ああ天上の喜び インバル×都響×マーラー交響曲第4番

東京都交響楽団第688回定期演奏会(2009年11月19日)東京フィルハーモニー交響楽団第779回オーチャード定期演奏会(2009年11月22日)

先週は2つコンサートに行ってきました。

1つめは、都響の定期演奏会。マーラーの交響曲第4番に、「大いなる喜びへの讃歌」という俗称があるというのを、プログラム・ノーツで初めて知りましたが、ほんとうに天井から音楽が降り注いでくるようで、うっとりするような演奏でした。

  • ラヴェル:シェエラザード
  • マーラー:交響曲第4番 ト長調

指揮はエリアフ・インバル、ソプラノは半田美和子さん。

続きを読む

渋い、渋すぎる… 日フィル第615回東京定期演奏会

日本フィルハーモニー交響楽団第615回定期演奏会プログラム

13日、冷たい雨が残るなか、日フィルの定期演奏会でサントリーホールへ行ってきました。プログラムが渋い、あまりに渋すぎます。(^^;)

  • ベートーヴェン:序曲《コリオラン》 op.62
  • ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 op.60
  •    休憩
  • ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 《運命》 op.67

指揮はオーストリア生まれのマルティン・ジークハルト。

オケは第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを対抗させ、コントラバスを左に置く古典配置で、弦は14-14-9?-8-6のやや小ぶり、管も倍管はなく、ホルンも2人だけという、きわめてオーソドックスな編成でした。

演奏も、それにたがわず渋いもの。しかし、細部まで明確に組み立てられていて、こんなに渋いベートーヴェンを聴いたのは初めてですが、とても良かったです。

続きを読む

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームスSym. 3&4

東京フィルハーモニー交響楽団第49回オペラシティ定期演奏会(2009年11月10日)

7月のブラームス交響曲第1番&第2番に続いて、チョン・ミョンフンのブラームス・チクルスの後半戦。S席(といっても2階正面の最後列ですが)をはり込んで、聴いて参りました。

  • ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 op.90
  • ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 op.98

続きを読む

本日のお買い物

メンデルスゾーン:交響曲&序曲集(アバド指揮、ロンドン交響楽団)

先日、下野竜也&読響で聴いたメンデルスゾーンの交響曲がよかったので、とりあえずCDを買ってきました。

クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団による「メンデルスゾーン交響曲・序曲集」です。録音は1985/1988年。CD4枚組で、新宿のタワーレコード2,790円でした。

聴くのはこれから。楽しみです。(^^)v

続きを読む

爆裂プロコフィエフを見事に演奏!! 日フィル第614回定期演奏会

日本フィルハーモニー交響楽団第614回定期演奏会

ラザレフ月間の最後は、日フィルの定期。

  • チャイコフスキー:幻想的序曲《ハムレット》
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調
  • プロコフィエフ:交響曲第3番 ハ短調 ?歌劇《炎の天使》による?

もちろん目玉はプロコフィエフの交響曲第3番ですが、1曲目、チャイコフスキーの「ハムレット」が、とても印象的でした。とくに途中のオーボエの旋律、いいなぁ?と思って聴いていたら、演奏が終わったあと、ラザレフは、オーボエ奏者の女性を立たせただけでなく、指揮台にまで引っ張り上げていました。実際、それほど見事な演奏でした。(^^;)

続きを読む

素晴らしいメンデルスゾーン〈讃歌〉 読響第165回東京芸劇名曲シリーズ

読売日響東京芸術劇場名曲シリーズ(2009年10月19日)

昨日に続けて、今日も池袋の東京芸術劇場へ。今日は、読売日響の演奏会です。今シーズンは定期ではなく、セレクト(4回)で来年3月のスクロヴァチェフスキの3公演を押さえ、残った1回を、今日のコンサートにしました。(^^;)

  • バッハ(レーガー編曲):〈おお人よ、汝の大きな罪を嘆け〉 BWV.622
  • ヒンデミット:チェロ協奏曲 変ホ長調 op.3
  • メンデルスゾーン:交響曲第2番 変ロ長調 op.52 〈讃歌〉

選んだ理由は実に安易で、指揮が下野さんだったこと、それにソリストが澤畑恵美だったこと。しかし、ついでで選んだコンサートでしたが、初めて聴いたメンデルスゾーンの交響曲第2番は実に素晴らしい演奏でした。

続きを読む

ヴォカリーズの魅力&日フィルの音ってこんなに綺麗だったの?! の巻

日フィル第189回サンデーコンサート(2009年10月18日)

