見たい見たいと思っていた写真展「VIET NAM ベトナム―そこは、戦場だった。」を、最終日になってようやく恵比寿の東京都写真美術館に出かけ、見てきました。
この写真展の特徴は、米軍に従って南側から入り込んだカメラマンたちが撮った写真とともに、北ベトナム側の写真が一緒に展示されていること。北の写真には、いかにも「社会主義」の宣伝用というものも並んでいますが、しかし、ある写真では、米軍の爆撃でハイフォン市の労働者街が灰燼に帰した様子が映されていましたが、その中で、瓦礫の中から顔や手、脚だけが、破壊された壁や屋根と同じ無機物であるかのように見えているのに、思わず立ち止まってしまいました。
最終日だったからなのか、それとも日曜日だったからなのか、会場はけっこう混み合っていました。そのなかで、年配のお客さんが多かったことが意外でした。それも、ベトナム反戦デモなどをやっていた“団塊の世代”よりもさらに上の世代――60代とか70代、あるいはそれ以上と思われる人が目立ちました。その中でも、杖をついたり、腰の曲がったお婆さんが食い入るように写真を眺め、解説を読み、年表に見入っていらっしゃるのが、とても印象的でした。
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