花見の前に…

佐藤俊樹著『桜が創った「日本」』

そろそろ東京でも桜が咲き始めましたが、今年のお花見の前に、ぜひ読んでおきたいお薦めの本があります。佐藤俊樹著『桜が創った「日本」』(岩波新書)です。

いま「桜が咲き始めた」と書きましたが、その桜は何か?といえば、気象庁の開花宣言でも基準にされているソメイヨシノです。葉が出る前にいっせいに花を咲かせ、公園や並木通りでは、文字どおり、煙るように一面の花となるソメイヨシノ。「桜」といわれれば、誰もが、こうした満開のソメイヨシノを思い浮かべるに違いありません。
また、60年前までは、「同期の桜」などといわれ、パッと咲き、さっと散る、散り際の良さが「日本人らしさ」といわれました。

しかし、こうした桜の景色は、実は、ごく最近(著者は、大正以降だといっています)のことなのです。
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大橋英夫著『現代中国経済論』

大橋英夫著『現代???経済論』

大橋英夫氏の『現代中国経済論』(岩波書店)を読みました。

日本人の書く中国論は、中国「脅威」論だったり、あれこれの事例をあげた「崩壊」論だったりと、およそ初めっからバイアスのかかった著作が多いのですが、この本は、「改革開放」政策のもとで中国経済がどうなっているか、全体を俯瞰しつつ、発展の方向性と問題点を率直に指摘しています。

その内容は、目次をみてもらった方が早いかも。

  • 序章 全面的な「小康」社会の実現に向けて
  • 第1章 経済成長の検証
  • 第2章 経済改革の深化
  • 第3章 市場経済の制度化
  • 第4章 国有経済の退出
  • 第5章 経済格差の拡大
  • 第6章 「社会安全網」の構築
  • 終章 「全球化」と構造調整

で、面白いのは、第6章「社会安全網」の構築が、「現代中国経済論」の“落としどころ”になっていること。
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桜咲く!

桜が咲いたよ!

気象庁の開花宣言はすでに出ましたが、わが地元の桜は、今日、ようやく咲きました。朝、出勤の時にはまだツボミだったんですが、残業して夜遅く帰ってきたときは、ちらほらと開いた花が街灯に浮かび上がってました。

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酔人の夢か、はたまたアル中患者の妄想か

アメリカの調査委員会の報告によって、イラク開戦の理由の1つとされた「移動式の生物兵器製造装置」は、飲酒癖でイラク政府の研究機関をクビになったアル中男の“でっち上げ”だったことが明らかになりました。

パウエル長官は、国連安保理で、アル中の“妄想”を大まじめに取り上げていた、ということになります。攻撃が終わった後で検証したというけれど、なぜ開戦前に検証しなかったのか? アル中(元か?)の大統領の国だから、アル中の妄想を信じたのも“さもありなん”ということか。いったい、この責任は誰が取るのだろう。

イラク開戦の根拠、ねつ造された情報だった(読売新聞)
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また自宅PCが不調に…

自宅のPCが、また調子が悪くなりました。
以前にも同じ症状だったことがあるんですが、電源を入れてBIOSのメモリチェックのところで止まってしまうんです。(/_;)
そのまま3、4分もすればちゃんと起動するんですけど、何が原因なのか分かりません。

やっぱり、そろそろ新しいPCを作るかなぁ…。

あもの自作パソコン

イラク情報、完全に間違っていた!

アメリカの独立調査委員会は、イラクの情報について「良い情報を入手できず、分析も誤り、完全な間違いを犯した」と厳しく批判。

いまさら…という感もしますが、アメリカ自身が「間違ってた」と言うのだから、やっぱり間違ってたんでしょう。ねえ、小泉首相?

米調査委「イラク情報で完全な間違い」・最終報告書(NIKKEI NET)
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山家悠紀夫『景気とは何だろうか』

山家悠紀夫『景気とは何だろうか』

ここ最近の日本経済の動きを知りたいと思って、山家悠紀夫さんの新著『景気とは何だろうか』(岩波新書、2月刊)を読んでみました。序章+第1章?第6章+終章の8章立て。前半の第1章?第3章は、「景気とは何か」「景気循環とは何か」「景気はなぜ循環するのか」という、どちらかといえば一般論的な内容。それにたいし、第4章以降の後半は、1997年以降の日本の景気の動き方が、実は少し変わってきたのではないか、というお話になっています。

後半では、1997年はほんとは景気上昇期だったのに、いわゆる橋本内閣の9兆円国民負担増(消費税の3%→5%への引き上げ、医療費の本人負担1割→2割など)という政策によって意図せざる景気後退が引き起こされた、と指摘。そのため、次の小渕内閣では、財政再建が棚上げされ、公共事業拡大、政策減税(こんど打ち切られた定率減税もこのときのもの)などがおこなわれ、1999年、2000年と短い景気拡張を迎えたが、2002年にアメリカの景気後退と小泉内閣の「構造改革」政策によって激しく落ち込んだこと。その後、輸出に導かれてゆっくりと回復に向かったこと(というより、日本の景気が輸出の伸びに左右されるようになったこと)などが明らかにされています。
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