくま文庫のシェイクスピア全集の最新刊、松岡和子訳『ヘンリー6世』です。

これまでも、気分転換のために『源氏物語』を読んだこともあります。さすがに、古文では難しいので、円地文子訳でしたが、それでも文章に神経を集中させないと、すぐに筋が分からなくなります。シェイクスピアも同じで、資本論の世界からちょっと気分転換するのに、ほどよい難しさ?です。(^^;)

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読み終えました 『呉清源とその兄弟』

桐山桂一『呉清源とその兄弟』(岩波現代文庫)

南関東方面ウロウロの間に、ようやく読み終わりました。

呉清源氏は、1928年に来日し、その後、日本の棋士をすべて打ち破った不世出の大棋士。長兄・呉浣氏は「満州国」官吏となり、戦後台湾に渡り、その子どもたちのいるアメリカで最期をむかえた。次兄・呉炎は、大陸に残り、抗日戦争をたたかい、共産党に入党。国共内戦で共産党軍の勝利に大きな貢献をするが、その後の反右派闘争、「文革」などに翻弄される。本書は、呉清源氏を軸に、日本、台湾、中国に分かれた兄弟の歴史をふり返ったドキュメント。

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意外と優雅なF式生活?! 倉谷うらら『フジツボ』

倉谷うらら『フジツボ 魅惑の足まねき』(岩波科学ライブラリー)

岩波科学ライブラリーの最新刊の1つ。倉谷うらら『フジツボ 魅惑の足まねき』

フジツボと言われると、みなさんはどんなイメージをもたれるでしょうか? 本書でも紹介されていますが、「ビッシリ、ベッタリ、気持ち悪い」などなど。ところが、これがフジツボ研究者に言わせると、「可愛い、チャーミング、繊細、わくわくする、蠱惑的」等々。著者は、フジツボに敬愛をこめて、これをFと呼んでいます。

で、そのフジツボ、分類学的にはいったい何の仲間なのか?

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自転車のバンク修理のあいだに手話について学ぶ

月刊『言語』2009年8月号(太修館書店)

自転車がバンクしてしまったので駅前の自転車屋さんで修理してもらいました。待ち時間のあいだに、近くの書店で見つけた月刊『言語』(太修館書店)8月号。手話については、前から、一番身近にある「外国語」として興味があったので、さっそく買い込んで、近くの喫茶店でぱらぱら読んでみました。(^^;)

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これも面白い!! 『イワシと気候変動』

川崎健『イワシと気候変動』(岩波新書)

今月の岩波新書の1つ、川崎健さんの『イワシと気候変動』。めちゃくちゃ面白いです。

イワシとかサバ、ニシンなどがある時期やたらにとれたかと思うと、突然さっぱりとれなくなった――というのは、ときどき聞く話ですが、なぜとれなくなるのか?

実は、日本近海だけでなく、世界中のあちこちの海域で、何十年か周期で、ある種類の魚が大量に獲れたり獲れなくなったり、あるいは魚種が入れ替わったりしています。しかも不思議なことに、その周期が日本近海と、たとえばカリフォルニア沖とでぴったり同期していたりするのです。

でも、どうして?

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これはお薦め!! 益川敏英『科学にときめく』

益川敏英『科学にときめく』(かもがわ出版)

ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんの最新著。ノーベル賞受賞記念講演を含む講演やインタビューなどを集めたものです。面白いです!! 編集を担当した方から一昨日いただいたのですが、一気に読んでしまいました。(^^;)

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古荘純一『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』

古荘純一『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』(光文社新書)

「自尊感情」というのは、self-esteemの訳語。「自分の外見・性格・特技・長所短所・自分のもっている病気やハンディキャップなどすべての要素を包括した意味での『自分』を、自分自身で考える」(32ページ)という意味です。プラスの面で言えば、「自信、積極的、有能感、できるという気持ち、幸せな気持ち、自分を大切に思う気持ち」など。マイナスの面で言えば、「劣等感、消極的、無力感、できないという気持ち、不幸でつまらないと思う気持ち、自分をみじめに思う気持ち」を表わします(同前)。

「自尊心」「自己評価」「自己価値」「自己肯定感」などさまざまな訳語があるそうですが、著者は、このポジティブな意味もネガティブな意味を包括的に表わす中立的な言葉として「自尊感情」という言葉を使っています(30ページ)。

子どもが「自己肯定感」を持てなくなっている問題は、以前からも指摘されていますが、本書のポイントは、この子どもの自尊感情の高さ・低さについて、一連の調査にしたがって数量化して比較・検討しているところにあります。

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不破哲三『マルクスは生きている』 東販で週間ベストセラー第11位に!!

