台風14号は、2時過ぎに長崎県諫早市付近に上陸。すでに宮崎県では、降り始めからの総雨量が1300ミリを超えたそうです。すでに年間総雨量に匹敵する雨。被害が広がらないか、心配です。
月別アーカイブ: 2005年9月
防衛庁、ハリケーン災害で自衛隊派遣の用意ありと米に伝達
防衛庁は意気込んで伝達したものの、アメリカからはまだ要請はないそうです。まあ、ず〜〜〜っと待ってても、要請はないでしょうが…。
自衛隊の災害派遣より、大型排水ポンプでも送った方がずっと喜ばれるでしょうねぇ。
韓国、イラク派遣軍の一部撤退か
韓国の聯合ニュースが、政府と与党がイラク派遣韓国軍の3分の1を撤退させることを検討していると報道したというニュース。
ホントは少ない日本の公務員
小泉首相は、郵政民営化で公務員を減らして「小さな政府」をつくる、と叫んでいますが、実は、日本の公務員というのは、主要国のなかでもずばぬけて少ないのです。
職員数(人口1000人当たり) | 人件費(GDP比) | |
---|---|---|
日本 | 35.1人 | 6.6% |
イギリス | 73.0人 | 7.6% |
フランス | 96.3人 | 13.7% |
アメリカ | 80.6人 | 10.1% |
ドイツ | 58.4人 | 7.9% |
職員数には、国・地方、政府企業、軍人・国防職員が含まれます。日本の公務員数は、アメリカ、イギリスの半分以下、フランスの約3分の1です。人件費も、アメリカの3分の2、フランスの半分。公務員の数を減らせば「小さな政府」ができるというのであれば、日本はすでに十分「小さな政府」だといえます。
このように日本の公務員が少ないのは、日本が本格的な軍隊をもっていないからであることは明らかでしょう。自衛官25.2万人、防衛庁2.4万人、合わせて27.6万人というのは、日本の国家公務員61.5万人のうちで一番多いものですが、それでも本格的な軍隊には比べようもありません。憲法9条は、「小さな国」づくりにも役だっているのです。
もちろん、現実には、公立学校での30人学級の実現や、地震など大規模災害のときのための消防署職員の充足(現在は、基準にたいし6万人の不足)、サービス残業や下請けいじめを摘発するための労働基準監督官(現在は、全国でたった2859人)や下請け代金検査官(同じく専任はわずか46人)の増員など、やるべきことはいっぱいあります。また、郵便局は公社になる前も後も、独立採算で人件費には1円の税金も使われていないのだから、郵政民営化すれば税金が節約できるかのような首相の言い分は真っ赤なウソ。
公務員が少なければ少ないほどいい、なんていう議論は、まったくデタラメです。
※関連エントリー
「ホントは重い日本の消費税」
「ホントは軽い日本の企業負担」
共産党員への賃金差別に賠償判決
静岡地裁が、スズキの社員が共産党員であることを理由に賃金・昇格差別を受けたとして同社を訴えていた裁判で、賃金差別を認定し、スズキに3522万円の是正判決を下しました。
雨、雨、雨…
昨日の夕方から、東京は物凄い雨に見舞われました。アパートの僕の部屋は、真ん前に自転車置き場があるのですが、その屋根に雨があたって、バラバラと大きな音がしていました。夜中に警報がでたり、都心ではマンションが水につかったり…。
朝になってからは少しおさまっていますが、それでもざあざあ降りに変わりはありません。雨が降ると電車が遅れるし、車内は混むし、ロクなことがありません。
と、新宿に到着したところ、新宿は夜中はともかく、朝は雨が降った様子がありません。道路も乾いています。う〜む
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ホントは重い日本の消費税
前出の経済産業省「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」(経済産業政策局長の私的勉強会)の資料には、こういうデータも出ています。
↓これは、各国の税収(国税+地方税)に占めるそれぞれの税収の割合を比べたものです。
税負担の内訳(国際比較)
個人所得課税 | 法人所得課税 | 消費課税 | 資産課税等 | |
---|---|---|---|---|
日本 | 29.1% | 20.6% | 33.2% | 17.0% |
イギリス | 36.4% | 11.4% | 38.3% | 13.9% |
ドイツ | 45.0% | 2.8% | 48.4% | 3.8% |
フランス | 27.9% | 12.0% | 39.9% | 20.2% |
スウェーデン | 45.4% | 8.1% | 36.1% | 10.3% |
イギリスの消費税の標準税率は17.5%。それに比べると、日本の5%は軽いと、一般には受け止められていると思います。しかし、消費課税が税収全体に占める割合でいえば、日本33.2%にたいし、イギリスは38.3%で、あまり変わりがありません。
なぜそうなるのか? その仕掛けは、イギリスの場合は広範な軽減税率が導入されているから。たとえば、食料品はほとんどゼロ税率だし、「子どもの成長には税金をかけない」と、15歳までは衣服・文具・遊具など非課税なのです。軽減税率制度がなく、非課税となるものもほとんどない日本の消費税は、標準税率だけでは比べられない“酷税”なのです。
