古い本ですが… 四野宮三郎『J・S・ミル』

四野宮三郎『経済妨??と現代<3> J・S・ミル』(日本経済新聞社)

重田澄男氏が『マルクスの資本主義』のなかで、マルクスの「ロンドン・ノート」がJ・S・ミルの『経済学原理』の抜粋から始まっていることを知り、あらためてJ・S・ミルを勉強してみようかと思いました。

といっても、いきなり『経済学原理』(1848年)を読むのはちょっとアレなので(岩波文庫でも5分冊あるぐらいだから)、少し昔の本ですが、四野宮三郎著『経済学者と現代<3> J・S・ミル』(日本経済新聞社、1977年)を古本で手に入れて読んでみました。

J・S・ミルは、学説史的には「折衷的」と位置づけられますが、だからこそ、マルクスが経済学を学ぶ手始めに、『経済学原理』を読んだのかも知れません。『経済学原理』の出版年が『共産党宣言』と同じだというのも、なにやら偶然だけとは言えないような気もします。
続きを読む

重田澄男『マルクスの資本主義』

重田澄男『マルクスの資本主義』(桜井書店)

重田澄男氏の新刊『マルクスの資本主義』(桜井書店)を読み終えました。

マルクスは、資本主義を表わす術語として、『哲学の貧困』(1847年)では、フランス語で、la production bourgeoise(ブルジョア的生産)と表記。『共産党宣言』(1848年)や『賃労働と資本』(1849年)あるいは『経済学批判』(1859年)では、ドイツ語でdie brügerliche Produktionweise(ブルジョア的生産様式)と表現していました。これが、『資本論』ではdie kapitalistische Produktionweiseという用語になっていることはよく知られているとおりです。

本書は、マルクスの資本主義概念が、なぜ、このような「ブルジョア的生産様式」という用語から「資本主義的生産様式」という用語に生まれ変わらなければならなかったか、その謎解きしようとしたものです。そのことを明らかにするために、著者は、『ロンドン・ノート』(1850?53年)や『経済学批判要綱』(『1857?58年草稿』)をたんねんに調べており、ほんらいの謎解き以外にもいろいろと興味深い論点が取り上げられていると思いました。
続きを読む

訃報2つ

1つめは、映画監督の黒木和雄さん。以前、このブログでも紹介しました(「9条変えたら憲法は死滅する」黒木和雄監督が講演)が、九条の会の呼びかけにこたえ、自ら「映画人九条の会」の呼びかけ人となって、憲法九条を守ることの大切さを訴えておられたことが印象的でした。

2つめは、哲学者の沢田允茂さんの訃報。沢田氏は慶応大学名誉教授で日本哲学会会長なども歴任された方で、専門はアメリカの実証主義論理学。マルクス主義とはまったく立場は違うのですが、数年前に出版された『昭和の一哲学者 戦争を生きぬいて』(慶應義塾大学出版会、2800円、2003年11月刊)を読んだことが大変印象に残っています。

沢田允茂『昭和の一哲学者 戦争を生きぬいて』

その感想は、以前書いたことがあるのですが、父は陸軍参謀次長を務めた沢田茂氏。允茂氏自身、1940(昭和15)年に応召され、中国をへて、1943年に南方に移動、ニューギニア・パラオ島で終戦を迎えられたそうです。軍人の家庭に生まれながら、早くから思想めいたことに目覚め、日本の戦争に批判的な意識をもちつつ応召されたこと、南方での、今からは想像もつかないような飢えとマラリアとの闘いを率直に書かれています。戦後、慶応大学に戻られてからは同大教職員組合の初代委員長を務められたこと、また日本哲学会の発足にかかわり、大学や学派の違いをこえて、研究者の交流に努められたこと――そのなかにはマルクス主義哲学の寺沢恒信氏の名前もあって、立場は違っても、マルクス主義哲学を排除するようなことをしないリベラルな姿勢の大もとには、戦前、戦中の体験があったのではないかと思いました。

