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2003年に見た見た映画(2)

すべては愛のために

アンジェリーナ・ジョリー主演ということで、公開2日目に早速見てきました。

で、結論から言うと、ユニセフの親善大使などをつとめるアンジェリーナ・ジョリーの思いがたっぷり詰まった作品です(実際には、この映画の撮影が契機となって、彼女はユニセフの活動に参加するようになったようです)。宣伝などでは、ワールドワイドに一人の男を追いかけた女性の姿を描いた恋愛ドラマという感じですが、実際に見てみると、もちろん、ストーリーはそうなっているのですが、本当に中心のお話は、エチオピアやカンボジア、チェチェンなど困難な中で難民支援のために一生懸命に活動している人たちへの賛辞という感じがしてきます。

お金持ちのお嬢さんサラ(アンジェリーナ・ジョリー)が、ちょっとした出来事から純粋に興味を持って、エチオピアの難民キャンプに行ってみたところ、自分の世界観が根底から覆るような衝撃を受ける。しかし、そこで、たんに「かわいそう」「大変だ」というので終わらないところが、このお話のいいところで、サラは国連難民高等弁務官事務所の仕事に参加し、成長をとげていきます。映画のなかでは、難民をうみだす政治の動きも、とくにそれだけをクローズアップしているわけではありませんが、その理不尽さもしっかりと描かれています。お金持ちの偽善的な“慈善”ではすまないことも描かれていますが、しかし同時に、それを偽善だと告発しても、やっぱり問題は片づかないことも描かれています。難民支援の活動そのものが、けっしてきれい事では終わらないことも描かれています。だけど、そうだとしても、やっぱり誰かがやらなくてはならない。そういう現実が、サラのラブ・ストーリーとともに、重く伝わってきます。サラの弾くシューマンの「子どもの情景」のなかの「トロイメライ」がとても印象的です。

ところで、「すべては愛のために」などというベタなタイトルですが、原題は“Beyond Borders”。「国境を越えて」という意味で、国境を越えて追いかけるサラの愛の話のようでもあり、国境を越えて行われる難民支援の活動のことのようでもあり、そもそも国境を越えて生き延びていかざるをえない難民たちの存在そのものを象徴しているのかも知れません。

◆監督 マーティン・キャンベル◆音楽 ジェームズ・ホーナー◆出演 アンジェリーナ・ジョリー/クライヴ・オーウェン/テリー・ポロ/ライナス・ローチ◆2003年 アメリカ映画

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女はみんな生きている

ともかく面白い! フランス映画らしい痛快な作品です。主人公のエレーヌの旦那は、社長として毎日仕事をばりばりこなすエリート。その2人が夜、車で出かけたところ、1人の娼婦(ノエミ)がチンピラに追われているところに出くわします。旦那は、すぐにドアをロックしろと言い、その後も警察に通報するなといって、怪我させられた娼婦の血で汚れた車もさっさと洗車してしまいます。エレーヌは、そんな夫の態度が気に入らず、病院を探し、意識不明で昏睡しているノエミを見つけます。そして、彼女のもとに毎日通っているうちに、エレーヌは、病院の中でノエミを襲ったチンピラを見つけます・・・・。こうやって、いつの間にかエレーヌは、ノエミの事件に巻き込まれていきます。

映画は、ノエミの事件を一方の軸として、もう一方で、金儲けに関係しないことには興味をしめさない夫ポールと、女のところに入り浸っているぐうたら息子とにうんざりしたエレーヌの“戦い”を軸として、2つの“戦い”を上手くからませいます。そこにポールの母親とノエミの妹も登場して進んでいきます。このへんの作り方がオシャレで、いかにもフランス映画という感じです。

◆監督・脚本 コリーヌ・セロー◆出演 カトリーヌ・フロ(エレーヌ)/ラシダ・ブラクニ(ノエミ)◆2001年 フランス映画

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死ぬまでにしたい10のこと

23歳の主人公は、病院で突然、余命あと2カ月と宣告される・・・・。夫は? 2人の娘は? と、予告編などを見ていると、いわゆる“お涙頂戴”式のドラマのように思っていましたが、実際見てみると、ちょっと予想を裏切られました。というのは、主人公のアンは、父親は刑務所で服役中。本人は17歳で初めてキスした相手とのあいだに子どもができて結婚、19歳で二人目の子どもができて、今は、母親の家の裏庭に置いたトレーラーハウスで旦那と親子4人暮らし。その旦那は失業し目下職探し中で、アンが、夜、大学の清掃の仕事をやって、なんとか生活している。こういうアメリカの最底辺層を舞台にしているところが、この作品の奥行きを作っています。

