今日は、永田町の星陵会館で開かれた「建国記念の日」反対2・11集会に参加してきました。といっても、大幅に遅刻し、吉田裕・一橋大教授の報告だけしか聞くことができませんでしたが…。
吉田さんは、小泉首相の靖国参拝やら麻生大臣の天皇参拝発言などがあり、また北朝鮮問題や反中・反韓感情をきっかけとした攻撃的なナショナリズムの広がりがみられるが、その一方で、伝統的な国家主義的なナショナリズムは明らかに退潮傾向にあり、靖国神社の崇敬奉賛会会員も減少傾向が止まらないこと、さらに、対アジア外交は袋小路に入ってしまうし、靖国神社や遊就館の特異な歴史観――アジア解放戦争だというだけでなく、対米戦争の結果まで否定してみせる歴史観――がアメリカやヨーロッパに知られるようになって欧米からも反発をまねき、「保守派」のなかにも分岐・対立が生まれるようになったこと、それがさらに皇室典範改正問題や改憲問題にもからんで、いまや靖国参拝問題は「保守派」の中での矛盾の焦点になっている、と指摘。
戦争体験世代が少なくなっている状況の下で、歴史学として、実際の戦争というものがどういうものだったのか、戦場の実相はどういうものだったのかを、たんなる戦史ではない形で、歴史学として取り上げる必要がある。戦争の加害・被害の問題もあるが、戦争責任の問題に戦後長く向き合ってこなかったことを含めて、戦争責任の問題を考えていく必要がある。皇室典範問題でも、ただ単に安定的な皇位継承か「伝統」かではなく、天皇制の存否を含め“王様は裸だと言う勇気”が求められるのではないか。青年との対話の経路をどうやってつくっていくか、などを提起されていました。
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