出張中に読み終えたもう1冊の本は、F・J・ニューマイヤー著『抗争する言語学』(岩波書店)です。1994年に邦訳初版が出て、最近2刷が刊行されました。この本は、チョムスキーの「生成文法」論を中軸にしながら、修辞学や文学・詩歌の音韻学、ソシュールなどの構造主義的言語学、またマルクス主義的言語学(こんなの、いまだにあるの?)、社会言語学などとの関係をまとめたものです。
月別アーカイブ: 2004年10月
莫言『赤い高粱』
出張2日目です。今日は、ずっと雨が降り続いて、建物の中に閉じ込められています。
昨日から読み始めた莫言の小説『赤い高粱』は、第1章を読み終えて、第2章の真ん中ぐらいにさしかかっています(もちろん、仕事をしながら、休憩どきや寝る前に読んでいるだけですが)。
「わたし」の父と祖父、祖母の話(これがちょうど日中戦争の頃)、そして祖父、祖母の若かったときの話を、「わたし」が故郷の昔話として語るという感じで、話がすすんでいきます。そして、その父が子どもの頃の話と、祖父、祖母が若かったときの話とが、一面の赤い高粱畑を舞台としながら、折り重なるように語られていくので、読んでいると不思議な感じがします。莫言の『赤い高粱』は、全部で5つの話からなる連作で、岩波現代文庫にはそのうち第1作と第2作が収められています。あとの3作についても読んでみたくなりました。
十六夜の月だったね、久しぶりだね、月見るなんて
仕事で、伊豆の山のなかに来ています。来るときは、本当に天気が良くて、湘南の海は真っ青でしたが、夕方、十六夜(いざよい)の月を見上げたら、すでに少し雲が出ていて、おぼろになっていました。
それにしても、山のなか故、ブロードバンドなどあるはずもなく、久しぶりにモデムでジコジコとインターネットに接続しています。しかし回線の状態が悪く28.8kしか出ません。遅っ!! ということで、あんまり書き込みもできないので早々に退散します。
ここまで来る電車のなかで、莫言『赤い高粱(こうりゃん)』(岩波現代文庫)を読み始めました。チャン・イーモー監督の映画「赤いコーリャン」の原作です。目下、中国小説が密やかなマイ・ブームです。
「君が代・日の丸」は強制でないことが望ましい 園遊会で異例の発言
28日の園遊会で、天皇が、東京の学校現場での「君が代・日の丸」問題について、「強制になるということがないのが望ましい」と発言。
これは、棋士の米長邦雄氏が東京都の教育委員であることを十分に承知した上で、天皇が声をかけ、それにたいし米長氏が「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と答えたのにたいする発言です。
これを天皇の政治への介入ととるか、はたまた、あまりにも目に余る強行ぶりに「宸襟を悩ませておられる」と受け取るのか…。米長氏の発言をそのまま受けて「がんばってください」などと言ったら、それこそ「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事」などという“過激”発言に「お墨付き」を与えたことになりかねないので、それを避けたということだけは確実に言えるでしょう。
いずれにしても、東京都のやり方が“誰がみたって”目に余るものであることだけは、いっそう明らかになった訳です。
池莉『ションヤンの酒家』(小学館文庫)
中国の作家・池莉の『ションヤンの酒家』(小学館文庫)を読みました。映画「ションヤンの酒家」の原作ですが、いわゆるノベライズではなく、ホントの原作(原題「生活秀」)です。
映画は見逃してしまったのですが、小説は非常に面白かったです。主人公・来双揚(ライ・ションヤン)は、映画だと30代になったばかりぐらいに見えますが、原作だと、もう少し年がいっているように感じます。そのションヤンが、妹や兄夫婦、甥っ子、父親などに悩まされながら、下町の屋台を切り盛りしている。そういう“いま”を生きる庶民の強かな暮らしが描かれています。
中越地震のこと
日記を書こうと思っても、やっぱりどうしても中越地震のことが気になってしまいます。
今日午前中には、東京でも感じる大きな余震がありました(震度6弱)。テレビでは、山古志村のリポートの最中に地震が起こった様子をくり返し流していましたが、地面に生えた草が、本当にビリビリと揺れていて、なるほど“地”震だと感心もしました。
とくに、信濃川沿いの土砂崩れに埋まった乗用車からの救出の様子は、時間をたつのも忘れて見入ってしまいました。3歳の男の子が助かったのは本当にうれしいかぎりですが、お母さんが亡くなられたことは、途中で3人とも生存かというニュースが流れていただけに、本当に残念でなりません。
それにしても、崩落現場で救助活動しているレスキュー隊の様子は、さすが“プロ集団”と思いました。人の背丈よりも大きい岩が不安定なかっこうで積み重なっているようなところでの作業は、まちがえば自分たちの命にもかかわる危険な作業です。実際、この作業の最中に震度4程度の地震も起きています。とても素人では手出しできるところではありません。