ちなみに、経済産業省の「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」の資料は、こちらから。↓
経済産業省:経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会「中間論点整理」の公表について
「ホントは少ない日本の公務員」に続く…
ホントは軽い日本の企業負担
財界は、口を開くと二言目には、「企業負担を軽減してほしい」「法人税の実効税率を下げてほしい」と言うけれど、実は、日本の企業の税・社会保険料負担は、ヨーロッパに比べると軽いのです。
民主党、年金目的以外にも消費税増税を考えると
民主党の岡田代表が、年金目的の3%以外にも消費税増税の検討が必要だと発言。
もともと民主党の「財政再建プラン」によれば、第1改革期間(政権獲得から3?4年間)には年金目的に消費税3%引き上げ(これだけで7.5兆円の増税)に「控除(扶養・配偶者・配偶者特別)廃止」(これで約2兆円)、のあわせて9兆円以上の増税をやるとしています。さらに、第2改革期間には「税制の抜本的改革を行う」としており、しかもそのさい、「広く、公平に負担を求める」「経済活動・民間活動の拡大・促進に配慮する」としています。
「広く、公平に」というのは、消費税増税論がいつも持ち出す口実だし、「経済活動・民間活動」に配慮するというのは企業減税をすすめますということ。結局は、消費税を上げて、法人減税をやろうというのは、自民党も民主党も同じだということです。
もともと財界は、消費税16%に引き上げ、各種控除の廃止による課税ベースの拡大(低所得層への増税ということ)、法人税の大幅引き下げを主張(日本経団連「奥田ビジョン」)。自民党・公明党の「税制改正」方針も、民主党の「財政再建プラン」も、この財界要求にそったものであることは同じ。「郵政民営化」からすすめるか、「年金目的消費税」から入るか、増税路線への突っ込み方が違うだけではないでしょうか?
実施は数年先でも、07年には増税方針決定
2007年は消費税増税を含む抜本的な税制改革を決めるだけ、といっても、2008年か2009年には増税が実施されることには変わりなし。こんな子ども騙しの手に引っかかったら大変。
今週の「九条の会」(9月3日まで)
今週の各地の「九条の会」の活動を紹介したニュースを集めました。8月15日を前後した企画が終わったのか、それとも総選挙に突入したためか、ちょっとニュースが少なめです。
いただきました
昨年亡くなった恩師・佐々木潤之介の書き下ろし遺作、『江戸時代論』(吉川弘文館、9月刊)を、奥様からいただきました。病室にパソコンを持ち込んで、最後まで原稿を仕上げようとされていたものだそうです。元々は吉川弘文館の歴史文化ライブラリーの1冊として予定したものとのことですが、できあがった本はその3倍、400ページを超える分量もあります。
とりあえず目次だけ紹介すると、
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「何となくおかしい」…
作家の半藤一利さんが、今日の毎日新聞2面の「マニフェスト 私はこう思う」で、こんなことを書かれています。
小泉さんが続投すれば、11月には「自衛軍の保持」が盛り込まれた自民党憲法改正草案が正式に決まる。〔総選挙で自民党は〕郵政民営化以外は白紙委任だから、次は憲法の番ではないか。……靖国神社は国のために死んでくれる人を祭る場所。小泉さんのこだわりは軍隊を作った時、そういう場所がないと困るからじゃないか。
「何となくおかしい」という感じがある。太平洋戦争前に「米国との戦争」が声高に語られるようになった雰囲気を私はそう感じた。あまり類似点に固執すべきでないが、人間は往々にして同じことをやりかねない。(※〔〕内は引用者の補足)
「次は憲法の番ではないか」「靖国神社にこだわるのは、国のために死んでくれた人を祭る場所がないと困るからではないか」など、よく考えたいところですね。
ちなみに、同じ欄に、ふたたび佐伯啓思氏が登場。しかし、今日のコメントはどうにもよくありません。話の筋もよくわからないし…。
それより、ちょっと面白かったのは、社会部・花谷寿人記者の「発信箱」です。
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巨人戦中継されず
2日の広島・巨人戦(広島球場)を、フジテレビは生中継しませんでした。曰く、「レギュラー番組のニーズが高い」「5位6位の対戦でペナントレースに影響ない」とのこと。とりあえず、フジテレビに拍手喝采!
携帯通話記録の不正入手で創価学会を提訴
ジャーナリストの乙骨正生さんが、携帯電話の通話記録不正入手事件で、NTTドコモ関連会社の元社員と元創価大職員の男性2人と創価大、創価学会、NTTドコモを相手取り慰謝料を求めて提訴。男性2人については、すでに電気通信事業法違反で有罪が確定している。
まつもと泉、復活へ!
80年代に「きまぐれオレンジ★ロード」で一世を風靡した漫画家の まつもと泉さんが、近々復活か!?
体調不良で6年前から休筆状態でしたが、それが「脳脊髄液減少症」という難病であったことが判明。半分程度、体調が回復したとのこと。楽しみですね?
