松岡和子さんの翻訳によるシェイクスピアの『オセロー』。
去年、二期会のオペラで見たときは、オセローがなんであんなにあっさりとイアゴーの嘘を信じてしまうのか、とあきれてしまいましたが、あらためてシェイクスピアの原作を読んでみると、オセローがまんまとだまされてしまうという筋書きはその通りだけれど、「ムーア人」にたいする差別の問題や、女性の描き方、それに松岡さんが解説で指摘されているような、デズデモーナとオセローの「年の差」の問題などなど、いろいろ奥が深いなぁ〜と感心させられました。
3月の定期演奏会は震災当日で聴けず、4月の定期演奏会はお休みしたので、日フィルの定期演奏会は1月以来。ほんとに久しぶりになってしまいました。コバケンこと小林研一郎氏の指揮で、こんなプログラム。
ドイツ、オーストリアで活躍したリストも出身地はハンガリー。ということで、本日はハンガリー大使館の後援付きのオール・ハンガリアン・プログラムでした。
見事だったのは、コバケンがいつものようにコバケン・ワールドを爆裂されていたのに、日フィルの音がひび割れたり濁ったりせず、完成度の高い音を響かせ続けたこと。そして、リストのPf協にしても、プレリュードにしても、低音がしっかりと音楽全体を支える骨太の演奏を聴かせてくれたこと。日フィルが腕を上げたことを実感させる演奏会でした。
4月の定期公演を振り替えてもらって、今夜、上野・東京文化会館で都響の定期演奏会を聴いてきました。先週に続いて、インバルの指揮です。
いろいろと版にこだわるインバルですが、2番についてはスタンダードな第2稿にもとづいてこれまでも演奏。ということで、安心して音楽に身をゆだねることができました。(^_^;)
4月の定期演奏会を振り替えてもらって、読響の名曲シリーズへ。プログラムは、オール・ドヴォルザークでした。
震災の「諸」影響でズデニェク・マーツァルが来日できなくなり、指揮はペトル・ヴロンスキーに交代。ヴァイオリンは、母親が日本人というアラベラ・美歩・シュタイバッハー。
ヴロンスキーの指揮はいたって王道。交響曲8番は、音量のメリハリをつけ、テンポもかなり大きくゆらして、“いかにも”という演奏でした。
連休が明けて、ようやくコンサートが再開しました。まずは、インバル&都響の第1弾。
1曲目、シューベルトの5番は「ベートーヴェンの4番とついになっている」(プログラム解説)とのことですが、いかんせん曲のまとまりがベト4とは比べようもありません。楽章ごとにはなかなかいいところもあるんですが…。
昨日は、夕方になってから、ロシア映画「戦火のナージャ」を見てきました。(今年6本目)
あらすじはオフィシャルサイトを参考にしてもらうとして、舞台は1940年代、スターリン支配下のソ連。主人公のコトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ監督自身が主演)は、スターリンを暗殺しようとした(というようなかっこいいものではないが)ため処刑される……はずだったが、1941年6月22日、ヒトラー・ドイツが対ソ戦を開始し、収容所が爆撃され、そこから脱出。その後、懲罰部隊の一員として対独戦の最前線に送られる。もう一人の主人公は、コトフの娘ナージャ(監督の娘ナージャ・ミハルコフ)。彼女は、父親が生きていると教えられ、対独戦で混乱するソ連で父親を捜し求める。
そして映画は、1943年5月、スターリンに呼び出されて、処刑されたはずのコトフの行方を探れと命じられたKGB幹部のアーセンティエフ大佐(オレグ・メンシコフ)が、1941年にさかのぼってコトフの足跡をたどっていくかたちで展開する。本編のみで2時間半の超大作でした。
しかし実際に見終わってみると……
公開2カ月以上たってしまいましたが、ようやく映画「英国王のスピーチ」を見てきました。(^_^;)
吃音のために人前で演説するのが苦手だった英国王ジョージ6世(現在の王女エリザベス2世の父)のお話。(今年5本目)
何人もの「ドクター」の治療を受けても一向に改善せず、妻のエリザベスが訪ねたのは、下町で言語治療をおこなっていたライオネルの治療室。ライオネルはオーストラリア出身で、かつては俳優をめざしたことのあるほどシェイクスピア好き。治療のためにジョージ8世(このときはまだアルバート王子)にハムレットの台詞を読ませたり、息子と「シェイク」というゲーム(要するに、シェイクスピアの台詞を当てる遊び)をするシーンが登場します。また、ライオネルのオーストラリア訛りが指摘される場面も出てきますが、ここらあたりは、「マイ・フェア・レディ」を思い出させます。
本日は、東京シティ・フィルの第248回定期演奏会。当日券でしたが、オペラシティの3階正面席がゲットできました。指揮は阪哲朗氏、チェロ独奏は遠藤真理さん。
すこしお疲れ気味だったので、こういうときはドヴォルザークの音楽が心地よく響きました。
選挙も終わって、昨日は久しぶりにコンサートを聴いてきました。3月は、東日本大震災のあと、予定していた演奏会が次々と中止となり、さらに4月も選挙でまったく通えていなかったので、ほぼ2カ月ぶりのコンサートになりました。
プログラムは、こんな感じ。
チェコにちなんだ曲が並んでいますが、プログラムノーツ(満津岡信育氏)によると、「単にチェコにちなんだ楽曲というだけでなく、シンコペーションや半音階的書法、とりわけ弦楽器がめまぐるしく動く音楽が並んでいる」とのこと。そう思って聞くと、ふだんならメロディに気をとられるところが、いろいろとリズムの変化や調性の変化を楽しませていただきました。
