2008年のノーベル物理学賞を、素粒子理論研究の南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授、小林誠・高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)名誉教授。益川敏英・京都大学名誉教授が受賞。
益川さんと小林さんは、名古屋大学の坂田昌一門下。坂田氏は、エンゲルス『自然弁証法』やレーニン『唯物論と経験批判論』などに学んで、物質の階層性という考えにたって、素粒子といえども究極の物質ではなく、さらにその中に下位のレベルの物質があると考えました ((益川氏は、たとえば「赤旗」1984年7月14日付で、次のように語っておられます。
「素粒子が、さまざまな性質、特徴、法則性を持っているのは、その背後にそれらの担い手の物質が必ず存在するに違いないと考えていたからです。この考え方は名古屋大学の坂田昌一博士が、以前から提起されていたものです。坂田博士は素粒子を『天体、物体、分子、原子、原子核、素粒子……と続く物質の無限の階層の1つに過ぎない』『現象の背後に必ず物質の裏づけがある』ととらえていました。この考え方の背景には『電子といえどもくみつくせない』という物質の無限の階層性と認識の相対性を指摘したエンゲルスやレーニンと同様の唯物弁証法の物の見方がつらぬかれています」、「唯物弁証法と自然科学の研究方法との関係は非常に奥深いもので、今後もさらに追求する必要があると思います」))。
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