日本の地震対策は、「予知」に傾きすぎだということがよく言われます。東海沖地震をはじめとするプレート地震の「予知」が仮にできるようになったとしても、阪神大震災や今回のような直下で起こる断層型地震は予測不可能です。それだけに、最悪の地震が起きてしまったとして、どれだけ被害を小さくすることができるか、救出・救援あるいは消防、救急の体制にこそ力を注ぐべきではないでしょうか。高度な技術と資材を持ったレスキュー部隊は、もっと整備してほしいと思いました。
それにしても、今回の事故についていっても、もしもっと早く乗用車が埋まっているのが分かったら、どうしてもう一日早く分からなかったか、と思ってしまうのはやっぱり人情でしょう。被災地には、他にも崩落現場がたくさんあります。そこには、本当にクルマは埋まっていないのか、孤立した地域についても早く連絡を回復して、取り残された人が残っていないか、最後まで救出・救援に努めていただきたいと思ってしまいます。
いったいいつまで続けるのか…自衛隊艦船のインド洋派遣
政府が、自衛隊のインド洋派遣の6カ月延期を閣議決定。
無料で提供している燃料だって、国民の税金なんですからね。いったいいつまで続けるつもりなんでしょう。「なぜ協力するのか」という理由があいまいだから、こういう状況になったらやめるという基準もはっきりせず、だらだら続くのです。「テロ組織が壊滅するまで」なんて言ってたら、永遠に終わりません。
堤会長の指示を受けた
「インサイダー取引」疑惑が持ち上がっているコクドによる西武鉄道株売却ですが、辞任した西武鉄道前常務が「堤会長の命を受けて来た」と明言したそうです。
これによって、一連の株売却が堤会長の直接指示のもとにおこなわれた可能性が一段と強まりました。また、辞任記者会見の時には、堤会長は「約2週間前に知った」と話していましたが、ウソである可能性が出てきました。
今度は戸田直子さんからメールが来ました。
今度は、戸田直子さんからメールが来ました。
「お返事もらえるなんて思ってなかった」と書かれていますが、もちろん、こちらからメールなど送っていません。出会い系サイトにいろいろ書き込んでいる人なら、「あれ、こんな人送ったっけかな?」と思うかも知れませんが、それにしたって初回からこんな過激な中身じゃあ、怪しすぎます。(^^;)
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新潟中越地震の救援募金の呼びかけをしました
今日は、夕方、新宿駅東口で、新潟中越地震の被災者支援のための救援募金の活動に参加してきました。
人通りはたくさんですが、選挙の訴えでビラ配りをしてもなかなか受け取ってもらえない場所です。しかし、今日は、震災被災者支援の募金だということで、たくさんの人が協力してくださいました。いつもだと、共産党の訴えには立ち止まってもらえないような(?)サラリーマンの方が募金してくれたり、チャパツの男の子とミニスカ、ハイヒールの女の子のカップルが財布の小銭を全部入れてくれたり、いろんな人が協力してくれました。ありがとうございます。
それにしても、震災の状況は、なかなか深刻です。阪神大震災の時のように何千人もの犠牲者こそでていませんが、山崩れ、崖崩れで道路が寸断され、山間部の集落が孤立して、まだまだ支援が届いていないという被災者の方もたくさんいるに違いありません。阪神大震災のときの神戸も寒かったですが、秋から冬に向かう新潟の夜も相当冷えているようです。温かい食事に暖かい毛布、安心して休める場所の確保などとともに、子どものための粉ミルク、紙おむつも必要です。炊き出し部隊など、全国のボランティアが支援に入るためにも、交通路の確保・復旧も急がれます。少しずつ改善しているようですが、量ももっと必要だし、支援のスピードも必要です。
支援募金に協力してくださったみなさんの気持ちは、きっと現地にも伝えられると思います。これからもよろしくご協力ください。
日本フィルハーモニー第564回定期演奏会
金曜日、日本フィルハーモニー交響楽団の第546回定期演奏会に行ってきました(サントリーホール)。
プログラムは、以下の通りです。指揮は、下野竜也さんでした。
- 猿谷紀郎:潦(にわたずみ)の雫
- シューマン:交響曲第4番 ニ短調 作品120
- ウェーバー:劇音楽《トゥーランドット》作品37より 「中国風序曲」「行進曲」
- ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
最近の日フィルは、弦の響きがよくなっていて、今日も、とくに2曲目のシューマンの交響曲第4番がなかなか聴かせる演奏でした。4曲目のヒンデミットは、僕の好きな作曲家ですが、“本歌取り”の元歌であるウェーバーのトゥーランドットからの曲と並べての演奏と、プログラムもなかなか趣向が凝らされていて、楽しませてもらいました。
指揮の下野さんは1969年生まれの若手。ちっちゃい身体をいっぱいに使った精力的な指揮振りで、好演でした。演奏終了後も、なかなか御本人が中央に出ようとせず、オケのパートをたたせるなどするばかりで、最後に楽団員から催促もされてようやく指揮台にのぼってお辞儀をされると、大きな拍手を集めていました。
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米軍ヘリ墜落事故 後部ローター・ピンは正しく装着されていた?