こんなぎりぎりの状態で、体調を崩し病院に行って検査したところ、“あなたは余命2カ月だ”と宣告されたら、いったいどんなふうに考えるでしょう? アンは、そこではじめて、いままで追い立てられるように生活してきた自分のこれまでをふり返ってみます。そして自分らしく生きてみよう、やりたいことをやってみようと、はじめて決心します。オシャレをしてみたい、髪の毛をブロンドに染めてみたいというところから始まって、18歳になるまでの間、誕生日ごとに娘にメッセージを届けてやりたいと、一人でテープレコーダーに話しかける様子は健気でもあり、ちょっと涙をさそわれます。自分に代わって、2人の娘を愛してくれる新しい母親も見つけなければならない。そういう思いの一方で、旦那以外の男性とセックスをしてみたいとも思うアンの気持ち・・・・。そんな若い女性の揺れる気持ちを、ていねいに描き出しています。

あと、いつもダイエットばかり気にしている仕事の同僚、深夜ホテルから自宅まで送り迎えする間にかわす母親とアンとの会話、アンと真正面に向き合って診断を宣告できない弱気な医師、そして別れた彼女に家具をみんな持って行かれてしまったために家具のない家で暮らすリーなど、彼女の周りに登場する人物がとても個性的、魅力的で、映画のストーリーに奥行きと広がりをあたえてくれます。

◆監督・脚本 イザベル・コヘット◆製作総指揮 ペドロ・アルモドバル◆出演 サラ・ポーリー(アン)◆2002年 スペイン・カナダ映画

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マグダレンの祈り

マグダレンというのはアイルランドの修道院の名前で、キリストによって改心した娼婦(マグダラのマリア)にちなむもの。ここに、マーガレット、ローズ、バーナデットの3人の女性が送られるところから映画はスタートします。マーガレットは、結婚式の最中に従兄弟にレイプされたために、ローズは結婚せずに子どもを生んだために、そして孤児のバーナデットは少年たちに惹きつけてしまうからという理由で、それぞれ“ふしだらな女性”だとして、マグダレン修道院に入れられ、“罪”を深く“悔いる”ように強制されるのですが、実態は、女性たちは奴隷のようにこき使われ、修道院の儲けのために働かされるものでしかなかった・・・。しかも、映画の舞台設定は“ついこの前”の1964年に置かれていて、社会的に“貞淑”を強要される女性の葛藤を描いていますが、こうした女子矯正院は1994年まで存在していたというのです。この映画が公開されるや、バチカンが抗議声明を発表したという“スキャンダラス”な作品です。

主役のバーナデットを演じるノーラ=ジェーン・ヌーンは、アイルランド生まれの現在19歳。大きな瞳がとても印象的で、負けん気の強いキャラを好演しています。修道院の院長シスター・ブリジットを演じるジェラルディン・マクイーワンの、表面上は信仰に厚いふりをしながら、金儲けばかりを考えている“ごうつく婆”ぶりも見物です。

公式ホームページでは、ノーラ=ジェーン・ヌーンの来日時の記者会見のやりとりが公開されています。それを読むと、彼女が、教会が問題を認めようとしないことに批判的な意見を非常にしっかりと語っているのが印象的です(浴衣姿の写真はお世辞にも似合ってるとは言えませんが)。また、プログラムには、キリスト教、とくにローマ・カトリックに関する豆知識なども掲載されていて、買って読む価値十分です。(^^;)

◆監督・脚本 ピーター・ミュラン◆出演 ノーラ=ジェーン・ヌーン/アンヌ=マリー・ダフ(マーガレット)/ドロシー・ダフィ(ローズ)/アイリーン・ウォルシュ(クリスピーナ)/ジェラルディン・マクイーワン◆2002年 イギリス・アイルランド合作

