上場企業の経常益7%増、約27兆円

日経新聞の調査によると、上場企業1592社の2006年3月期連結経常利益は前期比7%増で、3期連続で過去最高を更新することが確実になったそうです。

上場企業の連結業績動向(「日経」2月11日付)
(単位億円、カッコ内は前期比増減率、%)

●全産業(1592社)

売上高 経常利益 純利益
2004/3 3,751,762(2.5) 199,640(29.0)  96,848(106.3)
2005/3 3,992,766(6.4) 251,595(26.0) 123,290( 27.3)
2006/3(予) 4,236,934(6.1) 269,938( 7.3) 147,296( 19.5)

●製造業(948社)

2004/3 2,322,244(3.4) 125,035(33.9) 60,917( 77.3)
2005/3 2,477,366(6.7) 155,526(24.4) 80,305( 31.8)
2006/3(予) 2,648,226(6.9) 172,381(10.8) 95,668( 19.1)

●非製造業(644社)

2004/3 1,429,518(1.2) 74,604(21.5) 35,930(185.5)
2005/3 1,515,399(6.0) 96,068(28.8) 42,985( 19.6)
2006/3(予) 1,588,708(4.8) 97,556( 1.5) 51,627( 20.1)

(注)対象は上場企業の3月本決算会社。新興市場、金融、決算期変更会社、親会社が上場している上場子会社は除いた。連結決算を作成しない企業は単独決算を集計に加えた。

上場企業の今3月期、経常益7%増に(日経新聞 2/11)
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有効求人倍率1倍の内容は

有効求人倍率が13年ぶりに1.0倍になったというニュース。景気が回復しつつあることは確かですが、しかし、素直に良かったねと言ってられない現実があります。

毎日新聞が書いているとおり、13年前は失業率2.2%だったのがいまは4.4%。有効求人倍率が1.0に戻っても失業率はなかなか下がらない。そんな状態が定着しつつあります。
また、実際には非正社員の求人が1.58倍と多くて、正社員の求人倍率は0.65しかありません。新規求人数のうち、55%が非正規社員だといいます。これでは求人倍率が上がったからと言って、喜んではいられません。

さらに地方格差。愛知(1.61倍)、東京(1.54倍)にたいし、沖縄(0.41倍)、青森(0.44倍)など。東京を見ていただけでは実態は分かりません。NHKのニュースが、渋谷のハローワークを映しながら「かつては職探しをする人でパソコンは埋まっていたが、いまはまばら」みたいなコメントを流していましたが、あまりの手抜き、ジャーナリズム失格です。

有効求人倍率:13年ぶり1倍台に回復 正社員なお低調(毎日新聞)
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「既得権益」「抵抗勢力」の名による国民分断攻撃は、奥田日経連会長自身がやっていた

国民の生活と権利を攻撃する「構造改革」路線に対し、国民の反撃を「既得権益」「抵抗勢力」と名付けて攻撃する――小泉首相の常套手段ですが、その大もとは、2002年の日本経団連・奥田碵会長の講演にあったことが指摘されています。

その講演とは、これ↓

「日本経済再生への道」:奥田会長講演 (2002-10-03)

銀行業界、2兆円の利益

129銀行の9月中間決算で、当期利益の合計が、前年同期の5倍以上の2兆1242億円で、過去最高になったというニュース。

そりゃ、預金者に利息を支払わず、その代わり、何でもかんでも手数料をとれば、儲かるのは当たり前でしょう。2兆円も儲かってるなら、俺たちの預金にもうちょっと利息をつけろ!

