国会図書館が、自民党の独法化案に反論

自民党の行政改革推進本部が、国立国会図書館の独立行政法人化を提言したことに対し、国会図書館が記者会見し「国立国会図書館の役割について」と題する資料を配付。

まあ、自民党の国会議員のみなさんは、国会図書館で調査なんかしないのかも知れませんが、国会図書館は、たんなるでかい図書館ではありません。

まず、国会図書館法により、日本国内における出版物は必ず国会図書館に納入されなければならないことになっています(第25条)。何十年も立ってから、古い文献や資料を探したり、学術書ばかりか、一般雑誌などから社会動向を調べたりできるのも、こうした法律的な裏づけがあるからこそ。こうした役割を果たしうる図書館は、全国数多しといえども、国立国会図書館以外にはありません。独法化でそうした機能が失われるようなことは、絶対にあってはなりません。

また、国会図書館は、独自の調査機能をもっています。それは、国会議員の立法活動、政策活動を支える大切な物質的条件の1つでもあります。自民党が国会図書館の独法化を持ち出すなどと言うのは、自分で自分の足下を切り崩すようなものだと言わなければなりません(自民党議員は、役所に電話して「資料持ってこい」と言って、用を済ませてるのかも知れませんが、それでは本当に官僚から独立した国会議員の活動など保証されません)。

独立行政法人化に懸念表明、国会図書館が異例の反応(読売新聞 2/10)
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『世界』3月号 特集「景気の上昇をどう見るか」

雑誌『世界』3月号が、「景気の上昇をどう見るか――格差拡大の中で」という特集を組んでいます。中身は以下の通り、なかなか読み応えがありました。

  • 高杉良・佐高信:対談 偽りの改革とメディアの責任を問う
  • 丹羽宇一郎:インタビュー 「第二の踊り場」に来た日本経済
  • 橘木俊詔:格差拡大が歪める日本の人的資源
  • 高橋伸彰:「景気回復劇」の舞台裏で――何が回復したのか
  • 山家悠紀夫:「実感なき景気回復」を読み解く
  • 町田徹:小泉改革が煽る「独占の波」
  • 藤田和恵:ルポ 郵政民営化の大合唱の陰で――郵便局の労働現場はいま

この中で一番面白かったのは、伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎氏へのインタビュー。日本経済の現状について、丹羽氏は次のように指摘。

 日本経済の現状についてですが、私は「一段高い踊り場に来ている」と思います。「踊り場を脱したのか脱しないのか」という議論がありますけれども、過去の低いところの踊り場は脱しているだろう、しかしその原因はエネルギー価格の高騰、素材関係の高騰という風が中国を発信源として吹いてきたということで、本当に日本経済が力強い回復を開始し始めたというとやや疑問です。……そして、日本経済の先行きについて、やや疑問になる点も出てきました。

その疑問点というのは、貿易収支に翳りがでるのではないか、ということ。国民経済論では、S(貯蓄)-I(投資)=X(貿易収支)という恒等式がありますが、この間、日本の貯蓄率は低下(1991年に15%だったものが、2005年は8%、2010年には3%になるといわれている)。そうなると、恒等式から貿易収支が縮小することになる、というのです。

そこで丹羽氏は、「経済成長を2%から2.5%の範囲で維持するためには、国内の消費を増やさないといけない」と主張。日本経済がいまの「踊り場」を脱却するためには、「輸出の減少を国内の消費で埋めていかなければならない」と指摘されています。

さらに格差拡大の問題について、丹羽氏は、財務省の法人企業統計調査データにもとづいて、次のように主張されています。

これでみると、過去10年間の法人企業従業員1人当たりの給与所得はどうか。中小企業・零細企業というのは、資本金1億円以下の企業です。この人たちの平均給与が過去10年間で、16%下がった。資本金が1億円から10億円の間の中堅企業の平均給与は、9%下がりました。そして、資本金10億円以上の大企業の人たちの給与は1%上がりました。内閣府はジニ係数を使って実態は変わっていないといっているけれど、この財務省の調査データをどうみるか。日本は、中小企業・零細企業が、全法人企業従業員の70%を占めている。そこが16%も下がっているんですよ。私が言いたいのは、貧富の差が拡大にしているとうことです。

その上で、丹羽氏は、アメリカのような弱肉強食の社会が「果たして、日本を本当に強くするのか」が問われていると指摘。安定した中間層の存在が、良質の労働者、欠陥品の少ない商品をつくり、高い技術を共有し、理解度が高く、倫理感の強い人たちが日本社会を支えてきたのではないかと問いかけ、「踊り場」ということばの中には、この日本の国をどうするのか、それを「所得の再配分である税体系、税制をどうするかによって決めていかなければなりません」、そういう選択の意味も込められていると述べています。
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上場企業の経常益7%増、約27兆円

日経新聞の調査によると、上場企業1592社の2006年3月期連結経常利益は前期比7%増で、3期連続で過去最高を更新することが確実になったそうです。

上場企業の連結業績動向(「日経」2月11日付)
(単位億円、カッコ内は前期比増減率、%)

●全産業(1592社)

売上高 経常利益 純利益
2004/3 3,751,762(2.5) 199,640(29.0)  96,848(106.3)
2005/3 3,992,766(6.4) 251,595(26.0) 123,290( 27.3)
2006/3(予) 4,236,934(6.1) 269,938( 7.3) 147,296( 19.5)

●製造業(948社)

2004/3 2,322,244(3.4) 125,035(33.9) 60,917( 77.3)
2005/3 2,477,366(6.7) 155,526(24.4) 80,305( 31.8)
2006/3(予) 2,648,226(6.9) 172,381(10.8) 95,668( 19.1)

●非製造業(644社)

2004/3 1,429,518(1.2) 74,604(21.5) 35,930(185.5)
2005/3 1,515,399(6.0) 96,068(28.8) 42,985( 19.6)
2006/3(予) 1,588,708(4.8) 97,556( 1.5) 51,627( 20.1)

(注)対象は上場企業の3月本決算会社。新興市場、金融、決算期変更会社、親会社が上場している上場子会社は除いた。連結決算を作成しない企業は単独決算を集計に加えた。

上場企業の今3月期、経常益7%増に(日経新聞 2/11)
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小泉内閣支持率、急落

各種世論調査で、小泉内閣の支持率が低下。

内閣支持率:4ポイント下落、48%に 本社世論調査(毎日新聞 2/12)
内閣支持率45%に急落、不支持増え43%・本社世論調査(日経新聞 2/6)
内閣支持率45%に低下 本社世論調査(朝日新聞 1/31)
内閣支持率、9ポイント近く急落(TBSニュース 2/6)
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