「公の私化」の始まり?

今日の「朝日新聞」15面は「靖国参拝『心の問題』か」と題して、首相の憲法観の是非を取り上げて論じています。

その中に、憲法学者の樋口陽一氏の長い談話が載っています。これが、なかなか一読の価値ありです。まず樋口氏は、次のように、小泉首相の主張が筋の通らないものであることを指摘しておられます。

 小泉首相は、総裁選挙に立候補する時から靖国神社に参拝することを公約に掲げ、靖国参拝を政治の問題としてあえて提起した。その人物が、憲法19条〔思想・良心の自由を保障した条項――引用者〕を取りあげて、一般私人に「『心の自由」』があるのなら総理大臣にも同じように「心の自由」があるという論理を展開するのは真意をはかりかねる。

「真意をはかりかねる」というのは、研究者らしい婉曲な表現で、ストレートに言えば、「筋が通らない」ということで、まったくその通りです。
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韓国・盧武鉉大統領の3・1演説

韓国・盧武鉉大統領が、3・1独立運動記念日におこなった演説の全文が、駐日韓国大使館のホームページに掲載されています。

小泉首相が靖国参拝は「心の問題」と主張していることに対して、「国家指導者の言葉と行動の意味は、当事者自身の釈明によってではなく、その行為が帯びる客観的性格によって評価されるもの」「国家指導者の行為は、人類普遍の良心と歴史の経験に鑑みて、はたして相応しいものであるかを基準に評価される」と指摘しているのは、まったく道理にかなった指摘だと思います。

第87周年3・1節 盧武鉉大統領記念辞
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「つくる会」の奇々怪々(続報)

日日不穏日記 – またも<つくる会>をめぐる混乱からTBをいただき、教えていただいた情報ですが、「つくる会」は、昨日紹介した「つくる会」のWebニュース「八木会長『解任』。新会長に種子島理事を選任」を全文取り消し、あらためて、八木会長、藤岡副会長の「辞任」、新会長選出の経過を発表しています。

新しいニュースを読むと、事務局長解任のゴタゴタは昨年9月あたりから始まっていたようです。といえば、やっぱり原因としては、「つくる会」教科書の採択率が0.4%で終わったことがあると考えるのが自然でしょうね。

「FAX通信第165号」の全文取り消しについて(つくる会Webニュース:2006年3月1日)

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