関岡英之氏の『拒否できない日本』いらいすっかり有名になったアメリカ政府の「年次改革要望書」ですが、これまで毎年10月には提出され、アメリカ大使館のホームページに日本語仮訳が公開されていたのに、今年はまだ公開されていないと、Take A Deep Breath:奪われる日本で指摘されていたので、ちょいと調べてみました。
関岡英之『拒否できない日本』
この本は、2004年4月27日の日記「最近読んだ本いろいろ」に書いてあるとおり、ちゃんと買ったし、そのときぱらぱらにせよ読んでいるのだけれども、あらためて探してみると、どこへ行ってしまったのか見つからず…。仕方なく、もう1度買い込んできました。(^_^;)
すでに書いたことだけれども、アメリカの『年次改革要望書』などを材料に、アメリカがどんなふうに日本を改造しようとしているか、また、これまでの日本の政府やメディアが、いかにそれに乗せられてきたかを暴露しています。それを、著者自身が自分で調べて、情報に行き着いて、点と点が結びついて、アメリカの正体が分かってきた、というところを体験風に書いているので、かなり面白く読めます。
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都響第617回定期演奏会Bシリーズ ショスタコーヴィチ交響曲第1番他
昨夜は、サントリーホールで都響の定期演奏会を聞いてきました。2005-2006シーズンの第1回であり、「都響=デプリースト ショスタコーヴィチ・シリーズ」の第1回でもあります。
プログラムは
- 武満徹:弦楽のためのレクイエム(1957)
- モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
- 休 憩
- ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ヘ短調 作品10
僕にとって、この日のメインプログラムは、やはり休憩後のショスタコーヴィチの交響曲第1番。ショスタコーヴィチがレニングラード音楽院の卒業作品として書いたもので、全体で約45分という、ショスタコーヴィチにしてみれば短めの曲ですが、そこここにショスタコーヴィチ“らしさ”が表現されていて、堪能させていただきました。
米軍基地再編に特別の「推進法」を準備
在日米軍基地再編のため、政府は、特別の「推進法」を作るらしい。内容は、1つには総額で1兆円を超えるといわれている移転・基地整備の経費への財政支援。米海兵隊のグアム移転だけでも4000億円かかると言われているが、日本政府が海外の米軍施設のためにお金を出すなどというシステムは存在しない(そもそも、そういう義務は安保条約にも地位協定にもない。もっと正確に言えば、地位協定では、日本国内の経費だって、アメリカ政府が負担することになっている)。そこで、そのための根拠となる法律が必要と言うこと。また、財政上も、総額1兆円を超える額を、防衛予算とは別枠で確保することがねらい。アメリカは2012年までの完了を求めており、7年間で1兆円とすると、1年あたり1500億円。現在の「思いやり予算」の3分の2に近い額である。
さらに、沖縄の普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸への移設に関連して、予定水域の使用権限を知事から国に移す特別措置も盛り込まれるらしい。県知事が、使用権限をたてに「反対」でがんばることがないように、早手回しに、権限を取り上げてしまおうという話。
この法律ができれば、7年間にわたる1兆円もの予算があらかじめ確保されてしまうことになる。
これじゃ、まるっきりの基地強化
「毎日新聞」13日付が、「シュワブ沿岸に軍港 日米検討」と報道。
沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設するとされた新施設の北側を軍港にするということらしい。もともと普天間飛行場のヘリ部隊の代替施設とされていたのが、滑走路は1800メートルへ延長。それに軍港もつけりゃあ、もう立派な、いつでも出撃OKの最新鋭基地じゃないですか!
「負担軽減」の名目で、新基地を増強するなんて、卑怯ですよ。
小泉さんは、いったいどこの国の首相なのか?
在日米軍基地の再編で、神奈川だけでなく、地元では強い反対運動が起こっていますが、小泉首相は、「日本全体の利益考え、やむを得ないと思ってもらえるよう努力する」という態度です。
「努力する」と言っていますが、早い話が、「日本全体の利益のためだから、文句を言うな」ということ。彼は、いったいどこの国の首相なんでしょう?
