映画「サラの鍵」

映画「サラの鍵」

昨日、フランス映画「サラの鍵」を見てきました。1942年7月のフランスにおけるユダヤ人一斉検挙をテーマにした作品です。

パリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、夫の祖父母が暮らしていたアパルトマンに引っ越す準備をしていたが、ふとしたきっかけで、その部屋に祖父母が越してきたのが1942年8月だったことを知る。そこから、この部屋に秘められた歴史に踏み込んでゆきます。

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で、家族の問題は解決したのか?

クリスマス・ストーリー

正月明けですが、恵比寿ガーデンシネマでクリスマス映画を見てきました。主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。今年、御年67歳の大御所ですが、この映画でもばりばりの貫禄を発揮しております。(今年3本目)

公式サイト:クリスマス・ストーリー

ストーリーは公式サイトを参照していただくとして、字幕だったからか、それともオイラがぼんくらだからなのか、ともかくこのややこしい人間関係の展開に十分着いてゆくことができませんでした。(^^;)

それでも、家族のゴタゴタ、親子、兄弟、夫婦と、表向きは円満でもそれぞれ複雑な事情を抱えて、暮らしているということを、雰囲気たっぷりに描き出すあたりは、やっぱりフランス映画ならでは。

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映画「パリ20区、僕たちのクラス」

映画「パリ20区、僕たちのクラス」

昨日、映画「パリ20区、僕たちのクラス」を見てきました。6月に岩波ホールで公開されましたが、忙しくて見に行く暇がないままに終わってしまったので残念に思っていたのですが、武蔵野館で今月27日まで上映(ただし、午前10時半と午後1時10分の2回のみ)されるというので、早速見てきました。今年6本目。

パリ20区の公立中学校のあるクラスを舞台にして、24人の生徒と国語教師でクラス担任でもあるフランソワのぶつかり合い?を描いた作品です。

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甘〜い甘〜いチャイコフスキー

オーケストラ!

仕事帰りに、本日最終日の映画「オーケストラ」を渋谷ルシネマで見てきました。最終日の最終回だというのに、けっこうなお客さん。

最初はなんだかどたばたみたいな映画でしたが、オーケストラと競演するソロ・ヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケ役のメラニー・ロランが登場したあたりから、ぐっと話が面白くなってきました。

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本日のお買い物

「幸せはシャンソニア劇場から」オリジナルサウンドトラック盤ゲルギエフ指揮:ショスタコーヴィチ交響曲第1番&第15番

というわけで、仕事帰りに新宿のタワレコで、映画「幸せはシャンソニア劇場から」のサウンドトラック盤を買ってきました。(^_^)v

で、右はそのついでに見つけたゲルギエフのショスタコーヴィチ交響曲第1番&第15番の新譜。演奏はマリンスキー歌劇場管弦楽団なんですが、よくみるとレーベルもMARINSKY。確か、前に出ていたシリーズはPHILIPSだったはず…。

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幸せは「幸せはシャンソニア劇場から」から

幸せはシャンソニア劇場から

監督・脚本は「コーラス」のクリストフ・バラティエ、主演は「パティニョールおじさん」「コーラス」のジェラール・ジュニョとくれば、もう見るしかありません。

ということで、土曜日、恵比寿ガーデンシネマで「幸せはシャンソニア劇場から」を見てきました。

ヒロインをつとめる新人ノラ・アルネゼデールにはただただ見惚れるばかり。(^^;) 見終わってから、「ホントにいい映画をみたなぁ?」という気分になれる作品でした。

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ベルサイユの子 フランスという国の奥深さを考えた

ベルサイユの子

憲法集会と銀座パレードのあと、Cine Switch銀座で、公開されたばかりの映画「ベルサイユの子」を見てきました。(今年4本目)

幼い息子エンゾを連れて、夜のパリの街を寝場所を探して歩く若い母親。ホームレスの支援施設で一夜を過ごした後、ベルサイユ宮殿の森の中で、社会から離れて暮らすダミアンに出会う。翌朝、ダミアンが目覚めると、母親は姿を消していた。残されたエンゾとダミアンは…。

