愛媛県の水産高校の実習船「えひめ丸」が米軍原潜グリーンビルに衝突され沈没した事故から5年。最近、出版された『えひめ丸事件』(ピーター・アーリンダー著、薄井雅子・翻訳共著、新日本出版社)については、このブログでも前に紹介しましたが、今朝の「東京新聞」の「こちら特報部」で大きく取り上げられています。
月別アーカイブ: 2006年2月
ムハンマド風刺画問題
デンマークの新聞が、イスラム教の予言者ムハンマドの風刺画を掲載した問題について、ヨーロッパのメディアの立場を紹介する形で、「言論の自由」の問題だとする報道が目立っています。
しかし、数日前のテレビで紹介していたのですが、最初にムハンマドを風刺するマンガを書いた作者が「拒否すると、『言論の自己規制に加担するのか』と詰め寄られたので、仕方なく書いた」という趣旨の発言をしていることが紹介されていました(記憶モード。インターネットを検索した限りで、それに類するニュースソースは発見できていない)。
もしこれが本当だとすれば、そもそも問題の発端からして「言論の自由」といえるような問題でないことになります。いやがる画家に無理やり風刺画を描かせるのが「報道の自由」でないことは明らかだからです。
もしこれがヒトラーを美化する風刺画ならどうだったでしょうか? デンマークの新聞は、「ヒトラーを自由に論じる雰囲気が抑圧されている。言論の自己検閲を打破するために、この風刺画を掲載する」といって、ヒトラー賛美のイラストを掲載したでしょうか? いや、そもそもそんなこと考えもしなかったでしょう。
大使館への放火など、イスラム圏で起こっている事件には賛成できませんが、だからといって「言論の自由」の面からのみ、この問題を論じるやり方には“胡散臭さ”を感じざるをえません。
なお、この問題では、こちらのブログがヨーロッパの動きを詳しく紹介しています。
→小林恭子の英国メディア・ウオッチ
横浜事件再審、「免訴」の判決
横浜事件の再審・横浜地裁は、9日、被告遺族に「免訴」の判決を申し渡しました。
「免訴」とは、検察官の公訴権がないことを理由に犯罪事実があったかどうかの判断そのものをおこなわず、裁判手続きを打ち切るもの。つまり、いったん治安維持法違反の「有罪」とされた犯罪事実が取調官の拷問による嘘の自白にもとづく嘘の「事実」であった、つまり、犯罪事実はなかったという判断を、横浜地裁は下さなかった、のです。
もともとこの再審自体が、「無罪を言い渡すべき新証拠がある」(東京高裁)として始まったもの。裁判官は独立して判決を下すとはいえ、司法としての責任を放棄したもので、残念でなりません。
今週の「九条の会」(2月9日まで)
全国各地の「九条の会」の活動を紹介したニュースをクリッピングしました。他にももっとあると思いますが、インターネットで拾えたものを紹介します。
BSE、アメリカって何も検査してないのでは?
米国産牛肉の輸入再開でいろいろ条件を取り決めてみたかも知れないけれど、要するに、アメリカでは、BSEについてまともに検査するつもりがないのでは?
20年後、30年後にアメリカでヤコブ病が蔓延しても関係ないけれど、それを日本に押しつけるのはやめてほしい。
罰金が軽すぎない?
インサイダー取引は、「刑事告発が必要なほど悪質ではない違反行為」なんでしょうか?