米軍再編・かながわ:小泉首相、事実上のゼロ回答――全国知事会議/神奈川(毎日新聞)
「沖縄の負担やむなし」 首相、安保維持を強調(琉球新報)
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地元で、米軍キャンプ座間への統合作戦司令部移転反対の集会開かれる
米軍のキャンプ座間への統合作戦司令部移転に反対する集会が、地元の神奈川県座間市と相模原市で開かれました。
「声を上げなければ」 キャンプ座間、人間の鎖に3千人(朝日新聞)
基地の強化反対など訴える/相模原で市民集会(神奈川新聞)
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甘樫丘で7世紀の建物跡見つかる
蘇我入鹿の邸宅跡ではないかと大きく報道されていますが、よく読むと、今回発見された建物跡はいずれも小さいもの。まだ入鹿邸宅跡と断定することはできないようです。
この間、読んだもの
この間、雑誌論文で読んだものをちょいとメモしておきます。
関岡英之「奪われる日本――『年次改革要望書』 米国の日本改造計画」(『文藝春秋』2005年12月号)
『拒否できない日本』の著者による、「郵政民営化」後の、アメリカのねらいを明らかにしたもの。「年次改革要望書」というのは、1993年の宮沢・クリントン会談で合意されてから、毎年、双方の政府が提出しあってきた外交文書。最近のものは、駐日アメリカ大使館のホームページで読めます。そこで、アメリカが1995年以来一貫して簡易保険の廃止を要求してきています。それは、アメリカの保険業界が簡保120兆円をねらっているからだというのが著者の主張。
さて、その郵政民営化が強行されたあと、次にアメリカがねらうのは何か? それは健康保険だというのが著者の分析です。
そういえば、小泉さん、こんどは執拗に「混合診療」をすすめようとしていますなぁ。しかし著者は、日米の医療費を比べると
小宮山宏『地球持続の技術』
1999年刊の本ですが、最近、仕事の関係で話題にのぼったので、あわてて買い込み読んでみました。
この本の特徴は、地球持続の技術を、地球規模での物質のライフサイクルという角度から考えていること。さらに省エネがどこまで可能かも、輸送、分離、成型・加工など「素過程」に分けて理論値を考え、そこから技術的に到達可能な限界を推測しています。
たとえば水平方向の輸送は、ちょっと意外ですが、理論的にはエネルギー消費はゼロ。もちろん、これは摩擦ゼロ、ブレーキで発生する熱は全部回収し再利用する、などという理想状態でのことですが、そこから逆に、実際にはそれがゼロにならないのは、たとえばタイヤの摩擦によるロス(熱となって逃げる)、エンジンがガソリンのエネルギーを全部移動のエネルギーに変換できず、排ガス・廃熱となっているからだとか、ひとつずつ詰めていく訳です。
また、鉄やアルミは、鉄鉱石やボーキサイトから新しく生産するより、クズ鉄や廃アルミを回収して再利用した方が、はるかにエネルギーの節約になること。しかも鉄もアルミも、年々生産量が増え、地上に固定される量が増えると、当然、それがスクラップにされて回収される量も増えていくはずで、どこかで回収量と新規需要がバランスするはずです。そうなれば、もはや新しく鉄鉱石を掘り出して鉄を生産する必要がなくなり(現実には、質の問題などがあって、完全にゼロにはならないでしょうが)、資源の枯渇や、廃棄物によって地球が埋まっていくことを心配しなくてます。エネルギーの大幅な節約も可能です。
第4章「『日々のくらし』の省エネ技術」では、ヒートポンプによる暖房が非常に効率的である(これも、あくまで理論値ですが)ことが明らかにされています(ヒートポンプは、電力で、直接室内を暖めている訳ではなく、フロンを圧縮して循環させるポンプを動かすために使われているだけなので)。なんとなく、これまでエアコンで暖房するというのは、ものすごく電気を無駄にしているように思っていたのですが、とんだ勘違いでした。(^_^;)
マクロで省エネや省資源を考えるというのは、なかなか面白い視点だと思いました。
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小掃除な日
いつも日曜日は昼頃まで寝倒すのに、今日はなぜか9時前に目が覚めてしまいました。(^_^;)