先日、予告編を見たときには、ダミアンの暮らす掘っ立て小屋が火事になったり、ダミアンが病気になりエンゾが助けを求めにベルサイユ宮殿に走っていったり、ということで、捨てられたエンゾとダミアンの交流の話かと思っていたのですが、実際に見てみると、それだけではありませんでした。(^^;)

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ホントは怖〜い譜めくりの女

譜めくりの女

5・3憲法集会の銀座パレードのあと、銀座シネスイッチで、フランス映画「譜めくりの女」を見てきました。(今年5本目)

少女メラニーはピアニストを夢見て、コンセルヴァトワールの実技テストにのぞんだが、演奏中に憧れの人気ピアニスト・アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)が、審査そっちのけでサインをするのに動揺して、落第してしまう。以来、ピアノの夢を断念したメラニー(デボラ・フランソワ)は、弁護士のジャン・フシェクール(パスカル・グレゴリー)の事務所で実習生として働き始める。そして、休暇中のジャンの息子トリスタンの子守をやることになり、ジャンの家へ。ジャンの妻は、あのアリアーヌだった。アリアーヌは、演奏会のときの譜めくりを彼女に依頼する。しかし、やがてアリアーヌにとってなくてはならぬ存在になってゆく…。

ということで、ピアノ演奏会のときによく見かけるけれど、決して演奏会の出演者にはならない「譜めくり」の女性をテーマにした不思議な映画です。

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「合唱ができるまで」、そして「ヘンダーソン夫人の贈り物」

映画「合唱ができるまで」ポスター

2・11集会を途中でぬけだして、ユーロスペースで見てきたのは映画「合唱ができるまで」。(今年2本目の映画)

パリ13区、モーリス・ラヴェル音楽院のアマチュア合唱団が教会でのミサ・コンサートを目ざして練習する様子を撮影したドキュメンタリーです。正直言って、最初にみんなが合唱する部分なんて聴けたもんじゃありません。(^_^;) 下手とか言う以前のレベル。しかし、女性指揮者クレール・マルシャンは、発声の仕方、息の使い方、アクセントの置き方などなど、1つひとつを、子どもたちにもやさしく、分かりやすく説明し、「良くなったわ」「すばらしい」とほめながら根気よく練習を続けてゆきます。そうやっていくうちに、だんだんとハーモニーが生まれ、声が響き合うようになっていく様子は、ちょっと神秘的でさえあります。

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フランス映画の悦楽 「美しき運命の傷跡」

エマニュエル・ベアール(「美しき運命の傷跡」)

日曜日、若杉&東フィルのコンサートのあと、同じBunkamuraのル・シネマで、フランス映画「美しき運命の傷跡」を見てきました。(今年4本目)

主演は、「彼女たちの時間」「8人の女たち」「恍惚」のエマニュエル・ベアール。彼女の演ずるところの長女ソフィは、旦那の浮気に嫉妬し、煩悶する美しく艶めかしい妻…。次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)は、体が不自由になり口の聞けない母親のもとへ一人通い、世話をする。そこに魅力的な若い男性が現れるが、男性恐怖症の彼女はその男性との関係を上手くすすめられない。大学教授と不倫関係にあった三女のアンヌ(マリー・ジラン)は突然別れを告げられる…。

映画は、どうしてここまで“男”とうまくいかないのか――三者三様の悩める姿を描いてゆきます。その背景には、子どもの頃の両親の離婚と、そのときの“事故”が原因であったことが明らかにされますが……。

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映画2本見てきました

そして、ひと粒のひかり

最近、すっかりご無沙汰していたので、今日は、午後から渋谷で映画を2本続けて見てきました。

1本目は、昨日公開されたばかりの米・コロンビア合作映画。コロンビアの田舎町に住むマリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は、都会にあこがれ、偶然知り合った男の紹介で麻薬の運び屋をやることに。小分けにパックされた麻薬を胃の中に飲み込んで、ニューヨークまで運べば、5000ドル貰える。同じ運び屋をやっているルーシーと知り合い、パックを飲み込むコツを教えてもらう。友だちのブランカともう1人の運び屋が加わって、4人が同じ飛行機でアメリカへ。しかし、税関で1人は捕まり、マリアも取り調べを受ける。しかし、妊娠中のマリアにはレントゲン検査ができず、何とか税関を通過できた。しかし、ここでパックを出せと連れて行かれたホテルで、ルーシーに異変が……。マリアはブランカをつれて、ホテルを逃げ出す……。

ということで、テーマは相当に重い作品です。

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期待しなければよかった?

