北朝鮮ミサイル発射をめぐる国際社会の動き

北朝鮮のミサイル発射に対し、日本政府は、制裁発動にむけた国連安保理決議を早期にあげることを主張しています。

しかし中国、韓国、ロシアが反対。安保理議長国のフランスとイギリスが「まずは議長声明で」の態度を表明。頼みの綱のアメリカも、訪中しているヒル米国務次官補が、中国と米国は北朝鮮問題に関して「共通した目的」を持っている、と述べ、「中国が非常に苦心し、責任を極めて深刻に受け止めていることは明らかだ」と発言。

日本政府は、当初は、制裁に消極的な中国を孤立させる「あぶり出し作戦」だなどと言っていたようですが、気がついてみると、段階的な手続きを踏まず、いきなり国連憲章第7章のもとでの制裁をという日本の主張の方が、国際的に孤立しているのでは。大事なことは、国際社会が一致して北朝鮮に6カ国協議への復帰を迫ることだと思うのですが。

中国の外交努力に対する北朝鮮の反応は「思わしくない」=米国務次官補(ロイター)
北朝鮮ミサイル、英仏が2段階案提示/安保理 議長声明後に決議(日経新聞)
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読売新聞のブッシュ会見記事から

読売新聞がブッシュ大統領と会見。

ブッシュ大統領は、小泉首相にたいして、「(中韓との)関係を改善できるよう望む」と伝えたことを明らかに。会見の場では、「われわれの友邦〔日本のこと〕が他の友邦〔韓国〕や関係国〔中国〕と良好な関係を持つことは、我が国〔アメリカ〕にとっての国益でもある」と、さらに踏み込んで指摘しています。

北朝鮮の説得、中国に促す…米大統領が読売新聞と会見(読売新聞)

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東シナ海ガス田開発問題を考える

東シナ海での中国によるガス田開発について、興味深い論文を見つけたので、ちょっと紹介しておきます。

その論文は、昨年(2005年)の『週刊東洋経済』10月1日号に掲載された「非常識な日本側の要求 中国と共同開発交渉を」という論文。筆者は、元石油資源開発取締役の猪間明俊氏。

猪間氏は、おおむね次のようなことを指摘されています。

 国連海洋法条約は2つの規定を定めている。1つは、いわゆる中間線で、陸地から200カイリの各国のEEZ(排他的経済水域)が重なり合う場合、その中間線をもって境界とするという規定。もう1つは、国土の地形・地質的自然延長としての大陸棚はそれに接する国のものという規定。日本は中間線を主張し、中国は東シナ海の大陸棚と「沖縄トラフ」までの権利を主張している。つまり、中間線と沖縄トラフとの間の海域が、日中両国の「係争海域」である。
 海洋法条約の2つの規定には相反するものがあるが、どちらの規定を優先するかは決められていない。したがって、関係国の話し合いで決するか、国際司法裁判所に判定してもらうしかないが、世界的には「自然延長論がやや優勢」で、「司法裁判に持ち込むと中国側に有利な判決が出て、日本は係争海域の権利を失うおそれがないとはいえない」。(要旨)

ここまでは、海洋法条約の一般的な理解。以下が、石油資源開発のプロとしてのご意見。
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次期首相の日中・日韓関係改善を求める声

キャンベル元国防次官補代理が、米政府は日中関係・日韓関係の解決にむけて日本に働きかけるべきだと発言。

米国:日本に注文「次期首相は中、韓関係により注意を」(毎日新聞)
靖国取り上げる可能性少ない(NHKニュース)

↑NHKニュースの見出しは「靖国取り上げる可能性少ない」になっていますが、ニュースの中で、キャンベル元国防次官補の発言を取り上げ、外交関係者の間で、日中関係改善のために日本政府にはたらきかけるべきだとする動きがあることを紹介しています。
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首相の靖国参拝はアメリカにとっても損失

先週土曜日の「朝日新聞」オピニオン欄で、元米国防総省日本部長のポール・ジアラ氏が靖国問題について「首相参拝は米国にも損失」と題して、論稿をよせている。

もちろん、日米同盟を肯定する立場からの意見だが、靖国神社の戦争博物館「遊就館」の展示にふれ「歴史の愚かな書き換えは、米国に対する直接的な挑戦である」と批判。「靖国史観は日本が戦後営々と築き上げた道義的優越性を台無しにしてしまう」とも指摘。「日本の道義的後退は……米国にもマイナスに働く」として、小泉首相自身が“参拝すべきでない”と表明すべきだと提起している。
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まだまだ見つかる米牛処理施設の杜撰管理

韓国の査察で、日本への輸出資格を持つ7つの牛肉処理施設で、カナダ産の牛が米国産の牛に紛れ込むなどの問題が見つかったそうです。

アメリカは、日本との輸入再開条件を守るだけの能力もなければ、守るつもりもない、ということですね。

それにしても、どんなに問題が見つかっても、ともかく早く輸入再開に踏み切ろうとする日本政府って、なんなんでしょう?