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再見 また逢う日まで

中国東北地方にすむ兄弟姉妹4人は、両親の突然の死によって離ればなれになってしまうが、世界的指揮者となった長女スーティエンが中国デビューのために20年ぶりに帰国し、再会をはたすというお涙頂戴のストーリーです。現代中国と、20年前の貧しい東北部の農村の様子とが、代わる代わる登場し、近年発展いちじるしい中国社会の“変化”を感じさせてくれます。貧しいながらも、音楽教師である父を中心にした家族の生活が、「思想」と「出身階級」のために暗転していくところから、観客は少しずつ“泣き”の世界にひきこまれていきます。4人の子役、とくに主人公スーティエン役の女の子のかわいさがとても印象的です。成長したスーティエンを演じるのは、香港のスター(だそうです)のジジ・リョンがなかなかの美形です。また、成長した長兄イクーを演じるジャン・ウー(「活きる」の主人公夫婦の娘婿役、「こころの湯」の弟アミン役)の人はいいけどちょっと情けない兄貴役が、これまたなかなか味わわせます。

しかし、“泣かせる”ことに傾きすぎたのか、肝心の再会のストーリーの方は、ちょっと安易に流れた感があります。20年ぶりに帰国したスーティエンが弟や妹と再会するのが、あまりに簡単すぎるし、逆になかなか兄に会えないといいながら、その理由というのが少々わざとらしく思えました。それに、スーティエンの公演会の場面で、これから演奏を始めるという指揮者が指揮台の上であんな長口上をやってはダメです。ジジ・リョンの指揮者ぶりも、お世辞にも演技になっているといえませんでした。せっかくの感動的シーンなのに、残念でした。(^^;)

◆監督・脚本 ユイ・チョン◆出演 ジジ・リョン(スーティエン)/ジャン・ウー(長兄役)/シア・ユイ(妹役)/チェン・シー(弟役)/ツィ・ジェン(父親役)/チャン・チエンシン(母親役)◆2001年 中国

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密愛

「シュリ」のキム・ユンジン主演の作品。自宅に、夫の浮気相手が押しかけてきて、怪我させられた主人公のミフン(キム・ユンジン)。怪我は治っても頭痛が続き、結局、家族は田舎に引っ越すことになる。夫を許すことができず、しかし別れることもできず、何の喜びも感動も感じなくなってしまったミフン・・・。そんな彼女が、医師インギュ(イ・ジョンウォン)と出会い、“時々一緒に会って、セックスもするけれど、どちらかが「愛している」と言ったら負け”というゲームを始める。そして、笑うことをを忘れていたミフンにも笑顔が戻り、夜中にこっそり家を抜け出し、いそいそと彼に会いに行く。やがてそれはゲームでは終わらなくなる。“道ならぬ愛”だからこそ燃え上がる感情。お互い素知らぬ顔ですれ違わなければならないからこそ、そのあとの逢瀬の深いこと・・・・。が、しかし、二人の逢瀬は村人たちの知るところとなり、お定まりの破局が訪れる・・・・。

と、要するに不倫映画です。お約束の「大胆な官能シーン」も登場します。「大胆さ」ということでいえば、もっとすごい作品はたくさんあるでしょうが、描き方は、なかなか「感じさせる」ものがあります。キム・ユンジンの魅力たっぷりの作品です。

監督・脚本のビョン・ユンジュは、従軍慰安婦問題を扱った「ナヌムの家」など、ドキュメンタリー作品を撮ってきた女性監督です。

◆監督・脚本 ビョン・ユンジュ◆出演 キム・ユンジン/イ・ジョンウォン◆2002年 韓国

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天使の肌

アンジェル(モルガン・モレ)は、田舎の町で住み込みの家政婦として働いていたが、ある日、母の葬儀のために帰郷してきたグレゴール(ギヨーム・ドパルデュー)と出会う。翌日、2人は別れ、アンジェルは新しい働き口を探しに旅立つ・・・・。

と、こう書くと、アンジェルが主人公のように思えるけれど、実は、このストーリーの主人公はグレゴール。彼は、家族との確執から病気の母を見舞うことができなかったが、そのまま母が亡くなってしまったことにさらに深く傷ついている。心に深く傷を負った彼は、どのようにしたら癒されることができるのか? それが、実はこの映画のメインテーマ。アンジェルは、家庭の貧しさ故に口減らしのように働きに出され、住み込み先のマダムは気むずかしい。しかし、彼女はそれを気にすることなく、健気に働く。ある事件に巻き込まれ、刑務所に入れられたときも、そこで悪に染まったりしない。不思議な存在である。その不思議な女性を、モルガン・モレが実に上手く演じている。ギヨーム・ドパルデューも、屈折のある雰囲気をよく醸し出している。