「ふたりの5つの分かれ路」

昨日、「アジアのキュビズム」を見た後、日比谷で映画「ふたりの5つの分かれ路」を見てきました。「8人の女たち」などのフランソワ・オゾン監督の作品です。(今年20本目)

淡々と離婚手続きをすすめるマリオンとジル。いったい、なぜこんな結末になったのか…? どこで2人はすれ違ってしまったのか…? 映画は、その「結末」から、ある特別なディナーの夜、出産、結婚、出会いへと、2人の軌跡を遡っていきます。

結婚生活に疲れたマリオンをヴァレリア・ブルーニ・テデスキが好演しています。

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「フレンチなしあわせのみつけ方」

フレンチなしあわせのみつけ方

連休ど真ん中の4日、渋谷シネ・アミューズでフランス映画「フレンチなしあわせのみつけ方」を見てきました。今年12本目。

仏の人気俳優イヴァン・アタル演じる自動車ディーラーのヴァンサンは、妻ガブリエル(シャルロット・ゲンズブール)と息子ジョゼとの3人暮らし。いかにもしあわせ風なのだが、ガブリエルは、夫が浮気をしていることを直感する…。

ということで、シャルロット・ゲンズブールが、不動産業者として仕事をしつつ、子育てもするし、夫の浮気に悩みもするという“健気な”女性を好演。明るいんだけれども、ちょっと憂いも感じさせるキャラクターが魅力的です。

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映画「コーラス」

映画「コーラス」

 昨日、日比谷公会堂で開かれた憲法集会に参加して、そのあと参加者5000人で、日比谷公会堂から内幸町ホールの前を通ってガードをくぐり、西銀座から数寄屋橋交差点を通って、東京駅八重洲口前を通過し、日本橋常磐公園まで、1時間あまり「憲法改悪反対」「9条を守れ?」とアピールしながらパレードしてきました。

 で、パレードが終わると、また銀座までとって返して、シネスイッチ銀座へ。フランス映画「コーラス」を見てきました。

 1949年、元音楽教師のクレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)は、「池の底」という名前の寄宿学校に着任する。生徒たちは、親を亡くしり素行に問題ありとして預けられた子どもたち。いたずらばかりする“悪ガキ”にたいし、校長(フランソワ・ベルレアン)は“やられたら、やり返せ”をモットーに容赦のない体罰を加える。マチューは、ささくれだった子どもたちの気持ちを何とかしようと、子どもたちに合唱を教える。しかし、生徒のピエール・モランジュ(少年時代、ジャン=バティスト・モニエ)は、そんなマチューに反発する。
 ある晩、誰もいないはずの教室から“奇跡の声”が聞こえてきた…。

 ということで、悪童たちがみるみる合唱がうまくなるあたりは“話が出来すぎ”ですが、まあそうでないと映画になりませんから、そのあたりは目をつぶるとして、少年モランジュを演じるジャン=バティスト・モニエのボーイ・ソプラノは、実際、素晴らしい。彼がソロで歌う「キリエ」などは、映画のお話とは関係なしに、切なく癒されるほどで、本当に心に染みいってくるようです。

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これは和解の映画 「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」

チケット

街娼が並び、それ目当ての男たちが行き来するパリの裏通り、そんなブルー通のアパートに暮らすユダヤ人の少年モモと、その向かいで小さな食料品店を営むトルコ人のイブラヒムとのお話。モモは父親と2人暮らしなのですが、この父親がいったい何の仕事をしているのかよく分からない。ともかく家に帰ってくると、使ってない部屋の灯りを消して回り、モモが音楽を楽しんでいるラジオを切り、楽しみというと本を読むことだけという陰気な親父で、二言目には兄のポポルと比較するのでモモは面白くない。そんなモモが毎日買い物をするのがイブラヒムの店。イブラヒムは、モモが時々商品を万引きしていることに気づいていたが、モモを叱るどころか、やさしく「盗みを続けるなら、うちの店でやってくれ」と言う…。