で、お天気もいいので、まず洗濯。それから、久しぶりに掃除機を使って掃除。いつもはコロコロや化学モップで、そのへんをちょこちょこっとやってお終いにしているのですが、今日はパソコンの裏につもった埃も全部きれいにしました。(^_^;)
それから、レンジ回りの掃除。といっても、油よけのアルミを取り替えたぐらいですが、それでも随分ときれいになりました。ときどき豚肉の生姜焼きをつくったりする程度なんですが、それなりに油が飛ぶみたいで、アルミに油がべっとり…。流しの棚なんかも、けっこう油でべとついていたりします。そのあたりも、家庭用洗剤をぷしゅぷしゅやって、しこしこ拭いて回りました。
お疲れ様でした。m(_’_)m
「理念」を失った政治
ちょうど最新作『新リア王』を読んでいることもあって、『現代』12月号に作家の高村薫氏が書いた「小泉改革という幻想」を読みました。
高村さんは、いまの政治家が、政治家として欠かすことのできないはずだった「理念」を持っていないことを厳しく批判しています。
私が今回、「政治家」、それも80年代の政治家を小説に描いた最大の理由は、「人間にとってより良い生き方とは何か」「人間はどう生きるべきか」という、本来、政治家にとって根底にあるべき理想や理念を、80年代ぐらいまでの政治家はかろうじて持っていた、そして今日の政治家たちはまったく持っていない――という現実を書きたかったからです。
今日の政治家たちには、「人間にとって幸せとは何か」といったような根底になくてはならない理念が完全に消失してしまっています。
事実、いまの政治――小泉政権は、国民が求めていること、すなわち公共的利益を国民の安定した生活や、安定した未来につなげていくような決断や政治的過程を、ひとつも実現できずにいる。それは、本来政治家にとって何より不可欠である「理念」が、小泉さんをはじめとするいまの政治家たちに欠落しているからに他なりません。だから困る。
今回の総選挙の結果についても、高村氏は、「今回の選挙で小泉自民党政権に票を投じたのは、『いまのこの経済を立て直すためには、膨れ上がった国の債務を減らさなければどうにもならない」という願いというか、共通の認識が如実に反映された結果だと私は思います」と述べる一方で、にもかかわらず「小泉政権は発足以来、国債による赤字を毎年35兆円近くも増やし続けている」。ところが、郵政民営化のように、「多くの大衆が求めている社会の姿とは違うものを、さもそうであるかのように見せている」と厳しく批判。小泉首相は「政治に与えられた権力のなんたるかを理解していないのは明らか」「政治的な駆け引き、政局の中を泳ぐ、その中で勝った負けたという、いわゆる『戦国ゲーム』、そこに人生を見いだしている人ですから、およそ政治家ではない」との指摘は、なかなか本質を突いていると思います。
ほかにも、興味深い指摘がいろいろありました。
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第2次日韓協約 日本側の軍事的圧力を示す史料が見つかる
1905年に結ばれた第2次日韓協約(韓国側では乙巳条約)。日本が韓国の外交権を取り上げ、ソウルに統監府を設置、10年後の韓国併合につながった条約ですが、その締結の際に、日本側が韓国駐留軍の軍事力にものをいわせて圧力をかけていたことを示す史料が、荒井信一氏によって明らかにされました。
1つは、当時の駐韓アメリカ公使の国務長官宛報告書。報告書は、韓国駐留日本軍が交渉会場を固めていたことを指摘し、「韓国皇帝に日本の要求を拒むことは不適当だと思わせるためにも使われた」と報告。
もう1つは、陸軍省の「明治三十七八年戦役陸軍政史」で、長谷川司令官が条約に反対する韓国の閣僚らの動きを封じるため、憲兵に動静を厳しく監視させ、韓国の軍部大臣を呼び、「最後の手段が何か、あえて詳しく言わないが」と告げたとのこと。
日韓協約交渉、日本軍が韓国側の行動制約か 米公使指摘(朝日新聞)
日韓協約交渉、日本側が武力で圧力 シンポで発表(朝日新聞)
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古河電気、残業代14億円未払い
ちょいと古いニュースですが、古河電気工業が、今年9月までの2年間で、全国の事業所の製品開発などの分野で残業代14億円余りが未払いになっていたと発表。
「従業員が実際に残業した時間よりも少ない時間を会社側に申告していた」とありますが、上限を設けるなど、会社側が“申告しにくい”環境をつくっていたはず。そこを変えないと、“サービス残業”はなくなりません。