大震災で、東京でもクラシックのコンサートがいろいろと中止になりました。それはとても残念なことでしたが、ぼつぼつとチケット代金が払い戻されてきています。
これを何とか生かす方法はないものかと思っていましたが、仙台フィルのみなさんが「音楽の力による復興センター」を立ち上げ、被災地で「復興コンサート」を開いていくということなので、その活動資金に募金することにしました。いつも安い席でしか聴かないものだから、たいした額にはならないのですが……。(^_^;)
仙台フィルの活動が、震災からの復興の力になることを願ってやみません。
被災地仙台で早くも「復興コンサート」に取り組んでいる仙台フィルが、被災者に直接音楽を届け、復興に生かすための「音楽の力による復興センター」を立ち上げました。がんばってください、応援します。
「音楽の力による復興センター」事業にご協力を:仙台フィルハーモニー管弦楽団
仙台フィル自身も、21日には東京でコンサートを開くそうです。
仙台フィルが演奏会 18日、金沢で:北國新聞
【東日本大震災】被災地のオーケストラと在京音楽家が21日に支援演奏会:MSN産経ニュース
音楽が聴きたくて聴きたくて、それで、久しぶりに新宿のタワーレコードでCDをまとめ買いしてきました。
1枚目は、庄司紗耶香さんの新盤。バッハのパルティータ1番、2番とレーガーのプレリュード&フーガという取り合わせ。ジャケットの写真が、すっかり今どきのお嬢さんという感じになっていたのにびっくりしました。(^_^;)
東京フィルの荒井英治さん(ヴァイオリン、ソロ・コンサートマスター)、青木高志さん(ヴァイオリン、コンサートマスター)、須田祥子さん(ヴィオラ)、渡邉辰紀さん(チェロ、首席チェロ奏者)が、「ウェブ上でのチャリティーコンサート」ということで、弦楽四重奏の演奏を公開して、募金の呼びかけをされています。
音楽家として今何ができるか。Charity concert on the web|東京フィル公式ブログ「オーケストラをゆく」
曲目は、モーツァルト(L.Kember編):クラリネット五重奏曲イ長調Kv.581より第2楽章。You Tubeでも視聴可能です。
仙台フィルハーモニーは、26日、仙台市内で第1回の「復興コンサート」を開催しました。
仙台フィルが6月までのコンサートを中止せざるを得なくなったことは、前にもご紹介しましたが、その仙台フィルが、被災者に直接音楽を届けようと、「復興コンサート」を始めるそうです。
まずは第1回のお知らせが、仙台フィルのホームページに掲載されていました。
まだ音楽どころでは…という方もいらっしゃるでしょうが、音楽だからこそ伝わる気持ち、あるいは音楽だからこそ癒されるということもあります。仙台フィルのみなさん、応援しています。
東京では、コンサートが次々と中止、あるいは延期となっている。ミューザ川崎は、前に紹介したように、ホールの天井が落下して、当分使用不可能になった。安心して音楽に身をゆだねられる日が早く来てくれることを願わずにはいられない。
今日の「日本経済新聞」文化欄で、仙台フィルの正指揮者の山下一史氏が仙台市青葉区の青年文化センターで地震にあったときのことを書かれている。リハーサル直前だったが、楽団員・事務局のみなさん無事だったそうだ。
そのとき仙台は雪。山下氏が楽団員の車でホテルに向かう途中、「歩道は、雪の中、傘もささずに歩いて帰路につく人々の列が延々と続いていた」という文章が、直後の仙台市内の様子を伝えている。仙台フィルは、6月末までのすべての主催公演が中止になった。山下氏は「音楽の出番は必ず来る」と書かれている。その日が一日も早くおとずれんことを。
山形交響楽団は、11日、12日の公演は中止せざるをえなかったが、27日の「オーケストラの日2011」公演は「被災者応援コンサート」としておこなわれるそうだ。
東京交響楽団がホームグラウンドにしている「ミューザ川崎」が、11日の地震で、天井板が落下し、使用不能になっているそうです。リハーサル中だった松居直美さんは無事。公演中でなかったのが不幸中の幸いです。
しかし、9月までの全公演は中止に。一日も早い復旧を願っています。
11日に、東北巨大地震が起きたあと、日フィルの定期演奏会(ラザレフ指揮)は、サントリーホールの安全が確認され、そのまま夜7時から予定通り行われたそうです(チケットは持ってましたが、交通手段がなく聴けず)。
しかし、そのあとは期待していたコンサートが次々と中止になってしまいました。
今日は、すみだトリフォニーで、ブリュッヘン指揮、新日本フィルによるバッハ「ミサ曲ロ短調」を聴いてきました。
バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV232
通例のミサ曲がキリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイの5部構成であるのにたいして、この曲は4部構成。全部で2時間ほどもかかる作品ですが、第1部が終わったところで休憩をはさんで演奏されました。
先週、池袋で聴いた神尾真由子×アルブレヒト×読響に続いて、またまた、サントリーホールで読響の定期演奏会を聴いてきました。
プログラムは、こんな感じ。シュポーア特集です。
でも、シュポーアってだれ? と思っていたら、2曲目の演奏が終わったところで、アルブレヒト氏みずからが指揮台でマイクをにぎって紹介してくれました。