チリ津波:最大1.2mの津波を観測

はるばるチリからやってきた津波。最大で1.2mの津波が観測されました。

津波というと、マンガや映画でよく見るような、波頭を崩して巻き込むような大波を想像してしまいますが、テレビをみていると、波というより、海面が盛り上がって水位がどんどん上がっていく、という感じですね。

国内で大きな被害が出ずにすんで、ともかくなにより。あらためて自然のエネルギーの大きさを実感しました。

津波:国内で最大1.2メートル観測 3万8000人避難 : 毎日新聞

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女子パシュート 銀メダル獲得!!

女子団体追い抜きで2位となり、喜ぶ田畑(左端)ら日本チームの選手=27日〔共同〕

女子団体追い抜きで2位となり、喜ぶ田畑(左端)ら日本チームの選手=27日〔共同〕

スピードスケート女子パシュートで、日本チームが銀メダルを獲得。1位とのさは、わずか0.02秒! 惜しい…

それでも快挙です。おめでとうございま〜〜す ヽ(^o^)/

日本女子が「銀」、五輪スケート女子で初の快挙 団体追い抜き NIKKEI NET

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中南米カリブ共同体を設立

中南米・カリブ諸国が、新たな地域機構「中南米カリブ海諸国共同体」を設立。

この地域は、アメリカが米州機構(OAS)を通じて“裏庭”として支配してきましたが、そうしたやり方は、もはやすっかり時代遅れになったようです。

米国抜きの地域機構設立を承認 中南米カリブ首脳会議 : CNN.co.jp

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破綻した財界戦略 経団連が企業献金の斡旋中止へ

日本経団連が、企業献金の斡旋をやめる方針を固めたもようです。

経団連は、自分たち財界の要求項目にしたがって、自民党、民主党の政策を5段階で評価・採点して、その結果にもとづいて政党への献金を斡旋していました。そうすることによって、自民党、民主党を競わせて、自分たちの思い通りの政策をやらせようとしていた訳です。また、民主党にも財界の“ヒモ”をつけて、自民党・民主党の「2大政党制」を実現し、どっちが政権についても自分たちの利益が守られるようにしようという財界戦略の手段という役割も持っていました。

しかし、経団連の評価は民主党にたいして一貫して低かったため、財界の期待に反して、民主党政権が誕生してみると、この採点方式はかえって財界と民主党との関係を悪くすることになってしまいました。そこで、政策評価にもとづく献金斡旋そのものをやめてしまおう、という訳です。

企業献金によって政界支配をねらった財界戦略の破綻といえます。

経団連、献金関与を中止 政府の全面禁止方針受け : NIKKEI NET

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ボブスレー ソリのデコにかけた桧野選手の気持ち

ボブスレー:桧野・浅津組のソリが人気…「美しい」(毎日新聞)

ボブスレー:桧野・浅津組のソリが人気…「美しい」(毎日新聞)

バンクーバー・オリンピックのボブスレーで、日本女子チームのソリの装飾が話題になっています。和服の女性、桜や富士など「純和風」の題材を、レトロモダン風なイラストで、実際、ほんとうにきれいです。

ところで、今日の「読売」夕刊の記事によると、この見事なソリは本体だけで約600万円。実は桧野真奈美選手の“私物“なのだそうです。統括競技団体である日本ボブスレー・リュージュ連盟は資金がなくてソリを買えず、桧野選手が自分で200社を回って資金集めをして、それで2年前に買ったものだそうです。

オリンピック代表選手が、そこまでやらなければ器材さえ買えないとは…。しかも、強豪国では数千万円のソリが当たり前なのに、桧野選手のソリはドイツの中古品。スポーツ振興策の貧しさに唖然としてしまいます。

着物女性や桜、桧野自前の美しすぎるソリ : 読売新聞
五輪ボブスレー:桧野・浅津組のソリが人気…「美しい」 : 毎日新聞

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昨日のお買い物 弓削達『ローマ帝国論』

弓削達『ローマ帝国論』(吉川弘文館)

弓削達『ローマ帝国論』(吉川弘文館)

2006年に亡くなられた元フェリス女学院学長・弓削達先生の旧著が復刊されました。大嘗祭に反対して1990年に右翼の銃撃を受け、いらい平和や憲法の問題で、静かに、しかし確固とした立場を貫いてこられたことで有名でしたが、もともとのご専門は、古代ローマ史です。

