イギリスBBCが、昨年12月におこなった世論調査で、アウシュビッツの名前を一度も聞いたことがないとの回答が45%を占め、35歳未満では60%を超えたそうです。
日本でも、僕が小さかったころは、南方から苦労して引上げてきた人の話、あるいは国内での空襲の経験を身近に聞くことができました。酷い話だけれども、「戦争中は、中国人を何人殺した」と自慢するような人もまだいたりしました。高校生の時、ある人から、中国人捕虜を軍刀で試し切りした写真を見せてもらったこともあります(その人の名誉のために言っておきますが、その人は、自慢のためではなく、そういうことがあったということを忘れてはいけないということで、普段人には見せない写真を見せてくれたのです)。
しかし、いまの子どもにとっては、そうした話は、親の、そのまた親の(あるいは、さらにその親の)世代の出来事。「そんな昔のこと」と思ったとしても不思議ではありません。それだけに、歴史をどうやって受け継いでいくのか、工夫も努力も必要だと改めて思いました。