お2人の訃報に、あらためて、戦争を直接身をもって体験された方々の思いを、私たちがどのように受けとめ、受け継いでいくか、考えさせられました。
続きを読む

最近買った本 3月編

また1ヵ月以上立ってしまいました。仕事が忙しいのと、仕事の関係でどちらかというと“理論”の方に関心が移っているので、ちょっとペースが落ちてます。

  • 愛敬浩二『改憲問題』(ちくま新書、4月刊)
  • 向寿一『マネタリー・エコノミクス 国際経済の金融理論』(岩波新書、4月刊)
  • 小林孝輔・芹沢斉編『基本法コンメンタール 憲法<第5版>』(日本評論社、4月刊)
  • 『岩波講座 アジア・太平洋戦争<5> 戦場の諸相』(岩波書店、3月刊)
  • 『ポリティーク<11> 特集「改憲問題の新局面」』(旬報社、3月刊)
  • 大沢真知子『ワークライフバランス社会へ』(岩波書店、3月刊)
  • 今井伸英『私たちの“共産党宣言”』(本の泉社、3月刊)
  • 笠原十九司・吉田裕編『現代歴史学と南京事件』(柏書房、3月刊)
  • 東京新聞社会部編『あの戦争を伝えたい』(岩波書店、3月刊)
  • 尾木直樹『思春期の危機をどう見るか』(岩波新書、3月刊)
  • 最上敏樹『いま平和とは 人権と人道をめぐる9話』(岩波新書、3月刊)
  • 米沢富美子『人物で語る物理入門<下>』(岩波新書、3月刊)
  • 小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』(中公新書、3月刊)
  • 薩摩秀登『物語 チェコの歴史』(中公新書、3月刊)

続きを読む

読み終えました。『マルクスの使いみち』

稲葉振一郎・松尾匡・吉原直毅『マルクスの使いみち』

稲葉振一郎・松尾匡・吉原直毅『マルクスの使いみち』(太田出版)を、とりあえず読み終わりました。

いまでもマルクスは有効だと思っている僕の目から見ると、松尾匡>吉原直毅>稲葉振一郎 の順で、言われていることに納得。第2章で、搾取理論を捨てたとされるローマーにたいし、「搾取概念にこだわっていく」とする松尾氏が、置塩先生の「マルクスの基本定理」に依拠しながら次のように指摘されているのに注目したいと思います。

マルクスの『経済学批判要綱』(1857?58年)でみてとれる『資本論』体系の根本的なストーリーは、資本主義というのは相対的剰余価値生産を推進するのだと。相対的剰余価値生産とは、人々が生活物資を作るための直接間接の労働生産性が上昇していって、人々の生活を再生産するためにどうしてもしなければならない労働が減少することですが、マルクスはこうして自由時間がつくられるのだといっています。人間が個性を開花させ、その能力を全面的に発揮して、本当に人間らしく生きることができるのは、この自由時間のなかにおいてだというわけです。マルクスのなかには、この自由時間を最大化することが人類の目的だというような志向があり、これは確かに、投下労働価値の森嶋流の定式化である労働最小化とぴったり合致します。マルクスにいわせれば、この、本来だったら自由時間になったはずの時間が、資本主義のもとでは他人のために働かされる時間になる。これが搾取だというロジックになっています。どこまでも自由を希求するのがマルクスの基本的価値観で、僕もそれを引き継いで先ほどから述べている搾取論解釈をとっているのです。(本書、100ページ)

現実の搾取を、そのたびに「本来の自由時間」と比較する必要はないと思いますが、マルクスの搾取論がそういう意義をもっていることは、松尾氏の指摘するとおりだと思います。

続きを読む

稲葉振一郎ほか『マルクスの使いみち』

稲葉振一郎・松尾匡・吉原直毅『マルクスの使いみち』

先日、コンサートの帰りに本屋で見つけたのが、稲葉振一郎・松尾匡・吉原直毅『マルクスの使いみち』(太田出版、本体1800円)。「人文系ヘタレ中流インテリのためのマルクス再入門」というコピーが気になって、ついつい買ってしまいました。(^_^;)

