グッドウィル、廃業へ

人材派遣大手グッドウィルが、違法な「二重派遣」で略式起訴。有罪が確定すれば派遣事業の免許も取り消されるということで、グッドウィルは7月で廃業すると発表。

しかし、いろいろ違法行為をやっておいて、移動時間分の賃金未払い1つとっても、何も解決していない。現在でも、グッドウィルの派遣で働いている労働者は7000人いるそうだ。こうした人たちが、仕事を失って路頭に迷うなどということはあってはならない。廃業してお終い、などということは絶対に許されない。

グッドウィル廃業へ 二重派遣で略式命令(朝日新聞)
グッドウィル、4千人解雇へ 廃業を正式発表(朝日新聞)
「グッドウィル」廃業方針、日雇い派遣から完全撤退(読売新聞)
グッドウィル、7月末メドに廃業(TBS News-i)
グッドウィル:派遣労働者ら怒りあらわ「責任取れ」(毎日新聞)

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いいところを狙ってはいるのだが… 『大飢饉、室町社会を襲う!』

清水克行『大飢饉、室町社会を襲う!』(吉川弘文館)

応永27年(1430年)を中心とした大飢饉。寛正の大飢饉(寛正元?2年、1460-61年)とならぶ、室町時代の2大飢饉。この大飢饉に襲われたとき、上は将軍・室町殿から下は市井の人々まで、室町時代の人々はどうしたか? それを、地球史的な気候変動(この時期は「小氷期」に入っていたらしい)を踏まえつつ、当時の資料から解き明かそうという本です。

しかし、読み終わってみると、興味深い素材はいっぱいあるし、狙いもいいのだけれど、掘り下げが足らず、せっかくの材料を生かしきれていないという印象を持ちました。「小氷期」という気候変動的な枠組みも、「小氷期に入っていた」と書かれているだけで、地球史的な話はありません。帯に「ドキュメント、応永の大飢饉」と書かれている割りには、応永の大飢饉のとき日々どんなことが起こったのか、ドキュメンタリーな記述があまりありません。

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使用価値か、効用価値か(続き)

すでに書いたように、『哲学の貧困』での「使用価値」の使用例をもって、「使用価値」の初出とすることができるかどうかについては、もう少し検討が必要なようです。

以下、大月全集版『哲学の貧困』で「使用価値」となっているところを、第1章第1節の範囲で、フランス語と対照してみました(フランス語は旧メガ第6巻収録の『哲学の貧困』で確認)。

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