今週の「九条の会」(11月12日まで)
新日本フィル第393回定期演奏会 ロクシン:交響曲第1番「レクイエム」
昨日の新日本フィルハーモニー交響楽団第393回定期演奏会は、ロシアン・プログラム。この日の目玉は、日本初演のロクシンの交響曲第1番。
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
- ロクシン:交響曲第1番「レクイエム」
ロクシン?なんて思いながら会場に行ったのですが、プログラム・ノーツによれば、1920年生まれのロクシンはモスクワ音楽院の卒業制作として発表したボードレールによる3つの管弦楽歌曲が「国の美学に反するとソ連作曲家同盟から批判」されたそうな。さらに、雪解け後には、ショスタコーヴィッチがその才能に驚嘆したらしいが、「仲間を秘密警察に売った」として自由主義者サークルからも排除され、結局、1987年に不遇のままこの世を去ることになったという。結局、2002年になって、彼が大戦中の強制収容所の犠牲者に捧げた作品がモスクワで演奏されたのが話題となり、ようやく注目され始めたということです。
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映画「ヴェニスの商人」
原作ウィリアム・シェイクスピアの、言わずと知れた「ヴェニスの商人」ですが、マイケル・ラドフォード監督にかかると、こんなになるのか!と唸らされる作品です。(今年23本目)
ベニスの商人アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)は、親友のバッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)が求婚するために金を貸すことにするが、あいにく彼の全財産は船の上。やむをえず、商売敵のユダヤ人シャイロック(アル・パチーノ)に頼むことに。シャイロックは、もし期限までに金を返せなければ保証人アントーニオの肉1ポンドをもらうという証文と引き替えに、金を貸すことを認めた。バッサーニオは、その金で、見事、金持ちの貴族の娘ポーシャ(リン・コリンズ)との結婚を果たすが、アントーニオの船が難破し、借金が返せなくなる。日頃、アントーニオから「ユダヤ人」「異教徒」と蔑まれていたシャイロックは、証文どおり、アントーニオの肉1ポンドを要求し、裁判に訴える……。
ヴェニスは商業でなりたっている都市であり、何よりも契約を守ることが「正義」とされていた。それゆえ、期限までに金を返せなかったのだから肉1ポンドを寄こせというシャイロックの訴えを、頭から退けることができない。誰もが、シャイロックの勝ち、アントーニオはこれでお終いだと思ったとき、ポーシャ扮する若い法学博士が見事な裁きを申し渡し、アントーニオが救われることはあまりにも有名。
しかし、そう単純にいかないところが、この映画のすごいところ。(以下、ネタばれあり…っていても、筋はもともと誰もが知っていることなのですが)
まだ下がるだけの余裕があったのね 米個人貯蓄率
アメリカ国民の貯蓄率がさらに低下したという調査を、サンフランシスコ地区連銀のシニアエコノミストが公表したそうな。2000年以降の平均はわずか1.9%。
国民経済統計から言うと、貯蓄=投資。今のアメリカは、外国からの資金流入でなんとかやっているということ。その1番の原因は財政赤字であることは、言うまでもありません。
日本とペルーは戦争一歩前?
ペルーは、フジモリ元大統領の出国に抗議して駐日大使の召還を決定。
ペルーから犯罪者として引き渡しを求められていた人物について、「よく調べてみたら、日本国籍があった」という理由で引き渡しを拒否し、さらにその人物がペルーの大統領に返り咲こうとして出国し、第三国で身柄拘束されたのに対し、「邦人保護の対象だ」などといって大使が会いに行ったりすれば、外交的には、「日本は、ペルーの政権を転覆しようとしているのではないか?」と言われても、文句が言えないような事態なのではないだろうか。外務省や日本政府は、いったい何を考えて行動しているのだろうか。
今日は
仕事帰りに「ヴェニスの商人」を見てきました。
さすがアル・パチーノ、存在感たっぷりでした。で、詳しくいろいろ書きたいのですが、今日はもう疲れ果ててヘトヘト。ということで、感想などはまた後日…。