ラザレフ月刊第2弾!! ということで、池袋の芸術劇場に行って参りました。(^^;)

  • ハチャトゥリアン:バレエ音楽《スパルタカス》より
    • 情景とクロタムルスの踊り
    • スパルタカスとフリーギアのアダージョ
    • アイギナとバッカスのバリエーション
  • グリエール:コロラトゥーラ協奏曲
  • ラフマニノフ:ヴォカリーズ
  • チャイコフスキー:交響曲《マンフレッド》

今日もラザレフさんはノリノリでした。(^^;)

で、2曲目と3曲目は、ソプラノの幸田浩子さんが歌うのですが、歌詞はなく、「ア〜、アアア〜」と歌い続けるヴォカリーズです。でも、それがとてもいいんです。2曲目なんて、このヴォカリーズの歌声とオーケストラのコンチェルト。実際、歌とオケとの掛け合いなんかもあって、思わず聞き惚れてしまいました。

続きを読む

ラザレフ×日フィル×ロシア・バレエ音楽

日本フィルハーモニー交響楽団第334回名曲コンサート

先月は、読響×スクロヴァチェフスキ月間でしたが、今月は日フィル×ラザレフ月間。まずその第1弾である名曲コンサートへ。

  • プロコフィエフ:バレエ音楽《シンデレラ》組曲より
  • チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》より

しかし、2時開演のところを2時半開演と勘違い ((実は、18日のサンデーコンサートが2時半開演で、それと勘違いしたのです。))して、サントリーホールに着いたのは2時6分…。残念ながら、前半は3曲目から、LD席の後ろでの立ち見でした。(^^;)

続きを読む

飯守泰次郎×東京シティフィル×ミサ・ソレムニス

東京シティフィルハーモニック管弦楽団第232回定期演奏会

8日は台風18号のおかげで、首都圏は午前中、交通機関(といってももっぱらJR東日本ですが)が大混乱しましたが、それも昼頃までには何とかおさまり、夕方から初台の東京オペラシティで、飯守泰次郎氏指揮の東京シティフィルのコンサートへ行ってきました。プログラムは、

  ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 作品123

ベートーヴェンが作曲した、この壮大なミサ曲。日フィルが2005年に演奏会をやっていますが、聴きに行った記憶がありません。(^^;) というわけで、生演奏で聞くのは初めて。

続きを読む

さて、台風ですが…

気象衛星200910071930-00(気象庁)

接近中の台風18号は、いよいよ明日には四国?東海地方のどこかに上陸しそうです。
それで心配なのは、明日の東京シティフィルのコンサート。飯守泰次郎さんの指揮で、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」をやるんですが、はたしてそれまでに無事、通過してくれるでしょうか…?

台風18号、8日に上陸・縦断の恐れ : TBS News-i

続きを読む

あまりに感動的 スクロヴァチェフスキ×読響×ショスタコ11番

読響第485回定期演奏会

う?、この感動を一体どんなふうに表わしたらいいんでしょうか。これだけ濃密な、凝集した「1905年」は初めてです。

  • モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103 “1905年”

出だしのハープの音を聴いた瞬間は、「う〜ん、なんか弱いなぁ?」と思ってしまったのですが、しかし、スクロヴァチェフスキの指揮は全く違っていました。決して闇雲に爆裂させるのではなくて、鳴らすところは鳴らす、押さえるところは押さえる、そして細部まで張り詰めた緊張感…、やっぱりスクロヴァチェフスキでした。

続きを読む

アメリカンなストラヴィンスキー?

29日には、都響の定期(Bシリーズ)にも行ってきました。指揮はアメリカ出身のアンドリュー・リットン、プログラムは、以下のとおり。ピアノソロはパウル・バドゥラ=スコダ。

  • ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
  • ストラヴィンスキー:バレエ音楽「カルタ遊び」
  •   休憩
  • ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)

続きを読む

本日のお買い物

「幸せはシャンソニア劇場から」オリジナルサウンドトラック盤ゲルギエフ指揮:ショスタコーヴィチ交響曲第1番&第15番

というわけで、仕事帰りに新宿のタワレコで、映画「幸せはシャンソニア劇場から」のサウンドトラック盤を買ってきました。(^_^)v

で、右はそのついでに見つけたゲルギエフのショスタコーヴィチ交響曲第1番&第15番の新譜。演奏はマリンスキー歌劇場管弦楽団なんですが、よくみるとレーベルもMARINSKY。確か、前に出ていたシリーズはPHILIPSだったはず…。