最近は、同じ支店の中でATMを使って別口座に振り込んでも手数料を取られますが、同じ支店内での口座振替は、ただ単にコンピュータ上のそれぞれの預金口座の数字を付け替えるだけ。その操作自体も利用者がATMから自分でやっているのに、なぜ銀行が手数料を取れるのか、僕には理解できません。

当期利益は過去最高の2兆円に 全国129行の9月中間?(朝日新聞)
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来年には消費者物価プラスに

日銀総裁が、「量的緩和」解除の前提として、来年1?3月期には消費者物価ははっきりとプラスになると主張。

デフレ脱却はよいのだろうが、勤労者世帯の実収入がマイナスになっているときに、消費者物価が上昇傾向になったら生活はますます苦しくなるのでは? 本当に国民の暮らしがよくなってデフレを脱却するならともかく、一般国民の収入が伸びないままインフレになれば、踏んだり蹴ったりだ。

量的緩和、来春解除の可能性を強調・日銀総裁(NIKKEI NET)
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経団連奥田会長、市場経済を否定!?

あれだけ「自由化だ」「市場にゆだねよ」と言っておきながら、大企業が価格支配力を失ったとなれば、平気で「価格下落防止策を」と言い出す無節操。「具体的な話をしなければ談合にならぬ」とは、恐れ入りました。

要するに、自分たち大企業の利益さえ確保できればいいということでは? それこそ、最大の既得権益でしょう。

<経団連会長>三洋など経営苦境 価格下落防止策講じるべき(毎日新聞)

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消費税値上げする政党に献金あげます

日本経団連が政党政策評価の基準となる「優先政策事項」を発表。2007年度をめどに消費税率引き上げを求める。早い話が“消費税率を上げてくれる政党には献金あげます”ということ。

日本経団連の「優先政策事項」はこれ→日本経団連:優先政策事項 (2005-11-08)
07年度に消費税上げを 経団連が政党評価基準(河北新報)

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経団連が新内閣へ要望

日本経団連が、新内閣に要望を提出。

「小さな政府」の実現、公務員給与の削減、社会保障の一体改革、消費税引き上げを含む税制の抜本的改革、研究開発減税、IT減税の継続、法人税率の引き下げなど、5分野23項目にわたる要望は、財界がいま何を望んでいるか、分かりやすい一覧表という感じです。

日本経団連:新内閣への要望 (2005-10-31)

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経済同友会「政官討論の会」がブログを開設

経済同友会の「政官討論の会」がブログ(政官討論の会blog)を開設しました。

「政官討論の会」は、松井証券の松井道夫社長が委員長で、「企業経営者、政治家、官僚が集い、日本を取り巻く課題について討論会形式で議論を行っています」(経済同友会のメールニュースから)とのこと。
同ブログについては、「経営者・国会議員・行政官の議論を広く一般に公開し、日本の構造改革へ、新たなうねりを作り出していくことを目指」すということで公開された者で、「トラックバックも歓迎いたします」(同前)となっています。

※「経済」カテゴリーのサブカテゴリーとして「財界の動き」をつくりました。

勤労者世帯消費支出、前年比で2カ月連続マイナス

8月の勤労者世帯の家計調査は、前年同月比で1.3%減。7月も3.5%減で、2カ月連続のマイナス。小泉首相は、ようやく景気回復してきたと言いますが、国民の暮らしはけっして上向いてないというのが実情ではないでしょうか。

8月勤労者世帯消費支出は前年比で実質‐1.3%(朝日新聞)

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企業献金をなくすための政党助成金ではなかったか?

日本経団連の奥田会長が、「民間が主体でささえる健全な政党政治を実現する」という理由で、企業献金の拡大が必要との見解を示す。

政治献金の拡大が必要・奥田経団連会長(日経新聞)

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財界はどう動いたか 総選挙の結果をどう見るか(4)

トヨタが、愛知・自民党を全面応援。「東京」も「自民躍進に“トヨタ効果”?」の記事を載せているが、「読売」はもう少し詳しい。15の選挙区すべてに部課長クラスを派遣、決起集会に幹部社員1万人を動員、奥田会長自身がグループ企業に出向いて支援を依頼した、等々。