ばれても、インサイダー情報で儲けた分だけ課徴金として払えば許されるなら、インサイダー取引は“やり得”ということになってしまうと思うのだけれど…。
憲法9条を捨てていいのか 「九条の会・中野」設立1周年記念講演会
3月10日、東京・中野区の「九条の会・中野」の設立1周年の記念講演会が開かれます。作家の澤地久枝さん、一橋大学教授の渡辺治さんが講演します。会場は、なかのZEROの大ホール。ぜひご参加を。
「九条の会・中野」設立1周年記念講演会
- 日時
- 3月10日(金) 午後6時会場、6時半開会
- 会場
- なかのZERO 大ホール(JR中野駅南口下車、線路沿いに新宿方向へ徒歩約5分)
- 講演
- 澤地久枝さん(作家):私が生きた「昭和」
渡辺 治さん(一橋大学教授):平和・人権の憲法が危ない - オープニングショー&総合司会
- 新谷のり子さん(歌手)
- 主催
- 九条の会・中野、3・10澤地久枝・渡辺治講演会実行委員会
- 入場料
- 1000円
チケット申し込みは「九条の会・中野」事務局まで。チケットぴあでも取扱中 - 連絡・問い合わせ先
- 「九条の会・中野」事務局(電話:03-3382-1936 FAX:03-3382-2149)
→「九条の会・中野」のホームページ
1周年記念行事のご案内
トヨタ 純利益1兆3000億円
トヨタ自動車は、2006年3月期連結業績で、最終的なもうけを示す純利益が前期比11%増の1兆3000億円となる見込み。3年連続で1兆円を超えることに。
11万アクセスを超えました
昨日遅く、11万アクセスを突破しました。
10万アクセスを超えたと大喜びしたのは1月3日。ということで、1万アクセスに約35日間かかった計算になります。平均だと、1日300をちょっと下回るあたりでしょうか。
五十肩と腰痛で満身創痍の状態で、満足に更新ができないでいますが、引き続きよろしくお願いします。m(_’_)m
何も分かってない…
小泉内閣が、「格差社会」「勝ち組・負け組」論で、新たに「待ち組」なる造語を持ち出しています。曰く、ニートやフリーターは何もしないで様子をうかがっているだけの「待ち組」だというのです。
あれこれ言ってますが、要するにニートやフリーターは本人の怠惰が原因だということ。しかし、就職しようと思っても、業務請負という名前で、実際には、昔の“立ちんぼ”のように毎日毎日違った仕事にかり出されるしかない青年たちは、はたして「待ち組」なんだろうか? 仕事があったと思っても、毎日夜中までサービス残業させられ、仕方なく仕事を辞めてアルバイトで暮らしている青年は「待ち組」なんだろうか? そんな現実を、若者自身の責任にするとは、国民の痛みは何も分かってない、としか言いようがありません。
都留重人氏、死去
経済学者の都留重人氏が死去。
高校生の時、経済学に興味を持って初めて読んだ本の1つが都留重人氏の『経済学はむずかしくない』(講談社現代新書、初版1964年、第2版1981年、現在絶版)だったと思います。他に伊東光晴『ケインズ』(岩波新書)などを読んで、こういう経済学を勉強しようと、母校の経済学部を受験しました。
でも、合格してみると、都留重人氏は学長を務めたあと退職されており、伊東光晴氏も他大学へゆかれていて、希望していたような経済学を講義する先生は誰もいない…。ということで、呆然としてしまったことを思い出します。
晩年は経済学だけでなく、日米安保体制、憲法問題など積極的に発言されていたのが印象的でした。
またまた雪です
昨日夜から降りだした雪ですが、朝にはけっこう積もっていました。
米軍、マリアナ諸島に自衛隊と共同訓練できる施設を整備する構え
米軍が、沖縄の海兵隊のグアムへの移転に関連して、マリアナ諸島に訓練施設を整備し、自衛隊と共同訓練をやる構想を進めているとのニュース。
確かに今も、沖縄で自衛隊と米海兵隊の訓練はやられてますが、海外の米軍施設で日常的に共同訓練をやるとなると話は別。しかも、訓練の相手は、米軍の海外侵攻作戦の先頭をきる海兵隊。自衛隊にも、海兵隊と同様の侵攻作戦をやらせようという計画はまっぴらご免です。
書庫拝見
本日、あるお方の新築された書庫を拝見する機会を得ました。
白木の香りも新しい書棚に整然と配列された本を見せていただきましたが、マルクス、エンゲルス、レーニンなどの著作や『資本論』草稿、新MEGAなどとともに、自然科学、小説、マンガまで、ずらり並んだ様子に圧倒されました。僕なんか、狭い部屋のスチール書架に、前後2列に(一部はその上の空間にも)本を並べて、前の本をどけないと後ろに何が並んでいるかも分からないような状況とは違って、各棚に1列ずつ本が並んでいるのは、やはり使いやすい、と、ごく当たり前のことに感動しました。(^^;)