沖縄・米軍ヘリ墜落事故での米軍の調査報告書が、事故原因を後部ローターの接続ピンの装着ミスとしていることにたいして、報告書の添付資料にピン装着を確認したとの整備要員の証言があると、岩国市議が指摘。
もしピンが正しく装着されていたとしたら、金属疲労によるピンの破損→墜落という可能性も出てきます。
在日米軍再編で詭弁
在日米軍基地再編問題で、とくに米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転について、19日、小泉首相が、安保条約第6条の極東条項にとらわれず、「世界の中の日米同盟」の観点で対処すると発言。安保条約と「日米同盟」との使い分けで、ごまかそうということです。
さらに政府は、21日になって統一見解を出しました。そこでは、米軍の再編は「現行の安保条約の枠内で行われることは当然」だと宣言、つまり「当然」なんだから問題など起こるはずがないということです。
こうやって問題そのものの存在を否定してしまえば、あとは「日米同盟」でなんとでも説明できる、というわけです。
<小泉首相>日米同盟、世界規模で 極東条項に柔軟姿勢(毎日新聞)
極東条項の解釈変更せず=米司令部の「座間」移転問題で見解 政府(時事通信)
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自民党憲法調査会、「戦力の保持」明記で一致
「戦力の保持」を憲法に明記したのでは、たんに「自衛隊の合憲性を明確にする」なんてもんじゃすまないでしょう。戦力は保持するが戦争は放棄するなどというのは、自衛隊の存在以上に「矛盾」です。つまるところ、戦力保持、戦争も放棄せず…ということになるのは必然です。
イーアクセス47Mに切り替えたのですが…
これまで、インターネットには、イー・アクセスの12Mコースで接続していました。しかし、いまキャンペーンで変更手数料が無料、NTT工事費はペイバックしてくれるというので、47Mへの変更を申し込みました。
で、昨日、新しいモデムが届いたので、さっそく付け替えてみました(回線速度は12Mのまま)。すると、これまで古いモデムで接続測度7000kbps(下り)をちょっと下回っていたのが、7300kbps程度にスピードアップ! やった?!と喜んでいたのですが、今日、正式に回線速度47Mに切り替わったら、接続測度は6750kbps(下り)にダウンしていました。(/_;)
しかし、体感的には前より確実にスピードアップしたように思えます。どうしてでしょうか?
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西武株、ワコールが買い戻し請求
コクドによる西武株売却に関連して、9月上旬に250万株を28億2000万円で購入していたワコールが、事前に「上場廃止基準に抵触しているといったことはいっさい聞いていなかった」として、買い戻しを請求。
ワコールも西武株250万株購入、コクドに買い戻し請求 NIKKEI NET
コクドが、問題発覚前に、堤会長先頭に西武株売却をすすめていたことは、「毎日」21日付が詳しく報道しています。
西武鉄道の株問題:株売却、8月の社内会議で決定 堤前会長も了承――コクド(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
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「英霊にこたえる会」が、靖国参拝違憲判決を下した裁判官に不当圧力
今年4月、小泉首相の靖国参拝訴訟で、「参拝は違憲」とする判決を下した福岡地裁の裁判官にたいして、「英霊にこたえる会」が裁判官弾劾を求める訴追請求状6千通余を提出しました。産経新聞は、「市民団体」という見出しを掲げていますが、「英霊にこたえる会」は市民団体などとは言えません。
しかしもし、個々の裁判の判決内容を理由に裁判官が訴追されるようになれば、裁判官は時々の政権に逆らう判決が下せなくなります。訴追委員会に持ち出されるというだけでも、相当な圧力になるでしょう。司法の独立と中立性を侵害する不当な圧力は絶対に許されません。
横浜ベイスターズの選手も…
横浜ベイスターズも、一場選手に現金を手渡していたことが明らかになりました。現金の授受は、巨人の不正が明らかになる前だということです。金額は20数万円と、巨人の200万円に比べると少額ですが、逆にいうと、この程度の現金授受は当たり前になっていたのかも知れません。
いきなり名乗られても…
いかにも、と言う感じの怪しいメールが来ました。出会い系サイトならともかく、いきなりこんなメールを送ってこられて、その気になる人っているんでしょうかねえ……。
ちなみにこの人、「谷口ゆみか」以外にも、いろいろ名前を持っているみたいです。(^^;)
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ヤフーBB、相変わらずのトラブル
最近は、駅前などでの派手な勧誘が減ったと思っていたら、今日の「東京新聞」に、ヤフーBBのADSL勧誘をめぐるトラブルが取り上げられていました。
中には、勧誘を断っていたにもかかわらず、一方的にモデムを送りつけたとか、モデムを送り返したにもかかわらず「別途、解約手続きがおこなわれていない」として利用料を請求する、など、相変わらずの手口と相変わらずのトラブル。この会社って、ホントに直らないですねえ…。
記事によれば、顧客対応窓口である「カスタマーサポートセンター」自体が外部委託業者であり、料金請求も外部委託業者だということで、いくらトラブルが発生してもヤフーBB本体はすこしも痛まない構造になっているようです。
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