不破哲三『マルクスは生きている』(平凡社新書)

不破さんの『マルクスは生きている』が、東販総合週間ベストセラー(5月26日調べ)で第11位に!!

どこかの本屋さんでとか、新書、哲学・思想のジャンルで、といった限定なし。あらゆる本屋さんに書籍を卸している東販の、すべての書籍の売り上げで第11位です。すごいですねぇ? (^_^)v

週間ベストセラー 2009年5月26日調べ – TOHAN website

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不破哲三『マルクスは生きている』 Amazonランキング哲学・思想で第8位

Amazonランキングで、不破さんの『マルクスは生きている』(平凡社新書)が 哲学・思想分野の第8位、政治分野では第9位になっています。(^_^)v

Amazonランキング哲学・思想(2009年5月28日22時)Amazonランキング政治(2009年5月28日22時)

残念なことに、Amazon.co.jpでは、現在、『マルクスは生きている』は「一時的に在庫切れ」になっています。予想以上の売れ行きで、いきなり売り切れてしまったんでしょうか。平凡社さん、早く増刷してくださいねぇ? (^^;)

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売れてます 不破哲三『マルクスは生きている』

不破さんの『マルクスは生きている』(平凡社新書)が売れています!!

まず、紀伊國屋書店で新書分野で第4位。これは紀伊國屋書店全店舗での先週1週間(5月18日?24日)の売り上げです。

そして、ジュンク堂では、新書・文庫分野で第6位になっています。といっても、第1位?第4位は文庫(小説)なので、新書分野では第2位ということです。

リンクでは時間がたつと順位が変わってしまうので、今回は画像で貼り付けておきます。

紀伊國屋新書週間ベストセラー(2009年5月18日?24日)ジュンク堂文庫・新書ベストセラー(2009年5月26日)

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『素粒子物理学をつくった人びと』

『素粒子物理学をつくった人びと』(ハヤカワ文庫)

ハヤカワ文庫で『素粒子物理学をつくった人びと』(上・下)が出ました。親本は、1986年刊の原著の邦訳として1991年に出版されたものですが、文庫版は1996年に出た原著改定版の翻訳となっています。さらに、下巻には、鎮目恭夫さんの「文庫版への訳者あとがき」と、岡村浩さんの付録「その後の素粒子物理の歩みとノーベル物理学賞受賞の日本人の仕事について」が収められています。岡村氏の解説は、本書では、南部陽一郎氏の研究まで取り上げられているので、その後の素粒子物理学の動きを補足してくれるものです。

物理学者へのインタビューをもとに構成された本書。鎮目さんは、「文庫版への訳者あとがき」で、「本書が文庫版として出版されることになったのは、明らかに、昨年度(2008年)のノーベル賞が日本の素粒子物理学者3名に与えられたことの反映」(下、466ページ)と書かれていますが、いえいえ、十分面白いです。(^^;)

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「幕末明治期にこうしたことを考えて書いていたことに驚いた」

今朝の「産経新聞」に『超訳「資本論」』の紹介がでていました。面白いと思ったのは、その中で紹介されていた、担当編集者の言葉です。

「まず自分で読みたかった」。実際に読んでみたら「幕末から明治期に、こうしたことを考えて、書かれていたことに驚いた」。そして、「イデオロギーの本ではなく、社会学の本だと分かった」

そうなのです。『資本論』というのは、実際に読んでみると、けっしてイデオロギッシュな本ではなく、資本主義の仕組みを解き明かした本だということが分かります。(^_^)v

