韓国で、1973年の金大中拉致事件にかんする外交文書が公開されました。
金大中事件というのは、1973年8月8日に、韓国の中央情報部(KCIA)によって都内のホテルから金大中氏が白昼連れ去られた事件。金大中氏は、1971年の大統領選挙で、当時の朴正熙大統領に97万票差に迫り、民主化運動のリーダー的存在でした。その金大中氏を暗殺しようと拉致したが、米政府の介入などで、金大中氏は暗殺を免れ、ソウルの自宅に軟禁されることになりました。
このとき、都内ホテルでは、金東雲1等書記官の指紋が発見され、韓国政府による日本の国家主権侵害であることが明らかであったにもかかわらず、結局、うやむやのままに政治的決着が図られました。
今回発表された資料では、当時の田中角栄首相が、そもそも金大中氏には政治的センスがないとか、「これで終わりにしよう」などと発言し、すすんで政治的に蓋をしたことを明らかにしています。