自民党の税制調査会長に、「筋金入りの財政再建論者」といわれる柳沢伯夫元金融相の起用が決まったらしい。
「増税」カテゴリーアーカイブ
消費税値上げする政党に献金あげます
日本経団連が政党政策評価の基準となる「優先政策事項」を発表。2007年度をめどに消費税率引き上げを求める。早い話が“消費税率を上げてくれる政党には献金あげます”ということ。
日本経団連の「優先政策事項」はこれ→日本経団連:優先政策事項 (2005-11-08)
07年度に消費税上げを 経団連が政党評価基準(河北新報)
さあ、増税が始まった
政府税調が定率減税の全廃を決める。
それなら何故、総選挙のときに「消費税10%以上に」と言わなかったのか
自民党財政改革研究会が、24日、中間報告を取りまとめ。消費税を社会保障目的税化するとしたうえで、社会保障全額を消費税でまかなうには消費税率10%以上への引き上げは避けられないと主張。
この程度のことは、以前から言われていたこと。それなら何故、総選挙のときに、「消費税率は10%以上にする」と公約しなかったのか? 選挙が終わったとたんに、こんなことを言い出すのは、まったくもって国民をバカにしている!
政府・与党、定率減税の全廃の方針固める
日経新聞は、政府と与党が所得税・住民税の定率減税を2007年中に廃止する方針を固めたと報じています。他方で、他のメディアは、中川秀直・自民党国対委員長が2008年1月全廃との見通しを明らかにしたと報道。
廃止時期が1年ずれるにせよ、政府・自民党が「大勝」を受けて、増税路線を進めることは確実。
なお、定率減税は、すでに所得税については来年1月から、個人住民税については来年6月から半減されることが決まっています。全廃されれば、それによる増税は全体で3.3兆円になる見込み。
定率減税2007年全廃・実質3.3兆円増税、政府・与党方針(日経新聞)
定率減税、08年1月に全廃の考え 自民党国対委員長(朝日新聞)
政府税調の「論点整理」は自営業者も対象
「朝日新聞」のインタビューで、石弘光・政府税調会長は、6月に政府税調が出した「論点整理」は、サラリーマン増税ではないと、こうのたまわっています。
論点整理は自営業者向けの税制などにも触れている。サラリーマンのみを対象としたわけではない…。[朝日新聞9月14日付、10面]
要するに、自営業者も増税するからサラリーマン増税ではないという理屈。お見事…
続きを読む
定率減税、2007年度全廃へ
谷垣財務大臣、定率減税の2007年度全廃方針を打ち出しました。
しかし、選挙直後のいまそれを打ち出すのなら、なぜ総選挙中に公約しなかったのでしょうか? 結局、「争点隠し」だったということを自分で認めた格好です。
総選挙後、小泉内閣がまずやると決めたことは、自衛艦のインド洋派遣の延長と定率減税の廃止。――これが自民党大勝の結末なのです。
ホントは重い日本の消費税
前出の経済産業省「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」(経済産業政策局長の私的勉強会)の資料には、こういうデータも出ています。
↓これは、各国の税収(国税+地方税)に占めるそれぞれの税収の割合を比べたものです。
税負担の内訳(国際比較)
個人所得課税 | 法人所得課税 | 消費課税 | 資産課税等 | |
---|---|---|---|---|
日本 | 29.1% | 20.6% | 33.2% | 17.0% |
イギリス | 36.4% | 11.4% | 38.3% | 13.9% |
ドイツ | 45.0% | 2.8% | 48.4% | 3.8% |
フランス | 27.9% | 12.0% | 39.9% | 20.2% |
スウェーデン | 45.4% | 8.1% | 36.1% | 10.3% |
イギリスの消費税の標準税率は17.5%。それに比べると、日本の5%は軽いと、一般には受け止められていると思います。しかし、消費課税が税収全体に占める割合でいえば、日本33.2%にたいし、イギリスは38.3%で、あまり変わりがありません。
なぜそうなるのか? その仕掛けは、イギリスの場合は広範な軽減税率が導入されているから。たとえば、食料品はほとんどゼロ税率だし、「子どもの成長には税金をかけない」と、15歳までは衣服・文具・遊具など非課税なのです。軽減税率制度がなく、非課税となるものもほとんどない日本の消費税は、標準税率だけでは比べられない“酷税”なのです。
ちなみに、経済産業省の「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」の資料は、こちらから。↓