【話題の本】「超訳『資本論』全3巻」的場昭弘著(MSN産経ニュース)

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新宿御苑 早咲きのサクラいろいろ

今日、新宿御苑で撮影した早咲きのサクラです。

ヨウコウ(1)(2009年3月17日撮影)

苑内で、いちばんきれいに咲いていたのが、この↑ヨウコウという桜。ピンク色が濃くて、丸くふくよかな感じの花です。

ヨウコウ(2)(2009年3月17日撮影)

上の2枚は、大木戸門側の温室(現在工事中)に近いところに咲いていたヨウコウを撮影したものですが、他にも、中の池と旧御凉亭のあいだあたりでも咲いていました。

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津村記久子『ポトスライムの舟』再論

津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社)

昨日、津村記久子さんの『ポトスライムの舟』について、「描かれている世界は、やっぱり狭いのではないだろうか」と書き、その理由として「作品の中では、主人公が大学を卒業後最初の職場で受けたというセクハラの問題はすでに過去のことになっている」ことを上げたところ、知り合いから、「そのセクハラのことは、同じ本に収録されている『十二月の窓辺』に書かれているよ」と指摘を受けた。

で、さっそく「十二月の窓辺」を読んでみた。なるほど、これは凄まじい。いや、このようなことは今の若者をとりまく職場では“ありふれたこと”なのかも知れない。しかし、それをこういうふうに作品にできるのかと、非常に新鮮に思った。「ポトスライムの舟」よりも、こちらの方がずっと読み応えがあるように思った。

年末の「派遣村」のとき、どこかで誰かが、「いま『派遣切り』だといって大騒ぎしているけれど、女性は昔からそうだった」というようなことを書いていたことがあった。事実、そうなのだと思う。女性は、そういう中で働いて、生活して、したたかに、あるいは、しなやかに生きてきたのだろう。そういう「したたかさ」や「しなやかさ」を、津村さんの作品を読んでいて、あらためて感じた。これはたぶん、男にはできない芸当だと思う(アサオカくんは、それをやっていたけど)。

あらためて、津村さんが「朝日新聞」で語っていたことが非常に実感のこもったものだったのだと思った。

ということで、「描かれている世界が狭い」という先日の評価はまったく不十分で正しくなかったと反省。お詫びして、全面的に撤回したい。

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津村記久子『ポトスライムの舟』

津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社)

【追記】
津村記久子さんの作品について、ここで述べた評価は不正確でしたので、津村記久子『ポトスライムの舟』再論をお読みください。

先日の「朝日新聞」に津村記久子さんが書かれているもの ((「朝日新聞」2009年3月12日付朝刊、雇用ショック・インタビュー編「労働は基盤 簡単に奪わないで」))を読んで、初めて、芥川賞をもらった「ポトスライムの舟」という小説が非正規で働く女性を主人公にした小説なのだということを知った。さっそく仕事帰りに買い込み、とりあえず受賞作の「ポトスライムの舟」の方だけ読み終えた。

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元地研の血が騒ぐ?! 鎌田浩毅『マグマの地球科学』

鎌田浩毅著『マグマの地球科学』(中公新書)

社会科学で頭が疲れたので、ちょいと気分転換にこんな本を読んでみました。

昔、地研(地学研究部)だったときに、それなりに地学関係の本も勉強したつもりでしたが、あらためて読んでみて、プレートテクトニクス理論と火山の研究とが、ここまで密接につながってきていることにびっくりしました。(^^;)

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横浜方面うろうろ中に読んだ本(3)

小林正宏・大類雄司『世界金融危機はなぜ起こったか』(東洋経済新報社)水野和夫『金融大崩壊』(NHK生活人新書)

横浜方面でうろうろしている間に、何度か、共産党の「緊急経済提言」の学習会の講師を務める機会がありました。そのため、という訳ではありませんが(といいつつ、やっぱり、そのためか?)、サブプライムローン問題に始まったアメリカ発の金融危機にかんする本を何冊か読みました。そのなかで、いま何が起こっているのか、実態を理解するのに比較的役に立ったのがこの2冊です。

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