「人文系ヘタレ中流インテリ」というのは、「マルクス主義の資本主義批判に何らかの意義、正しさのあることを直観しながら、他方において知的体系としてのマルクス主義の正統性喪失に途方にくれている人々」(同書、18ページ)のこと。稲葉振一郎氏の命名だけれども、半分は自分たちのことを自嘲気味に?いっているのだろうと思います。

要するに、こういうヘタレ中流インテリのために、「主流派経済学〔=新古典派のこと――引用者〕の道具立てで、かつてのマルクス経済学が追究していたテーマを新たに定式化し直し、きちんと論じよう」というのが本書の立場です。その立場から、稲葉振一郎氏を中心にして、数理マルクス派の松尾匡氏や吉原直毅氏とが対談をしながら、マルクス経済学の再解釈を論じています。

続きを読む

またまたいろいろ買うてしもうたがな…

1カ月以上間が開いてしまいました。こうなると、自分でも何を買ったのか、さっぱりわかりません。ということで、山積みになった本をひっくり返しつつ…。

  • 都留重人『市場には心がない』(岩波書店、2月刊)
  • 藤原正範『少年事件に取り組む――家裁調査官の現場から』(岩波新書、2月刊)
  • 金子雅臣『壊れる男たち――セクハラはなぜ繰り返されるのか』(岩波新書、2月刊)
  • 西原博史『良心の自由と子どもたち』(岩波新書、2月刊)
  • 三島憲一『現代ドイツ――統一後の知的軌跡』(岩波新書、2月刊)
  • 町田健『チョムスキー入門――生成文法の謎を解く』(光文社新書、2月刊)←ちょっと期待外れ
  • 小町文雄『サンクト・ペテルブルグ』(中公新書、2月刊)
  • 的場昭弘『マルクスに誘われて』(亜紀書房、2月刊)←早くも思想的自伝を出版なさるとは…。的場先生も偉くなられたもんで。
  • 速水敏彦『他人を見下す若者たち』(講談社現代新書、2月刊)
  • 姜尚中『姜尚中の政治学入門』(集英社新書、2月刊)
  • 牧野雅彦『マックス・ウェーバー入門』(平凡社新書、2月刊)
  • 保阪正康『昭和陸軍の研究』上下(朝日文庫、2月刊)←とりあえず上を読了。下に取りかかれるか…?
  • 藤本一勇『批判感覚の再生――ポストモダン保守の呪縛に抗して』(現代書館、2月刊)
  • 山本明利・左巻健男『新しい高校物理の教科書』(ブルーバックス、2月刊)←1月からシリーズで4冊でてます。
  • 杵島正洋・松本直記・左巻健男『新しい高校地学の教科書』(ブルーバックス、2月刊)

以上は2月分だけ。それ以前の分は続きをどうぞ。(^_^;)
続きを読む

都留重人氏、死去

経済学者の都留重人氏が死去。

高校生の時、経済学に興味を持って初めて読んだ本の1つが都留重人氏の『経済学はむずかしくない』(講談社現代新書、初版1964年、第2版1981年、現在絶版)だったと思います。他に伊東光晴『ケインズ』(岩波新書)などを読んで、こういう経済学を勉強しようと、母校の経済学部を受験しました。

でも、合格してみると、都留重人氏は学長を務めたあと退職されており、伊東光晴氏も他大学へゆかれていて、希望していたような経済学を講義する先生は誰もいない…。ということで、呆然としてしまったことを思い出します。

晩年は経済学だけでなく、日米安保体制、憲法問題など積極的に発言されていたのが印象的でした。

最初の経済財政白書を執筆、経済学者の都留重人氏死去(読売新聞)
続きを読む

書庫拝見

本日、あるお方の新築された書庫を拝見する機会を得ました。
白木の香りも新しい書棚に整然と配列された本を見せていただきましたが、マルクス、エンゲルス、レーニンなどの著作や『資本論』草稿、新MEGAなどとともに、自然科学、小説、マンガまで、ずらり並んだ様子に圧倒されました。僕なんか、狭い部屋のスチール書架に、前後2列に(一部はその上の空間にも)本を並べて、前の本をどけないと後ろに何が並んでいるかも分からないような状況とは違って、各棚に1列ずつ本が並んでいるのは、やはり使いやすい、と、ごく当たり前のことに感動しました。(^^;)
続きを読む