経済産業省:経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会「中間論点整理」の公表について
「ホントは少ない日本の公務員」に続く…
ホントは軽い日本の企業負担
財界は、口を開くと二言目には、「企業負担を軽減してほしい」「法人税の実効税率を下げてほしい」と言うけれど、実は、日本の企業の税・社会保険料負担は、ヨーロッパに比べると軽いのです。
民主党、年金目的以外にも消費税増税を考えると
民主党の岡田代表が、年金目的の3%以外にも消費税増税の検討が必要だと発言。
もともと民主党の「財政再建プラン」によれば、第1改革期間(政権獲得から3?4年間)には年金目的に消費税3%引き上げ(これだけで7.5兆円の増税)に「控除(扶養・配偶者・配偶者特別)廃止」(これで約2兆円)、のあわせて9兆円以上の増税をやるとしています。さらに、第2改革期間には「税制の抜本的改革を行う」としており、しかもそのさい、「広く、公平に負担を求める」「経済活動・民間活動の拡大・促進に配慮する」としています。
「広く、公平に」というのは、消費税増税論がいつも持ち出す口実だし、「経済活動・民間活動」に配慮するというのは企業減税をすすめますということ。結局は、消費税を上げて、法人減税をやろうというのは、自民党も民主党も同じだということです。
もともと財界は、消費税16%に引き上げ、各種控除の廃止による課税ベースの拡大(低所得層への増税ということ)、法人税の大幅引き下げを主張(日本経団連「奥田ビジョン」)。自民党・公明党の「税制改正」方針も、民主党の「財政再建プラン」も、この財界要求にそったものであることは同じ。「郵政民営化」からすすめるか、「年金目的消費税」から入るか、増税路線への突っ込み方が違うだけではないでしょうか?
実施は数年先でも、07年には増税方針決定
2007年は消費税増税を含む抜本的な税制改革を決めるだけ、といっても、2008年か2009年には増税が実施されることには変わりなし。こんな子ども騙しの手に引っかかったら大変。
増税問題が争点に
今日の日本記者クラブ主催の各党党首討論会。国政選挙のたびに開かれていますが、毎度思うのは、ジャーナリストのとんちんかんな質問。今日も、第2部で道路公団の人事問題などで記者が小泉首相にずいぶんと食い下がってたけど、なんであんなことを各党党首討論の席上、長々と質問するのか? 党首討論という場所を、自分たち政治部記者の興味本位な質問でつぶしてほしくないなぁ…。
それからもう1つ。小泉首相は、聞かれていることには答えず、聞かれてないことを延々と喋る。司会はもう少し的確に交通整理すべきだ。いわゆるサラリーマン増税に関連して、共産党の志位委員長が、政府税調の控除見直しの方針は与党の「税制改正大綱」を具体化したもの、サラリーマン増税をしないというなら「税制改正大綱」を撤回するのかという質問に、小泉首相は、ほんとに無関係なことばかり延々と喋って、結局、撤回するのかしないのか、明言しなかった。
しかしそれでも、首相は、“税制改革は消費税、所得税、法人課税、各種控除もふくめて一体的にやる。法人課税は、海外と比べて負担が重いということがないようにしなければならない”と発言。結局、大企業には減税し、あとは消費税でとるか、所得税でとるか、控除の見直しでとるか、どこからとるかの違いでしかないことを事実上みとめたかっこうに。
一方では、自分の首相任期はあと1年だけども、こんどの政権公約は党として決めたもの、私のあとの総裁だってきちんとやると言っておきながら、消費税増税になると、「私の任期の間はやらない」と繰り返すだけで、そのあとどうするつもりかという質問には答えようとしない。結局、小泉首相は、都合の悪いことは、言を左右にして逃げ回るだけで、まともに説明しようとしなかった。
ということで、今日の党首討論会について、いろんなメディアが報道しているけれど、結局、このロイターの記事が、比較的まともな方かな。
07年度に消費税率引き上げ 自民党幹事長が明言
自民党の武部幹事長が、テレビ番組で、2007年度に消費税率を引き上げると明言。
これが、こんどの総選挙の争点の2つめ。民主党は、年金目的と称して消費税率3%上乗せを公約にも明記しています。自民党・小泉首相は、郵政選挙だと、演説でも郵政ばかりですが、じつは、こんどの政権公約で2007年度に消費税引き上げを含む税制改革をおこなうと公約しています。小泉首相は、「私の任期中は引き上げない」と言ってきました。確かに2007年度は小泉首相の任期後ですが、2007年度からの引き上げのためには、来年度中に法律改定が必要です。つまり、小泉首相の任期中に、消費税値上げの手続きをすすめると言うことです。