代表著作は『ローマ帝国の国家と社会』(岩波書店、1964年)なのですが、これは博士論文を刊行したきわめて専門的な大著で、とても素人には手が出ません。そのほかというと、手軽に読めるのは『ローマはなぜ滅んだか』(講談社現代新書、1988年)ぐらいしかなかったので、今回、『ローマ帝国論』が復刊されたことは、まったくうれしい限りです。

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「第3の項目 果実をもたらすものとしての資本」の読み方

マルクス『1857-58年草稿』のIII「資本にかんする章」の最後の部分「第3の項目 果実をもたらすものとしての資本。利子。利潤。(生産費用、等々)」の部分をどう読むか。

中身でなく、マルクス自身の書き込みから、マルクスの思考の運びを考えてみました。手がかりとなるのは、『資本論草稿集』第2分冊573ページ下段。そこには、区切り線のあとに「本題に戻ろう」と書かれています。

そこで問題。はたして、マルクスは、ここで、どこまでさかのぼって「本題」に戻ったのでしょうか?

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核抑止力にしがみつく日本の国会議員たち

20日のThe Japan Timesに、「日本の国会議員、オバマ大統領に核問題で書簡を送る」という大きな記事が出ていました。

記事を眺めてみると、超党派の国会議員といいながら、「日本共産党の議員を除く204人が署名した」とありました。共産党といえば、オバマ大統領と書簡を交換して、核兵器廃絶に一番熱心に取り組んでいるのに、なぜ賛成しなかったのだろう? と思って、国内メディアの記事を含めて、もう少し調べてみました。

Diet members send Obama nuclear letter | The Japan Times Online
超党派国会議員、核軍縮求める書簡 米大使に手渡す : 朝日新聞
核軍縮:オバマ氏の取り組み支持します 日本の議員204人、駐日大使に書簡 : 毎日新聞

そうしたら、この要望書が、アメリカ政府にたいして、いの一番に、「核兵器の『唯一の役割』は他国の核兵器の使用を抑止することだと宣言する」(朝日新聞)ことを求めたものだということが分かりました。

「抑止力」というのは、“何かあれば、本当に核兵器を使いますよ”ということを前提にして初めて成り立つもの。実際、これまでも、「抑止力」を口実にして、核軍拡競争が進められてきました。

アメリカの大統領が「核兵器のない世界をめざす」と言っているときに、あらためて「核抑止力」の宣言を求めるというのは、あまりに時代に遅れているのではないでしょうか。

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CDで聴く『資本論』?!

ドイツの国際放送局ドイッチェ・ヴェレのホームページに、「経済困難の時代にマルクスがヒットを勝ち取った」と題する記事が載っています。

Marx proves a hit in troubled economic times : Deutsche Welle

これによれば、ドイツでも『資本論』が売れ、『資本論』を読むグループが生まれているそうです。

また、CD6枚組の『資本論』オーディオ・ブック? が出版されたそうです。いったいどんな代物なのか? 私も早速注文してみました。

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爆裂!! セゲルスタム×読響×マーラー交響曲第7番

読響第490回定期演奏会

3連荘最終日は、読響のサントリー定期。指揮はフィンランド出身のレイフ・セゲルスタム。プログラムは、ずばり

 マーラー:交響曲 第7番 ホ短調《夜の歌》

さすがに3日連続のコンサートで、かなりへばっておりましたが、やっぱりこの「夜の歌」ではとても寝ていられません。(^_^;)

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本日のお買い物

若杉弘指揮/東京フィルハーモニー/ベートーヴェン:交響曲第7番、シューベルト:交響曲第7番「未完成」若杉弘指揮/東京フィルハーモニー/ブルックナー:交響曲第9番

オペラシティの会場で。昨年亡くなられた若杉弘氏が東フィルを振った演奏です。左が、ベートーヴェンの交響曲第7番とシューベルトの交響曲第7番「未完成」。右がブルックナー第9番。ブルックナーの方には、当日のリハーサルの様子も収められています。

ベートーヴェンは2006年4月23日の演奏(オーチャード)、シューベルトとブルックナーは2007年12月13日の演奏(オペラシティ)です。どちらも、実は直接演奏を聴いています。

あらためて、若杉さんのご冥福を祈りつつ…。

ああ王道のブルックナー!!