欧州議会が東欧旧政権の人権侵害を非難する決議

欧州議会が、東欧の旧政権の人権侵害を非難する決議を賛成多数で採択。

マルクスは、自由で、各人の個性が全面的に発展させられる社会を社会主義・共産主義の未来社会として展望していたのだから、専制支配を特徴とした旧ソ連・東欧社会が社会主義でもそれに向かう途上の社会でもなかったことは明らか。

「社会主義・共産主義」の偽りの看板を掲げ、そのもとでおこなわれた人権侵害やさまざまな政治的犯罪は、歴史の事実の問題として、是非とも究明されなければなりません。そうした問題ときちんと向き合い、総括することなしには、ヨーロッパの運動も国民的な支持のもとでの前進をかちとることはできないと思います。

共産主義の罪を非難 欧州会議が決議採択(共同通信)
続きを読む

懐かしい本 山崎隆三『地主制成立期の農業構造』

古本で、山崎隆三著『地主制成立期の農業構造』(青木書店、1961年刊)を入手。学部のゼミで、佐々木潤之介先生に報告するように言われた本です。

僕が苦労して報告したあと、佐々木先生は、この本で大事なのは、第5章「近世後期における富農経営の発展」の中に掲載された氏田家の収支計算の総括表だ、その総括表の中に、自作地の経費として氏田家が使う奉公人・日雇の「労賃」の項目があるのですが、それが重要なんだと言われました。
続きを読む

やっぱり肩が痛い… 『「資本論」も読む』も読む

一昨日、新日本フィルのコンサートに行く前あたりから、またぞろ右肩から右上腕部にかけてじわ〜〜〜っと痛み出す。我慢できない訳じゃないけど、我慢し続けるのはちとつらい、という感じで、時々その痛みが腕先にまで響いたりするので、ただただじっと堪えるのみ。

ということで、土曜日、予約を入れてはいなかったけれど病院に電話して、診察していただきました。で、しばらく星状神経節ブロックによる治療を続けてみようということに…。前回診察していただいたときは、どちらかといえば五十肩の症状が出ていたということでしたが、今日、診察していただいたときは五十肩より肩の凝りによる痛みの方が強く出ているという感じで、症状の方も一定しない様子。困ったもんです。

宮沢章夫『「資本論」も読む』

年末から新年にかけていろんな本を読んだので、それらについて書きたいのですが、肩が痛くて、なかなかキーボードに向かうのがしんどいのが実情。そんななかで、宮沢章夫氏『「資本論」も読む』(WAVE出版)を読んでいます。『資本論』の解説やら経済学的な検討をしようというようなものではなく、劇作・演出家の宮沢氏が、ともかく「せめて『資本論』を読んでから死にたい」と、『資本論』(テキストとされているのは大月書店国民文庫版の邦訳)にチャレンジして悪戦苦闘されている様子をそのままエッセイとして連載されたもの。

しかし、『資本論』を茶化したりするようなのとはまったく違って、ともかく『資本論』を読んでみたいという高校生以来の「純粋野望」に突き動かされた真面目な格闘記。リンネルとは何か、エレとは何か、また、「舌」に関するマルクスの注へのこだわりなど、なるほど経済学者では思いつかないような、真剣な読みっぷりに感動すら覚えてきます。

中村政則『戦後史』(岩波新書)

