イラクでは、ファルージャ市への総攻撃が始まっています。国連も警告を発した包囲殲滅作戦です。
アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」(毎日新聞)
ファルージャの人口は約30万。それを包囲・封鎖した上で、米軍とイラク軍を合わせて1万5000人を投入するというのだから、どれだけの犠牲がでることになるか――。想像に難くないと言うべきか、想像するのが恐ろしいと言うべきか。しかしメディアが入り込めていないので、流れる情報はすべて米軍情報。日本のメディアの取り上げ方も、当然ながら、米軍サイドのものになっている。実態がどうなっているのか、伝わってこないのが恐ろしい。
ところで、小泉首相がこのファルージャ総攻撃に「成功させないといけない」と賛意を表明した。インターネットでみるかぎり、支持を表明したのは、小泉首相と英ブレア首相だけのようだ。米英軍のイラク攻撃の支持はフセイン政権にたいするものだ、自衛隊派兵も人道支援だという言い訳が成り立ったかも知れない。しかし、ファルージャ総攻撃への支持表明は、この作戦の結果がどうなったとしても、イラク国民の相当部分を「敵に回す」もの。これで、日本は、少なくとも、スンニ派イラク国民からみれば立派な「敵」になってしまったのだ。そんな重大なことを、いとも簡単に、あっさりと言ってのけるあたりが、この総理大臣の凄まじいところなのかも知れない。