大瀧雅之『平成不況の本質』(岩波新書)。読み終わったけれど、感想を書いてなかったので、あらためて。
結論から言えば、本書はマルクス経済学とはまったく異なる立場からのものだけれども、「公正な所得配分」を実現することこそが、実は「経済効率の上昇の礎」となるという立場から、小泉首相以来の「構造改革」を真正面から批判したもの。
だから、「構造改革」路線、「格差と貧困」の拡大に反対だと思っている人はもちろん、「そうはいっても、企業が儲からなかったら、どうしようもないのだから、規制緩和・構造改革は仕方ない」と思っている人にも、ぜひ一度読んでもらいたい。