並??政則『戦後史』

日本経済史の中村政則先生の最新著です。新書1冊で、激動の戦後60年を総まくりしようという、およそ類書のない大胆な著作です。

本書の構成は、以下の通り。

序 章 「戦後史」をどのように描くか
第1章 「戦後」の成立(1945?1960年)
第2章 「戦後」の基本的枠組みの定着(1960?1973年)
第3章 「戦後」のゆらぎ(1973?1990年)
第4章 「戦後」の終焉(1990?2000年)
終 章 新しい戦争の中で―「戦後」とは何だったのか

で、著者ご本人の説明によれば、本書の特徴は、<1>「貫戦史(Trans-war histry)」という方法と、<2>目次を見ても分かるように、1960年を画期として「戦後史」をとらえる「1960年体制」論、それに<3>文献資料や先行研究をベースにした叙述の合間合間に、著者の生活体験やら「聞き書き」などを挿入するという叙述スタイル、にあるそうです。

実際、研究蓄積という点では、いわゆる歴史学の分野にとどまらず、山のように先行研究があるわけで、それらをおさえつつも、60年の歴史を詳細に書き連ねるというのではなく、上記4つの時期区分(段階区分?)にそって、それぞれの時期の特徴を浮かび上がらせるようになっています。
続きを読む

この間買った本

備忘録です。まったく、ぐちゃぐちゃです。

  • 森本忠夫『マクロ経済学から見た太平洋戦争』(PHP新書、8月刊)
  • 森本忠夫『特攻 外道の統率と人間の条件』(光人社NF文庫、7月刊)
  • 藤田英典『義務教育を問い直す』(ちくま新書、8月刊)
  • 坪井秀人『戦争の記憶をさかのぼる』(ちくま新書、8月刊)
  • 阿部善雄『最後の「日本人」 朝河貫一の生涯』(岩波現代文庫、2004年7月刊)
  • 金東椿『近代のかげ 現代韓国社会論』(青木書店、9月刊)
  • 歴史学研究会編『歴史研究の現在と教科書問題 「つくる会」教科書を問う』(青木書店、8月刊)
  • マルクス『フランスの内乱/ゴータ綱領批判/時局論―インド・中国論<上>』(筑摩書房マルクス・コレクション第6巻、9月刊)
  • 内海愛子『戦後補償から考える日本とアジア』(山川出版社、日本史リブレット、2001年刊)
  • 小野善康『不況の経済学 甦るケインズ』(日本経済新聞社、1994年刊)
  • 野田正彰『この社会の歪みについて 自閉する青年、疲弊する大人』(ユビキタ・スタジオ発行、KTC中央出版発売、8月刊)
  • 山室信一『日露戦争の世紀 連鎖視点から見る日本と世界』(岩波新書、7月刊)
  • 小菅信子『戦後和解 日本は<過去>から解き放たれるのか』(中公新書、7月刊)
  • 山田文比古『フランスの外交力 自主独立の伝統と戦略』(集英社新書、9月刊)
  • 小林英夫『満鉄調査部 「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』(平凡社新書、9月刊)
  • 三浦展『下流社会 新たな階層集団の出現』(光文社新書、9月刊)
  • 中村政則『戦後史』(岩波新書、7月刊)
  • 保阪正康『あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書』(新潮新書、7月刊)
  • 加藤周一『二〇世紀の自画像』(ちくま新書、9月刊)
  • 稲葉振一郎『「資本」論 取引する身体/取引される身体』(ちくま新書、9月刊)
  • I・F・ストーン(内山敏訳)『秘史 朝鮮戦争』(青木書店、1966年=古本)
  • 安良城盛昭『歴史学における理論と実証 第1部 太閤検地論争を中心として』(御茶の水書房、1969年=古書)
  • 石母田正『古代末期政治序説』(未来社、1964年=古書)

問題は、どうやって効率よくこれらの本を読み終えるかということ。読んでみて役に立ちそうにないと思ったら、さっさとあきらめるしかなさそうです。(^_^;)
続きを読む