「王国 愛知」揺らぐ 小選挙区 自民、名古屋でも議席(読売新聞)

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ホントは重い日本の消費税

前出の経済産業省「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」(経済産業政策局長の私的勉強会)の資料には、こういうデータも出ています。

↓これは、各国の税収(国税+地方税)に占めるそれぞれの税収の割合を比べたものです。

税負担の内訳(国際比較)

個人所得課税 法人所得課税 消費課税 資産課税等
日本 29.1% 20.6% 33.2% 17.0%
イギリス 36.4% 11.4% 38.3% 13.9%
ドイツ 45.0% 2.8% 48.4% 3.8%
フランス 27.9% 12.0% 39.9% 20.2%
スウェーデン 45.4% 8.1% 36.1% 10.3%

イギリスの消費税の標準税率は17.5%。それに比べると、日本の5%は軽いと、一般には受け止められていると思います。しかし、消費課税が税収全体に占める割合でいえば、日本33.2%にたいし、イギリスは38.3%で、あまり変わりがありません。

なぜそうなるのか? その仕掛けは、イギリスの場合は広範な軽減税率が導入されているから。たとえば、食料品はほとんどゼロ税率だし、「子どもの成長には税金をかけない」と、15歳までは衣服・文具・遊具など非課税なのです。軽減税率制度がなく、非課税となるものもほとんどない日本の消費税は、標準税率だけでは比べられない“酷税”なのです。

ちなみに、経済産業省の「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」の資料は、こちらから。↓
経済産業省:経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会「中間論点整理」の公表について

「ホントは少ない日本の公務員」に続く…

経団連からの献金斡旋22億8000万円(04年度)

2004年の日本経団連の会員企業・団体による政治献金が明らかに。総額で22億8000万円になり、前年比22.6%増。うち自民党への献金は22億2000万円、民主党へも6000万円献金されている。献金をした企業は600社程度で、政治献金が認められた企業の過半数に。

日本経団連は、2004年から政党の「政策評価」を実施し、その結果によって政党への寄付の斡旋をおこなうとしました。つまり“日本経団連のおめがねにかなえば、資金を差し上げますよ”というもの。これによる寄付が23億円近くにのぼったということは、それだけ財界の発言力が増したということです。

経団連会員の政治献金22.6%増加 16年は23億円 実施、600社に拡大(産経新聞)

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大企業はこんなに減税されている

産業再生法という法律があります。正式名称は「産業活力再生特別措置法」。1999年8月に制定された法律で、リストラを予定している企業がリストラ計画を作成し国に申請し、一定の条件を満たせば、計画に見合って、登録免許税などの減税措置などが受けられるというものです。

施行(1999年10月)から今年7月までに、372件の申請が認定されました。認定された「計画」による人員削減数は9万9608人。それに対する登録免許税の減税は総額で980億7500万円になります。リストラすれば、1人につき98万4600円の減税が受けられる、という計算です。(日本共産党・塩川哲也前衆議院議員の調査)。

しかもその上位10社をみると、みずほFG、りそなFG、三井住友FG、三菱東京FG、UFJグループなど銀行グループや、三菱自動車、ダイエー、カネボウなど大企業ばかりです。10社で760億円あまりの減税措置。雇用を守るために減税や助成をするならともかく、リストラすればするほど減税してもらえるなんて、逆立ちも甚だしい。

財源を云々するなら、まずこういう余計な減税措置の見直しをしっかりやってほしいものです。

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日本商工会議所の改憲意見

日本商工会議所が6月16日に「憲法改正についての意見――憲法問題に関する懇談会報告書」を出していたことを、今日になって見つけました。

憲法改正についての意見(日本商工会議所)
※PDFファイルが開きます。

で、自民党第1次案がすでに発表された現時点で読んでみると、結局、この自民党第1次案と「瓜二つ」というか、狙いやポイントの置き方、さらには言葉遣いまでそっくりなことに気がつきます。

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