日本経団連会長、消費税の基幹税化を主張

財界首脳の年頭メッセージ。日本経団連の奥田会長は、法人課税の制度整備、所得課税のフラット化と「消費税の基幹税化」を要求。教育基本法、憲法の「改正」なども求めています。

この間の所得税や法人税の減税(所得税は最高税率70%=86年=が37%に、法人税は基本税率42%=88年=が30%に)で、いまでも消費税の税収額(約13兆円)は法人税(約12兆円)を上回っています。これを基幹税化するという主張は、所得税のいっそうの「フラット化」と重ね合わせれば、消費税の大幅引上げ以外の何ものでもありません。低所得者への所得税課税を増やし(その一端は、定率減税の廃止として着手)、他方で消費税を大幅引上げする――文字通り、庶民に「広く、厚く」負担をかける酷税路線です。

日本経団連会長新年メッセージ(日本経団連)

関口裕子『日本古代家族史の研究』(途中経過)

関口裕子さんの『日本古代家族史の研究』、ようやく上巻の390ページあたりまで来ました。ようやく全体の3分の1を超えたあたりでしょうか。

少しずつ関口さんの考えていたことが見えてきました。

1つは、古代の家族が家父長制かどうかという議論以前の問題として、そもそも古代において「家族」が成立していたのかどうか、ということ。関口さんの考えだと、当時の婚姻形態は対偶婚なので、「家族」も共同生活が続く限りでしか存続しない。したがって、家族が「所有」や「経営」の主体になるということはありえない。そういうことになります。

なぜ班田収授法で、男女ともに、個人を単位として班田が給付されたのか? もし、永続的な家族が成立しているとしたら、仮に妻や娘が死んだからといって、班田が取り上げられるということがありうるのか? むしろ、そういう「家族」が成立していなかったからこそ、個人単位の給付になったのではないか?

関口さんは、実証的な論拠をたくさんあげておられますが、根本的には、上のような考え方があるのではないかと思います。従って、当然、当時の「戸籍」にのせられた郷戸は「作られたもの」ということになります。

また、家族を単位とした「所有」が成立していないから、当時の所有のあり方は、基本的に、用益している限りでの占有、ということになる、ということです。そういう点で、高群逸枝氏の研究とのつながりや、河音能平氏の『中世封建制成立史論』や戸田芳実氏の『日本領主制成立史の研究』などの参照が求められていることなどを興味深く感じています。
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