青年向けの講義はちょっと難しい

青年向けに、「科学的社会主義の世界観」についての講義をするということで、金曜日夜から伊東に出張。講義は土曜日午前中から約5時間。

実を言うと、せっかく伊東まで出かけるのだからと、講義が終わったあと一泊して温泉につかって、とたくらんだのですが、あいにくのお盆休みの週末。しかも1人で泊まれるところというのが、なかなかない。旅館などは、1人で泊まるとめちゃ高くなる…。ということで、温泉宿泊計画は失敗。すごすごと直帰してきました。(^_^;)
続きを読む

今日も

今日も印刷工場で仕事。順調にすすみ、夕方には無事終了。外へ出てみたらまだ明るい。あんまり久しぶりすぎて、こんな時間に仕事が終わっても、いったいどうしていいのかわからん…。う〜む (^_^;)

で、久しぶりに吉祥寺の南口駅前の博多ラーメン「味ごのみ」で、とんこつラーメンを食す。ここのとんこつは、博多風の細麺。博多ラーメンは、この細麺でやや固めにゆでるのだけれど、僕の好みは「柔らかめ」。それに味付け玉子をトッピングして、620円は十分お安いと思う。
続きを読む

あっちこっち

今日は、印刷工場で最後の作業。午後、ものすごい勢いで雨が降ったけれど、そのあとは蒸すばかり…。
夕方からは、週末の講義準備のため、職場に戻ってちょこっと作業。今回は、いままでの項目だけのレジュメをやめて、講義要綱をプリントして、それを読み上げながら講義をすすめていくことにしてみました。昔のように、古典の引用を並べて順次説明していく、というだけでは収まらなくなりつつあるので。また、なかなか講義を聴きながらノートがとれないという若い世代向けにサービス。で、準備してみると、A4で28ページになってしまった。はたして5時間で終わるだろうか…。
続きを読む

英BBCラジオ4の投票でマルクスが「最も偉大な哲学者」に

イギリスBBC放送のラジオ4の「In Our Time」という番組で、20人の哲学者のなかからリスナーの投票でマルクスが「最も偉大な哲学者」に選ばれた、とのことです。

BBC – Radio 4 – In Our Time – Greatest Philosopher – Karl Marx

続きを読む

永原慶二氏の歴史学をどう受け継ぐか

昨日、明治大学で開かれたシンポジウム「永原慶二氏の歴史学をどう受け継ぐか」に参加してきました。プログラムは以下の通り。司会は、池享氏。

  • 中村政則「趣旨説明」
  • 保立道久「永原慶二氏の歴史学」
  • 井原今朝男「永原慶二氏の荘園制論」
  • 池上裕子「永原慶二氏の大名領国制論」

1年前に永原先生が亡くなられてから、いろんなきっかけもあって、先生の本をいろいろ読みました。とくに、ちょうど『荘園』(1998年)を読み終えつつあったこともあって、あらためて先生の研究の視野の広さ、奥深さ、がっちりした理論的な組み立てなどを強く思っていたので、中村先生のご挨拶といい、そのあとの3人の報告といい、なるほどとと思う部分と、それから自分の気づいていなかった新しい問題を教えてもらったり、大変勉強になった研究会でした。

続きを読む

最近手に入れた本

新刊・古書とりまぜて。

  • 保住敏彦著『社会民主主義の源流』(世界書院、1992年)
  • 保住敏彦著『ドイツ社会主義の政治経済思想』(愛知大学国研叢書5、法律文化社刊、1993年)
  • 大野英二著『ドイツ金融史本成立史論』(有斐閣、1956年)
  • 大野英二著『ドイツ資本主義論』(未来社、1965年)
  • ハンス-ウルリヒ・ヴェーラー著/大野英二・肥前栄一訳『ドイツ帝国 1871-1918年』(未来社、1983年)
  • 浦部法穂著『憲法の本』(法学館憲法研究所双書、共栄書房、新刊)
  • 平野喜一郎編著『はじめて学ぶ経済学』(大月書店、新刊)
  • ルイス・アルチュセール著/西川長夫他訳『再生産について』(平凡社、新刊)

まだまだ他にもあるけれど、とりあえず大事そうなのはこんなところ。
続きを読む