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高級なポルノ小説みたいだと思っていたら…

「恍惚」チケット

今日(すでに昨日ですが)は、「そうだ、映画に行こう!」と思い立って、仕事帰りに、渋谷Bunkamuraのル・シネマで、フランス映画「恍惚」を見てきました。

倦怠期なセレブの夫婦のお話。「8人の女たち」でカトリーヌ・ドヌーブとはりあったファニー・アルダン扮する妻(カトリーヌ)は、偶然、夫ベルナール(ジェラール・ドバルデュー)の携帯で、「昨日は素敵な夜だったわ」という女性からの伝言を聞いてしまう。夫が浮気? 揺れ惑う妻は、偶然出会った娼婦マルレーヌ(エマニュエル・ベアール)に、夫を誘惑して欲しいと頼む。

マルレーヌは通訳を目指す学生ナタリーとして、ベルナールに偶然であったふりをして、まんまと誘惑に成功する。だんだんとナタリーに惹かれていく夫。カトリーヌは、夫が、どんなふうにナタリーを愛したのか、その一言一言まで、マルレーヌから聞くのだが、やがて2人の間には奇妙な“友情?”が生まれてくる…。

しかしやがて、ベルナールは本気でナタリーに惚れてしまい、「一緒に暮らしたい」と言い出す。マルレーヌも夫に惹かれだす。離婚…? 自分だけが取り残される? そんな不安に、カトリーヌは、思わず「ベルナールは、あなたと住む世界が違うのよ」とマルレーヌに言ってしまう。1人の男と2人の女性の運命はどうなるのか?
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ベルヴィル・ランデブー

ベルヴィル・ランデブー

ベルヴィル・ランデブーを見てきました。フランスのアニメーション映画です。公開初日に見に行くのは、「エイリアン2」以来です。(^^;)

自転車が大好きで、ツール・ド・フランスの選手になった孫のシャンピオンが、レースの最中に誘拐された…。ということで、お婆ちゃんと愛犬ブルーノが、孫を助けるために、巨大都市ベルヴィルまで追いかけていくというお話(実際にはベルヴィルというのはパリの北東にある庶民的な街区だそうです)。はたしてシャンピオンは無事なのか…? といっても、別にそんなドキドキハラハラするような映画ではありません。

それにしても、このお婆ちゃんがすごいんです。

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ピエロの赤い鼻

ピエロの赤い鼻

書き込みが遅くなりましたが、水曜日に、またまた映画を見てきました。3日連チャン、前日に続いてまたもや銀座シネスイッチです。今度は、先週封切られたばかりのフランス映画「ピエロの赤い鼻」です。

フランスの田舎町。中学教師のジャックは、日曜ごとに近くのお祭りでピエロに扮してみんなを笑わせている。でも、息子のリュシアンにとっては、父親がみんなの笑いものになるのが嫌いで仕方なかった。しかし、ジャックがピエロに扮するのには、実は理由があったのだ。ある日、父の古い親友・アンドレがリュシアンにその話してくれた。その出来事は、町がドイツ軍に占領されていた第2次世界大戦末期のことだった…。

ということで、アンドレの語りによって、映画は戦争と占領の時代に遡っていきます。
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世界でいちばん不運で幸せな私

世界でいちばん不運で幸せな私

昨日に続いて、今日は、銀座シネスイッチでフランス映画「世界でいちばん不運で幸せな私」を見てきました。こっちももう公開2週間…。なんだか積み残した宿題ばかり片づけてるみたいで、新着映画を見に行きたいよ? (^^;)

「アメリ」みたいなノリで、主人公の2人にしか分からない世界を繰り広げていきます。それは、すべてが「のる? のらない?」のカケで始まるというゲーム。子どものときは、思いっきり悪ふざけばかりなのですが、2人が大人になったとき、お互いに惹かれあっているのに、恋もゲームにされのてしまうのでは?と思うと素直に自分の気持ちが言えない。そこからだんだん2人の気持ちがすれ違ってしまい…。と、このあたりまでは予告編でも見せてるところです。その恋のゆくえはというストーリーの楽しみもありますが、2人の駆け引き、ゲームそのものが想像を超えていて、思いっきり笑わせてくれます。
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