東京フィルハーモニー交響楽団第51回東京オペラシティ定期演奏会

コンサート3連荘の2日目は、オペラシティで、尾高忠明氏の指揮で東フィルの演奏を聴いてきました。

  • ジョリヴェ:トランペット、弦楽とピアノのコンチェルティーノ〔トランペット協奏曲第1番〕
  • ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB.109

尾高さんの指揮は、実に堂々とした、王道のブルックナー。テンポがちょっとゆっくり目だったからでしょうか、出だしでちょっと弦の足下がもつれるような印象を受けたところもありましたが、だんだんと弦、管ともに息もそろって、本当に充実した演奏を堪能させていただきました。

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ああ、男はなんと情けない… 二期会オペラ「オテロ」

二期会オペラ「オテロ」(ベルディ作曲)

二期会オペラ「オテロ」(ベルディ作曲)

上野の文化会館で、二期会オペラ「オテロ」(ジュゼッペ・ヴェルディ作曲)を見て(聴いて?)きました。

座席は、4階Rの最後列、足下にバーがある“止まり木席”です。舞台をはるか下に見下ろすため、後ろの座席がかなり高くしてあって、足が届きません…。それで、足下にバー(止まり木)があって、そこに足を置いて眺める、という訳です。おかげで舞台はなんとか見渡せますが、ピットのオケは半分ほど隠れて見えません。(^_^;)

お話は、後輩のカッシオが副官に任命されたことを恨んだイアーゴの言葉にまんまと騙されて、ムーア人の将軍オテロが貞淑な妻デズデモナの不貞を疑い殺害にいたる、という悲劇。

どうして男は、女性の愛を素直に信用できないんでしょうねぇ…。

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今度はバベジ『機械と製造業の経済論』

バベジ『機械と製造業の経済論』

バベジ『機械と製造業の経済論』

ユア『工場の哲学』と並んで、マルクスが機械を論じるさいに大いに参考にしたバベジ『機械と製造業の経済論』(初版1832年、第3版1846年)を手に入れました。

といっても、これは当時の版本でもリプリントでもありません。届いてからはじめて分かったのですが、Google Booksで公開されている画像データをOCRに読み込んで、文字データに変換し、それをそのまま印刷したものです。

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手に入れました(^_^)v 置塩信雄『現代経済学II』

置塩信雄『現代経済学II』(筑摩書房)

置塩信雄『現代経済学II』(筑摩書房)

ずっと探していた置塩信雄先生の『現代経済学II』(筑摩書房、1988年刊)をようやく手に入れました。

置塩先生の本をきちんと勉強し始めたのは、1996年にとある学習会で直接先生にお会いしてから。古本屋を探しては、1冊また1冊と手に入れて読んできました。『現代経済学II』には、利潤率の概念、景気循環論、またハロッド理論やマネタリズムの批判があって、是非とも手に入れたかった1冊です。難しい数式がいっぱいあって、根っからの文科系人間にはかなりハードですが、がんばって勉強したいと思います。

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日中歴史共同研究 「相互理解の増進」どころか新たな対立を生むもの

10日付の「毎日新聞」は、公表されなかった「日中歴史共同研究」の戦後史部分を入手したとして、その内容をスクープ報道。

しかし、報じられた内容を見ると、極東国際軍事裁判を「法的には問題の多い裁判」「敗者に対する勝者の懲罰」と決めつけるなど、きわめて偏った立場が表明されている。また靖国参拝問題でも、日本側は、「参拝目的は『戦没者の追悼と平和の祈念』」という国際社会から批判を受けた従来の立場を繰り返したようだ。

戦前部分ではあれこれ日本の加害を認めていたが、それは個々の問題であって、戦争全体の性格としてはあくまで日本の侵略戦争であることは認めない、ということだ。

これでは、歴史認識をめぐる新たな対立を生むだけであり、「歴史に対する客観的認識」を深め「相互理解の増進を図る」(2006年10月の安倍首相訪中の際の合意)という日中歴史共同研究の出発点にももとる内容だ。日本側の不誠実な態度があらためて問われるだろう。

日中歴史共同研究:「天安門は政治騒動」 中国、日本と相違鮮明 : 毎日新聞
日中歴史共同研究:戦後史部分(要旨) : 毎日新聞

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「強い処をより強く」にはルールが必要

「朝日新聞」本日付の「経済気象台」で、コラム氏が「強い処をより強く」と題して、こんなことを書いている。

 ……最近気になるのは、強者を否定する論説がこの国の一部に見られることである。
 否定しないまでも強者を矯めて弱者を育てよう、とする空気がある。あえていうが、こんなことをすれば両者共倒れは必至である。企業が育つということはそんなに甘いものではない。……

強い処をより強く – 経済気象台 : 朝日新聞

したり顔でこんなことを言っているが、僕にいわせれば、このコラム氏は経済のことがまったく分かってない。規制緩和すれば経済は成長するという、いまだにこんなワンパターンなことしか言えないのか、とあきれてしまうだけ。