大企業はこんなに減税されている
産業再生法という法律があります。正式名称は「産業活力再生特別措置法」。1999年8月に制定された法律で、リストラを予定している企業がリストラ計画を作成し国に申請し、一定の条件を満たせば、計画に見合って、登録免許税などの減税措置などが受けられるというものです。
施行(1999年10月)から今年7月までに、372件の申請が認定されました。認定された「計画」による人員削減数は9万9608人。それに対する登録免許税の減税は総額で980億7500万円になります。リストラすれば、1人につき98万4600円の減税が受けられる、という計算です。(日本共産党・塩川哲也前衆議院議員の調査)。
しかもその上位10社をみると、みずほFG、りそなFG、三井住友FG、三菱東京FG、UFJグループなど銀行グループや、三菱自動車、ダイエー、カネボウなど大企業ばかりです。10社で760億円あまりの減税措置。雇用を守るために減税や助成をするならともかく、リストラすればするほど減税してもらえるなんて、逆立ちも甚だしい。
財源を云々するなら、まずこういう余計な減税措置の見直しをしっかりやってほしいものです。
大企業・高額所得者は、こんなに減税してもらっている
1983年までは、所得税の最高税率は8,000万円超で75%、これに住民税(所得割)が4,900万円超で18%でした。で、課税所得1億円の場合、税金は7,751万円。これが、現在は、所得税の最高税率が1,800万円超で37%、住民税が700万円超で13%にまで引き下げられ、その結果、同じ課税所得1億円の場合の税額は4,720万円に。約3,000万円、かつての税額から見れば40%もの減税の恩恵を被ってきたのです。
増税隠し 自民党
昨日、仕事帰りに、自民党の候補者のポスターを見つけたのですが、公約に「サラリーマン増税はおこないません」と書かれています。え?? 政府税調が各種所得控除の見直し・廃止を打ち出したのに、与党が反対するの? と思って、選挙公約を確かめてみました。(→自民党ホームページ)
すると、こういうふうに書かれていました。
<7>税制の抜本的改革
引き続き聖域なき歳出改革に果断に取り組みながら、国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。なお、
- 18年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。
- 19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。
しかし最初から読むと、「その中で……政府税調の考え方はとらない」の一文が浮いていると誰もが感じるのではないでしょうか。とってつけたような文章であることは間違いありません。
ちなみに、昨年12月に、自民党と公明党が合意した与党の「税制改正大綱」には、こう書かれています。(以下、引用は関係部分のみ抜萃)
第一 新しい時代への税制改革の道筋
平成18年度においては、わが国経済社会の動向を踏まえつつ、いわゆる三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現し、あわせて国・地方を通ずる個人所得課税のあり方の見直しを行う。……
さらに、平成19年度を目途に、長寿・少子化社会における年金、医療、介護等の社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通し等を踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。(「税制改正大綱」2ページ)
ということで、ここまでは、今回の選挙公約と基本的に同じです。ところが、与党の「税制改正大綱」には、続けてこう書かれているのです。
平成18 年度においては、わが国経済社会の動向を踏まえつつ、いわゆる三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現し、あわせて国・地方を通ずる個人所得課税のあり方の見直しを行う。(同前)
「国・地方を通ずる個人所得課税のあり方の見直し」とは何か? 与党の「税制改正大綱」は、「第二 平成17 年度税制改正の具体的内容」の中で、「一 国・地方を通ずる個人所得課税」として、具体的な内容を次のように明らかにしています。