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金大中事件、幕引き図った田中首相
韓国で、1973年の金大中拉致事件にかんする外交文書が公開されました。
金大中事件というのは、1973年8月8日に、韓国の中央情報部(KCIA)によって都内のホテルから金大中氏が白昼連れ去られた事件。金大中氏は、1971年の大統領選挙で、当時の朴正熙大統領に97万票差に迫り、民主化運動のリーダー的存在でした。その金大中氏を暗殺しようと拉致したが、米政府の介入などで、金大中氏は暗殺を免れ、ソウルの自宅に軟禁されることになりました。
このとき、都内ホテルでは、金東雲1等書記官の指紋が発見され、韓国政府による日本の国家主権侵害であることが明らかであったにもかかわらず、結局、うやむやのままに政治的決着が図られました。
今回発表された資料では、当時の田中角栄首相が、そもそも金大中氏には政治的センスがないとか、「これで終わりにしよう」などと発言し、すすんで政治的に蓋をしたことを明らかにしています。
風の谷のナウシカ
テレビで宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」を見ました。学生の頃に20数回も見て、すべてのシーン、すべてのセリフを覚えてしまったほどで、若気の至りで、ナウシカ論なるものを本気で書いたこともありました。(^^;)
しかし、今回あらためてテレビで見て、学生の時のような“感動”を覚えないことに、ちょっと驚きました。
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米国防総省、4年ごとの国防計画見直しを発表
米国防総省が、4年ごとに公表している「国防計画見直し」を発表。対テロに限定せず、「長期戦争」を想定。海軍の比重を太平洋にシフトさせることを明らかにしています。
米国防報告、対テロは「長期戦争」 海軍、太平洋に比重(朝日新聞)
国防計画見直し/米、太平洋の戦力増強(日経新聞 2/4夕刊)
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「えひめ丸事件」とは何だったのか
『えひめ丸事件』(新日本出版社)を読み終えました。というか、ずっと前に読み終えていたのですが、いろんな思いが僕の中で渦巻いて、なかなかブログに感想を書き込めないでいました。でも読んでいていちばん強く思ったのは、この本を読んで初めて、「えひめ丸事件」がどういう事件だったか分かった、ということです。この本がなかったら、「えひめ丸事件」の真相を知らないままだったのではないかと思えるほどです。
米軍による事件・事故は、この間の横須賀の事件、八王子のひき逃げ事故など、いろいろありますが、しかし、えひめ丸事件は、訓練とはいえ米軍の正規の作戦行動中に引き起こされた事故だという点で、はるかに重大な意味を持っています。
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角度を変えてみれば
『SPA!』1月31日号の「ニュース・コンビニエンス」で、政治評論家の有馬晴海氏が、「共産党・不破議長の勇退」を第4位にあげ、次のように書かれています。
共産党にあって自衛隊、象徴天皇制を容認する柔軟路線を進め、現書記長の志位氏もその路線をいく。以前、私はもっと現実路線をとらないと「国民がついてこない」と志位氏に申し上げたこともあるが、だからこそ約500万人がついていくとも言える。今の衆院議員は自民296人、共産9人だが、得票数に応じれば自民168人、共産31人になる。政権に程遠いには違いないが、別の角度から見れば意義がみえる。
共産党が自衛隊容認、象徴天皇制容認かどうか、それから志位氏は「書記長」ではなく幹部会委員長だということは別にして、共産党が約500万の得票をもっていること、そして小選挙区制でなく得票に比例した議席配分をすれば自民党の約5分の1の議席を得るだけの“実力”をもっていることに注目されたのは、卓見というべきでしょう。
社民党、自衛隊「違憲状態」と明記
社民党が、今月採択する「社会民主党宣言」で、自衛隊について「現状、明らかに違憲状態にある」と明記することが明らかになりました。
1994年に村山内閣の誕生にさいして自衛隊「合憲」と認めたのですが、今回の転換は、その後「自衛のための必要最小限度」を超えた、というもので、村山内閣当時の方針転換が間違っていたというものではないらしい。