続きを読む

至福の時 スクロヴァチェフスキ×読響×ブル9

読響第114回東京芸術劇場マチネーシリーズ

連休最終日、池袋の東京芸術劇場で、ミスターSことスクロバチェフスキの指揮で、ブルックナーの至福の時間を過ごして参りました。(^^;)

  • ベートーヴェン:ピアノ交響曲第4番 ト短調 op.58
  • ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB.109

ひさびさに、天上から音がきらめき、ふり降りてくるブルックナーを堪能させていただきました。ありがたや〜、ありがたや〜

続きを読む

久しぶりのトリフォニーで“変身”

新日本フィルハーモニー交響楽団第450回定期演奏会

昨日は、新日本フィルの定期演奏会へ。6月、7月の定演は諸般の事情で行けなかったので、久しぶりのすみだトリフォニーでした。

プログラムは、以下のとおり。最初はいったいどういう趣向があるかよくわかりませんでしたが、会場でアルミンクのプレトークを聞いてみると、ゲーテがその答えでした。(^^;)←事前にチラシなどほとんど見ない男

  • メンデルスゾーン:序曲「海の静けさと幸ある航海」 op.27
  • R・シュトラウス:メタモルフォーゼン
  • ベートーヴェン:付随音楽「エグモント」 op.84 (全曲)

「エグモント」の全曲も珍しいですが、僕のお目当ては、2曲目の「メタモルフォーゼン」。

続きを読む

ピリオド奏法で 金聖響指揮東京シティフィル定期演奏会

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第231回定期演奏会

昨日は、オペラシティで、金聖響氏の振る東京シティ・フィルの定期演奏会を聞いてきました。プログラムは、ハイドンの44番にモーツァルトの40番、ベートーヴェンの4番と、まるで引き算でもしたみたいな組み合わせでした。(^^;)

 ハイドン:交響曲第44番 ホ短調 Hob.I-44 「悲しみ」
 モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
   (休憩)
 ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 op.60

全曲とも、第1バイオリンと第2バイオリンを左右に配置する古典配列で、ピリオド奏法で、金聖響氏のこだわりが存分に発揮された演奏会でした。また、ハイドンは8-8-6-5-3、モーツァルトは10-10-8-6-4、ベートーヴェンは12-12-10-8-6と、徐々にオケが大きくなって、まさに古典派の発展の歴史を聞いているかのようでした。

続きを読む

日フィル インキネン主席客演指揮者就任披露演奏会

日フィル第613回東京定期演奏会

暑い(熱い?)夏のたたかいが終了して、金曜日は久しぶりのコンサート。新しく日フィルの主席客演指揮者に就任したピエタリ・インキネンの就任披露演奏会(第613回定期演奏会、サントリーホール)へ行ってきました。

 ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
   (休憩)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

インキネンは、フィンランド出身のバイオリニストで指揮者。1980年生まれというから、まだ29歳!! プログラムに載っていたポートレートは、首にマフラーなんぞ巻いて、なんだこのにやけた男は?!と思ったりもしましたが、いざ実際に振ってみると、表面的な派手さはないものの堅実な指揮ぶりで、なかなか充実した演奏でした。

続きを読む

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームスSym.1&2

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームス交響曲第1番&第2番

チョン・ミョンフン×東フィル×ブラームス交響曲第1番&第2番

東京フィルハーモニー交響楽団 第775回サントリー定期シリーズ

 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73

指揮:チョン・ミョンフン/コンサートマスター:三浦章広
サントリーホール/2009年7月24日 午後7時開演

今日は、サントリーホールで、チョン・ミョンフン×東フィルによるブラームス・チクルスの第1夜。交響曲第1番と第2番という重厚なプログラムでした。

続きを読む

神尾真由子 ヴァイオリン・リサイタル

神尾真由子 ヴァイオリン・リサイタル

6月30日、東京オペラシティで、神尾真由子さんのリサイタルを聴いてきました。プログラムは、

 ブラームス:スケルツォ(F.A.E.ソナタ)
 サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 op.75
 ブゾーニ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ホ短調 op.36a
 ワックスマン:カルメン幻想曲

神尾真由子さんのヴァイオリンは、力強いというか、向こう気が強いというか、ともかくそのパワーのすごさとテクニックが魅力です。前半はロマン派の有名どころでその魅力を堪能させ、後半は現代的な作品で、さらにそのパワーとテクニックを鳴り響かせるという構成。

実際にナマで聴いてみると、もっと荒々しいのかと思っていたのですが、ずっと聴かせる演奏でした。パワーやテクニックもすてきでしたが、動から静、あるいは静から動へと移りゆくダイナミックさが印象に残りました。

続きを読む