東京では、コンサートが次々と中止、あるいは延期となっている。ミューザ川崎は、前に紹介したように、ホールの天井が落下して、当分使用不可能になった。安心して音楽に身をゆだねられる日が早く来てくれることを願わずにはいられない。
今日の「日本経済新聞」文化欄で、仙台フィルの正指揮者の山下一史氏が仙台市青葉区の青年文化センターで地震にあったときのことを書かれている。リハーサル直前だったが、楽団員・事務局のみなさん無事だったそうだ。
そのとき仙台は雪。山下氏が楽団員の車でホテルに向かう途中、「歩道は、雪の中、傘もささずに歩いて帰路につく人々の列が延々と続いていた」という文章が、直後の仙台市内の様子を伝えている。仙台フィルは、6月末までのすべての主催公演が中止になった。山下氏は「音楽の出番は必ず来る」と書かれている。その日が一日も早くおとずれんことを。
山形交響楽団は、11日、12日の公演は中止せざるをえなかったが、27日の「オーケストラの日2011」公演は「被災者応援コンサート」としておこなわれるそうだ。
山形交響楽団│Yamagata Symphony Orchestra
日フィルは、大地震の当日11日と翌12日の、東京・サントリーホールでの定期演奏会をおこなったあと、香港へ向かった。香港公演の様子は、やくぺん先生こと渡辺和氏がリポートされている。
「僕たちに音楽をさせてください」:やくぺん先生うわの空:So-net blog
やくぺん氏のリポートによれば、11日はそのままホールに宿泊した方もいたそうだ。
札幌交響楽団は、18日、19日の定期演奏会であわせて132万円余の義捐金が寄せられたそうだ。
3/19 第537回定期演奏会にて、1,322,012円の義援金が集まりました。|札幌交響楽団
読響は、14日の定期演奏会は中止になったが、19日の東京・芸術劇場マチネー、20日のみなとみらい名曲シリーズの公演は予定通りおこなわれた。コンサートでは、犠牲となった方々にバッハ「G線上のアリア」が捧げられ、両会場であわせて157万円近くの義捐金が寄せられたそうだ。
演奏会の様子は、東条碩夫氏が紹介されている。
東条碩夫のコンサート日記 3・19(土)下野竜也指揮読売日本交響楽団
神奈川フィルは、12日の定期演奏会で42万円余の義捐金が寄せられた。
N響は、北米公演中。
Japan’s NHK Symphony Orchestra puts on a good face at Strathmore – The Washington Post
マンハッタンを眺めながら NHK交響楽団によれば、ディレクターが「メンバーの中にも家が崩壊した人もいて、今回のUSAツアーを行うべきかどうか迷ったが、行うことに決めた」とスピーチしたそうだ。
ところで、日本オーケストラ連盟の主催による「オーケストラの日」2011のコンサートは、いまのところ開催予定ということらしい。
東京は、引き続き計画停電、節電で、イベント関係にはさまざまな困難が続いているが、早く東京でもコンサートが楽しめる日が来てほしい。
GAKUさん、こんばんは!
PACの4月の定期は「佐渡裕のブラームス&フランク」ですが、「『震災復興祈念演奏会』といたします」と今月のプログラムにメッセージがはさんでありました(今、フランスにいらっしゃるそうです)。
Gakuさん、NYで発行されている地元の日系新聞にN響についての記事が載っていました。(7ページ目です)
http://viewer.nyseikatsu.com/viewer/index.html?editionID=342&directory=../editions&page=7
Sakuraさん、ありがとうございます。
アメリカでの原発事故の取り上げられ方を読み、あらためて、こちらのメディアも事態に振り回されていることがよく分かりました(政府や東京電力が右往左往していることはいうまでもありませんが)。
事態はまだまだどうなるかわかりません。しかし、東京では、もう以前のように、好きなだけ電気を使い、好きなものを食べ、好きなところへ出かけて好きなことをやる生活ができなくなりつつあることだけは確かなようです。