米の対日牛肉輸出、7施設不適…韓国が現地査察(読売新聞)
米国産牛肉:輸入再開、来週決定へ 7月にも再開の見通し(毎日新聞)
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世界の軍事費127兆円、SIPRI推計

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が2006年版年次報告書を発表。2005年度の世界の軍事費は前年比3.4%増の127兆円に。

中国の軍事的脅威が云々されますが、軍事費についていえば、まだまだ日本の方が上。また、軍事費増加分の約8割は米国分。結局、一番軍備拡張を進めているのはアメリカということか。

世界の軍事費3.4%上昇、イラク派兵などが影響(読売新聞)
世界の軍事費127兆円 ストックホルム平和研推計(日経新聞)

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いわゆる1つのど展開 山崎圭一『リオのビーチから経済学』

山崎圭一『リオのビーチから経済学』(新日本出版社)

ラテン続きということで、新藤通弘『革命のベネズエラ紀行』のあと、山崎圭一・横浜国大教授の『リオのビーチから経済学 市場万能主義との決別』(新日本出版社)を読みました。

タイトルから、ブラジル経済を分析した本、あるいは開発経済学の立場からの新自由主義経済学批判という印象を持たれるかも知れませんが、読んでみると、いま経済学を勉強するなら、これぐらいのことを視野に入れて考えてほしいという著者の熱いメッセージ、という感じでした。経済学というと、数式や理論が飛び交うけれど、そういう数式や理論が経済学なのではない。それぞれの地域で、どんな人たちがどんなふうに働き、どんな生活を送っているか、そういう具体的なことを調べ、考えるのが経済学なのだ、ということを、発展途上国の貧困の問題やブラジルの実態を織り交ぜながら、くり返しくり返し強調されています。

1962年生まれと言うから、大学の先生としてはまだまだ若手の著者が、大学の講義で、いまどきの学生に向かって、口角泡を飛ばしながらど展開している、そんな光景が目に浮かびそうです。(^_^;)

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史料の返還

日本の植民地支配の時代に入手された「朝鮮王朝実録」が、東大からソウル大学に寄贈されることになりました。韓国国内では「寄贈」か「返還」かで論議があるようですが、何にせよ、戦時や植民地支配下で手に入れた資料をもとの国に返還しようというのは、世界的な流れです。日露戦争時に持ち帰った渤海国の石碑「鴻臚井碑(こうろせいひ)」の返還も、ぜひ実現してほしいと思います。

東大所蔵の朝鮮王朝実録、ソウル大に寄贈へ(朝日新聞)
皇居に1世紀眠る「渤海国の石碑」、中国で返還求める声(朝日新聞)
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ただいま革命中! 新藤通弘『革命のベネズエラ紀行』

新藤通弘『革命のベネズエラ紀行』(新日本出版社)

新藤通弘氏の『革命のベネズエラ紀行』(新日本出版社)を読み終えました。読み終わった最初の感想は、ともかくおもしろい、ということ。

ベネズエラ革命が進めつつあるさまざまな社会改革については、以前、駐日ベネズエラ大使イシカワ氏の講演を聞いた話を紹介したことがありますが、本書では、そうした紹介にとどまらず、いったいベネズエラで何が進行しているのか、度重なる旧体制派の妨害をどうして打ち破ることができたのかが、著者の、ラテンの人たちに負けないぐらいの情熱を込めて明らかにされています。

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米軍の射殺疑惑、次々

米軍が無抵抗のイラク住民を故意に殺害した疑惑が大きな問題になっていますが、同様に、子どもを含む住民を射殺するなど、次々に殺害疑惑がわき上がっています。

米軍に新たな射殺疑惑、イラクで住民11人(読売新聞)
米軍が妊婦と母親を射殺、遺族が抗議へ イラク(朝日新聞)
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米海兵隊員、イラク市民を虐殺

昨年11月、米海兵隊員がイラク中西部のハディーサで住民20数名を虐殺した事件が判明。右の写真は、Probe: Marines Likely Murdered Iraqis, Investigators Believe Marines’ Killing Of Iraqis Was Unprovoked – CBS Newsから

事件は、路上爆弾で米海兵隊員が殺害された直後に発生。海兵隊員は民家に押し入り、女性や子どもを含む20数名を“処刑”しました。米海兵隊当局は、当初、銃撃戦にまきこまれたと説明していたが、直後の現場を撮影したビデオ映像が残っていたことから、隊員らによる虐殺が明らかになりました。

米海兵隊員のイラク民間人殺害疑惑、米上院委員会が調査へ(CNN.co.jp)
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キッシンジャー氏、田中元首相を「最悪の裏切り」と非難

前後の文脈がよく分かりませんが、1972年夏に、日中国交正常化のために田中角栄元首相が訪中を決めたことを知ったとき、キッシンジャー大統領補佐官(当時)が「あらゆる裏切り者の中でも、ジャップが最悪だ」と発言していたことが、米公開文書で明らかになったというニュース。

田中角栄氏にしてみれば、米国が日本の頭越しに中国との国交回復をしたから、それに従ったまでのことだったんでしょうが…。

キッシンジャー氏、田中元首相をジャップ(日刊スポーツ)
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米国務次官補が、日中・日韓の関係改善を求める

ヒル米国務次官補が、シンガポールで、日中・日韓関係についての質問に答え、「政治面では諸問題に対応する必要がある」「日本には北東アジアの隣国とのよい関係を維持してもらいたい」などと発言しました。これは、「しんぶん赤旗」の報道によるもの。
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靖国問題「日本のためにならない」で専門家の意見は一致

米クリントン政権の国防次官補代理をつとめたカート・キャンベル氏が、小泉首相の靖国参拝問題について、「日本のためにならない、ということで専門家の意見は一致している」と指摘。

靖国問題「日本のためにならない」 米元国防次官補代理(朝日新聞)
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