国・地方を通ずる個人所得課税のあるべき姿と整合的な所得税・個人住民税の制度とする。このため、所得税においては、税率構造・控除双方の見直しを視野に入れ、検討を進める。また、個人住民税においては、税率のフラット化、低所得部分に係る負担調整措置等について、検討を進める。(同6ページ)
このように、自民党・公明党が合意した「税制改革大綱」では、所得税については、税率構造の見直し(つまり累進税率を下げる、またもや高額所得者の減税だ!)とともに「控除」の見直しにむけた検討を進めると、明記されているのです。政府税調の「論点整理」は、この与党の「税制改正大綱」の方針を具体化し、まさに控除の見直しに向けた検討をおこなったものです。
その証拠に、「論点整理」は、なぜ個人所得課税の見直しを行うのか、その理由として、次のように書いています。与党の「税制改正大綱」に従っていることは明白です。
平成18 年度においては、定率減税を廃止するとともに、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行う必要がある。税源移譲に際しては、国・地方を通ずる個人所得課税のあるべき姿と乖離することなく、所得税・個人住民税双方において税率構造を中心とした抜本的な見直しが必要となる。(「論点整理」1ページ)
そして、見直しの第1に、「給与所得者であることを理由として、所得の計算にあたって特別の斟酌を行う必要性は乏しくなってきている」として、「給与所得控除の見直し」が上げられているのです。
で、もう一度、自民党の選挙公約を読むと、くだんの「その中で…」の一文を除き、その前後は、この「税制改革大綱」と全く同じなのですが、その中で、各種所得控除の見直しという部分だけが、選挙公約では「政府税調の考え方はとらない」と逆転させられているのです。つまり、政府税調の方針が公表され、都議選で不評を買ったところから、この部分だけこっそり書き換えた、というのが本当のところでしょう。
自民党は、「税制改正大綱」で示された個人所得課税の見直しを進めるという方針そのものは少しも変えていません。だから、「政府税調の考え方はとらない」という公約は、文字通りのコウヤクで、一時的にぺったり貼られているだけ。選挙が終われば必ず剥がされ、各種控除の見直しに取りかかることは確実です。
消費税増税か、所得税増税かの選択を迫るもの
にわかに持ち上がってきたサラリーマン増税。ホントのねらいは、消費税増税か、所得税増税かの二者択一を迫るところにあるみたいです。
しかし、「全国で約4400万人もの給与所得者が増税になる」との試算もあって「勤労意欲をそぎかねない大型増税案」(「中国新聞」6/27付社説)。取れるところから取るという、こんな「究極の選択」ではなく、企業法人税を適正化し、高額所得者の所得課税を強化するなど、まだまだ策はいろいろあるのではないでしょうか?
政府税調、サラリーマン所得課税強化の報告
政府税調が、21日、給与控除の見直しなどサラリーマンを中心とした所得課税の強化を提言。
年間33万円の増税というと月2万7500円にもなる計算。暮らしや景気には相当な打撃になるに違いありません。前にも書いたように、税収を見直すのであれば、この間すすめられてきた法人税の引き下げと高額所得者の所得税などの減税措置を見直すべきでは?
増税、増税、増税!
政府税調の、個人所得税、個人住民税の見直しに関する報告書の原案が明らかになったと、「東京新聞」が報じています。
配偶者控除の廃止、給与所得控除の縮小、退職金の控除縮小、住民税からの生命保険料控除の廃止、扶養者控除の年齢制限、などなど。要するに「取れるところから取れ」という話ばかりで、度重なる高額所得者への減税で所得課税が「空洞化」しているのには手をつけないまま。低所得者をねらった“厚く、重く”路線です。
給与所得控除の縮小へ 政府税調
政府税調が6月に個人所得課税の見直しに関する報告書をまとめますが、給与所得控除の見直し、配偶者控除の見直しなど、低所得層への増税が中心になっています。
よく、「働いただけ所得が増えないと、働く気がしなくなる。だから、最高税率を引き下げる」とか「広く薄く、平等に負担する」と言われます。しかし、何億も儲けているような個人は、ごく限られています。それにたいして、働いても働いてもろくに給料が上がらないようなサラリーマン層に、去年も増税、今年も増税、来年も増税…と増税の追い打ちをかけたら、それこそ国民の圧倒的多数がやる気をなくすんじゃないでしょうか? すでに高額所得者は減税の恩恵をたっぷり受け取っています。それをさらに減税しなければならない経済学的に合理的な理由は、いったいどこにあるのでしょうか? いまやられているのは、「広く薄く」どころか、低所得者層に「厚く重く」です。