キャリア官僚は天下りして生涯給与8億円

今日の「しんぶん赤旗」で、防衛施設庁発注工事の官製談合問題に関連して、高級官僚の「天下り」の問題が大きく取り上げられています。

そのなかで、ジャーナリストの堤和馬氏が、官僚トップのいわゆる「キャリア組」が「天下り」で8億円、あるいは6億、7億円の生涯給与を手にしている実態を紹介しています。

 2%程度のキャリア官僚(大卒I種試験採用者)は、同期から官僚トップの事務次官が出れば、みな役所を退職する慣習を半世紀も守っています。そして次々と天下りを繰り返し、70歳ごろに勲章を授与されます。
 報酬も相当なものです。事務次官まで出世し、その後20年も天下り人生を送れば、生涯給与は8億円というのが相場です。局長クラスでも、退官し、3つ、4つの法人を「渡り鳥」すれば、6億から7億円です。大卒で民間企業に定年まで勤めても3億円程度でしょう。(「しんぶん赤旗」2006年2月16日付)

官庁の談合問題は、こうした一部特権官僚の「天下り」問題にメスを入れない限りなくならないのは当然ですね。

「象徴的貧困」

「朝日新聞」14日付夕刊の文化欄「思想の言葉で読む21世紀論」が、「象徴的貧困」というテーマを取り上げています(担当、志水克雄・編集委員)。

「象徴的貧困」とはどういうことか。「朝日」の記事は次のように説明しています

 情報やイメージ、映像が溢れる現代の社会で、人々の関心や話題がひとつの極に向かっていく奇妙な現象がみられる。どのメディアでも同じ人物がもてはやされ、時には嵐のようにバッシングを浴びる。社会全体の空気も特定の方向に傾きがちだ。
 「メディアの多様化と逆に、人間の精神面では画一化が進んでいる」と見るメディア学者の石田英敬氏(東京大教授)は「背景には、情報が増えすぎたために、象徴的貧困化が深刻になっているという問題がある」と指摘する。

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 「象徴的貧困」とは、過剰な情報やイメージを消化しきれない人間が、貧しい判断力や想像力しか手にできなくなった状態を指すという。
 フランスの哲学者ベルナール・スティグレールが使い始めた言葉で、「メディアがつくりだす気分に人々が動かされがちな日本の現実にこそふさわしい」と石田氏が訳語を考えた。(「朝日」夕刊から)

メディアが多様化しているにもかかわらず「象徴的貧困化」が進むのはなぜか。それは、「どのメディアも同じ数量化された商業主義的な枠組みで情報を扱っている」(「朝日」夕刊から)から。「メディアの多様化と言われているのは、実は偽りの多様化にすぎない」(同前)。
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