なるほど、国富を増やすことは必要だし、企業が育つというのは甘いものではない。しかし、そのために「強い処をより強く」といっているだけではだめである。企業が本当に「より強く」なるためには、ルールが必要なのだ。

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3つの工場調査委員会

前項の続き。

上製版843ページ3-4行目(新書版846ページ左から3行目)に出てくる「産業調査委員会」が、「児童労働調査委員会」のことであることは、前回指摘したとおり。

これに刺激されて、ほかにもいろいろ登場する「委員会」について調べてみました。

たとえば、その直後には、「1840年に児童労働にかんする調査のための議会委員会が任命されていた」(新書版846ページ最終行)と出てきます。

さらに、次のページ(フランス語版から第4版に取り入れられた部分)には、こんな記述も出てきます。

議会は、1863年の委員会の諸要求を、かつての1842年の要求のようにあえて拒絶しようとはしなかった。

さらに、数行後にはこんな記述も。

1867年2月5日の開院式の勅語のなかで、当時のトーリー党内閣は、その間1866年にその仕事を完了していた委員会の最終提案にもとづいて、さらに別の諸法案を発表した。

さらに、新書版851ページには、「1862年の調査委員会」「1840年の調査委員会」というのが出てきます。

これらの「委員会」は、何の委員会なのか? いったいイギリスにはいくつ委員会があるのでしょうか?

いろいろ調べてみると、イギリスでは「児童労働調査委員会」とか「工場調査委員会」といわれるものは3次にわたってつくられていたことが分かりました。正式名称などは、いまいち確認しきれませんでしたが、いちおう以下のとおりです。

  • 第1次は、1833年につくられた「工場児童雇用調査委員会」。33年、34年に報告書を下院に提出しました。
  • 第2次は、1840年に組織された「鉱山および炭坑、ならびに商工業における児童および青少年の雇用にかんする調査委員会」。これは1840年の下院の議決にもとづきつくられた委員会で、だからマルクスは「議会委員会」と書いているわけです。この委員会は、1842年に第1次報告を、1843年に第2次報告を提出。第1次報告が鉱山労働にかんする調査報告で、マルクスが「1842年の要求」といっているのはこの報告書のことです。エンゲルスが『イギリスにおける労働者階級の状態』で、この委員会の報告を活用しています。
  • 第3次が、「児童労働調査委員会」(正式名称は「工場法未適用職業・製造業、すなわち、陶器、黄燐マッチ、ファスティアン織裁断、レース・メリヤス機械、煙突掃除における児童労働にかんする委員会」?)で、1862年に組織され、1863年から66年まで、5次にわたる報告書を発表。これが『資本論』で一番多く引用されている「児童労働調査報告」です。先ほどマルクスが「1863年の委員会」とか「その間1866年にその仕事を完了していた委員会」といっていたのは、この委員会のことです。

いずれの委員会も「工場調査委員会」あるいは「児童雇用調査委員会」などと略称されることあったので、マルクスは、「現在の調査委員会」とか「1840年の委員会」とか呼んでいる訳です。

ここまで調べて、はじめて意味がわかったのが、第7章「剰余価値率」第3節「シーニアの『最後の一時間』」の原注(32)に出てくる、次の文章。

レナド・ホーナーは、1833年の工場調査委員の一人であり、1859年までは工場監督官、実際上の工場監察官であって、彼は、イギリスの労働者階級のための不滅の功績をたてた。

現在は、この「監察官」というのにだけ訳注がついていますが、実は、ここの「1833年の工場調査委員」というのは、上で説明した第1次の「工場児童雇用調査委員会」のことだったのです。

レナド・ホーナーは、1833年に初めて工場監督官制度がつくられたときから工場監督官として労働者の権利を守ってたたかった人物として有名ですが、実は、その前に、1833年に「工場児童雇用調査委員会」がつくられたときに委員の1人に任命されて、このときから労働者の権利を守るためにがんばっていたのです。これについては、Leonard Horner – Wikipedia, the free encyclopediaをご参照ください。

なお、『資本論』では「児童労働調査委員会」という翻訳が定着していますが、英語ではChildren’s Employment Commissionなので、「児童雇用調査委員会」という方が正確ではないかと思います。『資本論草稿集』では、第2次の委員会について「児童雇用調査委員会」という訳語をあてています。また、『イギリスにおける労働者階級の状態』では、大月書店『全集』版でも、新日本出版社・古典選書シリーズ(浜林正夫訳)でも、「児童雇用調査委員会」と訳されています。

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