懲りない面々
「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校教科書の採択率は、歴史教科書が0.43%、公民教科書が0.21%に終わりました。実数で言うと、歴史が77校5080冊、公民が42校2560冊。普通なら、絶対に採算割れです。
ところで「つくる会」は、4年後は地理の教科書もつくると発表。さらに、国語や家庭科もつくりたいと考えているらしい。
地理の教科書って、まさか朝鮮半島や旧「満州」を真っ赤に塗った地図をつくるつもり? あるいは、ごく普通の地理教科書をつくって、まっとうな教科書会社としての認知をえようという作戦か。家庭科教科書は、ジェンダーフリーを目の敵にして、ニッポン男児と大和撫子・良妻賢母の役割を強調する教科書をつくるつもりなんでしょうねぇ。あ〜、うざったい…
米ハリケーン被害、遅れる救援
アメリカのハリケーン被害。どうみたって行政の救援活動の立ち遅れは明らかです。まあ規模が違うという問題はありますが、州兵が出動しても、別に救援活動をやる訳じゃなく、装甲車に乗って銃を構えているだけのようです。軍隊だとはいっても、実際には災害救援で活躍してきた自衛隊と、ホンモノの軍隊ではだいぶ様子が違うみたいですね。
毎日新聞は、「海外には軍を出すのに、ここには出せないのか」という不満が出ていると伝えていますが、もっともな話。
ブッシュ大統領が各国からの支援を歓迎しているというのですから、このさい、自衛隊を災害救援活動に派遣したらどうでしょうか? サマワの水道部隊を回すとか…。さぞかし感謝されるに違いありません。(^^;)
貧困率の高い国――日本
日刊ゲンダイが、「日本で確実に進行中 階級社会の恐怖」という記事を載せています。
その中で紹介されている経済開発協力機構(OECD)のリポートは、これ。→“Income Distribution and Poverty in OECD Countries in the Second Half of the 1990s”(Michael Förster and Marco Mira d’Ercole, 18-Feb-2005)(pdfファイルがひらきます)
このリポートでは、国際比較でよく使われる基準、つまり可処分所得の中央値の50%以下の所得しかない人の割合を「貧困率」として、OECD27カ国の数値を計算。OECD平均は10.4%で、日本は15.3%。メキシコ(20.3%)、アメリカ(17.1%)、トルコ(15.9%)、アイルランド(15.4%)に次ぐ第5位。反対に、最も低いのはデンマーク4.3%、チェコ4.3%、スウェーデン5.3%、ルクセンブルク5.5%など。(数値は、1999年もしくは2000年、国によっては2001年などの値の場合もある) 日本は、90年代後半に、貧困率が1.6ポイント拡大したとも指摘されています。OECD全体では平均で0.5ポイント拡大だから、日本は、貧困率が高いだけでなく、貧困率拡大の割合も大きいということです。
OECD資料で興味深いのは、年齢別の貧困率も出しているところ。 それを見ると、日本は若年層と高齢者で貧困率がぐっと高くなっています。
ちなみに日刊ゲンダイの記事は、落ちこぼれたくなかったら、親は無理やりでも子どもを勉強させるべきだという結論になっています。教育に熱を入れること自体は悪いことではありませんが、ネオ階級社会をもたらしている小泉「構造改革」そのものをやめさせ、日本の政治の方向を大もとから切り替えることが一番大事だと思います。
舘野泉さんの手記
ピアニストの舘野泉さんが共産党の「しんぶん赤旗」に手記を連載されています(初回7月28日、毎週木曜日掲載、これまでに6回掲載)。
「輝く音を求めて」というこの手記は、2002年1月に脳溢血で倒れたときに「騒然となった会場の雰囲気は良く覚えている」という話から始まり、意識が戻ったとき、声も出ない、身体も動かない、しかし頭の中では「フランスの作曲家、デオダ・ド・セヴラックの曲」が鳴り続けていたこと、記憶力も打撃を受け、「世の中とは断絶して、ただ自分をどうにか支えていくのに精一杯であった」と、率直に書かれています。
さらに、退院してから2度目にやってきた医師が、興味なさそうに塗り薬を出したのに「はらわたが煮えくりかえって、薬は使いもせず捨ててしまった」という話や、いろいろの人から見舞いをうけ、うれしいと思う半面、「これでピアニストとしての彼の人生も終わりだなと思う気持ちが見えてつらかった」ことまで、かなりあからさまに書かれてもいます。しかし、それが本当に正直な気持ちだったのだろうと思います。8月に地元の音楽祭の最終日に、飛び入り出演でピアノを弾いたこと、そのとき「聴衆は水を打ったように静まりかえり、すすり泣きの声も漏れてきた」こと、そして「人前で弾くのはこれが最後だなと思った」と言う話は、今だからこそそんなこともあったのかと思って読めますが、その時は、聴衆にとっても本当にこれが最後だと思えるつらい出来事だったに違いありません。
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