ヴァンサン・ペレーズの初監督作品

◆監督 ヴァンサン・ペレーズ◆出演 モルガン・モレ/ギヨーム・ドパルデュー/マガリ・ヴォック/カリーヌ・シラ◆製作 ヴィルジニー・シラ◆脚本 カリーヌ・シラ/ヴァンサン・ペレーズ◆2002年 フランス

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クジラの島の少女

そうそう、昔、城みちるが歌ってたやつ! って そりゃ「イルカに乗った少年や!」・・・・・・と、浜田マリ「あしたま」的なギャクはさておいて、ニュージーランドのマオリ族の女の子パイケアを主人公としたお話です。

パイケアの一族には、むかし、クジラに乗ってこの地にやってきたという伝承がある。族長である彼女の祖父は、じつは、彼女が生まれるとき、族長を継いでくれる男の子を望んでいた。しかし、双子の弟は死産、母親もなくなり、息子(パイケアの父親)は村を出て行ってしまう。こうして“望まれず”生まれたパイケアは、それでも祖父と祖母に育てられ12歳になる。そこに父親が帰ってきて、パイケアと一緒に村を出ようという。一度は父親と一緒に村を出ようとしたパイケアだが、途中で祖父たちのもとに戻ってくる。一方、祖父は、何とか一族の伝統を次の世代に残そうと、村の“長男”の男の子を集めて伝統の儀式や歌、たたかいの武術を教えはじめる。パイケアは、女の子であるために、その訓練から追いやられるが、彼女は、なんとかそれを盗み見て、必死に覚えようとする。そんなとき、パイケアの“歌”に誘われて、クジラたちが浜辺に打ち上げられてしまう・・・・。

ということで、結末は、“ありがち”なパターンですが、祖父が何度もダメだ、ダメだといっても、必死になって、歌や儀式や武術を覚えようとするパイケアの健気な様子に惹かれます。それに、そんな孫娘を大切に育てるおばあちゃんの心も、しっかりと伝わってきます。主役のパイケアを演じるのは、マオリ族のケイシャ・キャッスル=ヒューズがこの映画全体の魅力の中心になっています。

◆監督・脚本 ニキ・カーロ◆製作 ジョン・バーネット◆原作 ウィティ・イヒマエラ◆出演 ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(パイケア)/ラウィリ・バラテーン(祖父コロ)/ヴィッキー・ホートン(祖母)◆2002年 ニュージーランド=ドイツ

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ぼくの好きな先生

フランス中部の山の中にある小さな小学校。といっても、下は3歳の子どもから通ってくるから、日本でいえば幼稚園+小学校という感じですが、そのたった一つの小学校で、たった一つのクラスを教えるロペス先生と13人の生徒たちの半年を追いかけたドキュメンタリー作品です。

複式授業で教える先生は、けっして怒鳴ったり、怒ったりしない。生徒が、「分かりました、先生」というまで、何度も「もう1度?」「もう1度?」と尋ね直す様子や、ケンカした2人の生徒にたいしても「何が不満だったのか?」と問いかけるところをみていると、教育とは何かという根本を感じさせてくれる。それに、家庭が貧しく、忙しくても、子どもの教育には一生懸命な親たちの様子も伝わってくる。

それに、登場する生徒たちがみんな個性的でかわいらしい! ちょっとわがままなジョジョ君。自分の殻に閉じこもりがちな女の子、ケンカもするけど仲もいい! 年長者はちゃんと年少者の面倒をみるし。いろんな個性の生徒がいるから、クラスが楽しいのだということもよく分かる。

もう1つ、羨ましく思うのは、ロペス先生が教師という職に誇りを持っていること! “サラリーマン教師”などという悪口をたたかれるような教師とは全く違う。それに、この山の中の小学校では、先生は、学校の2階に住んでいるのだ! 私の田舎でも、かつて小学校があったところは、村でも一番見晴らしのいい土地で、明治時代に、村で学校を作るからということで、みんなが土地を提供して作ったのだそうだ。昔は学校といえば、みんなそんなものだった。でも今は、そこからすこし離れた川っぺりの土地に移転して、生徒は自動車が行き交う国道沿いの狭い歩道を歩いて通学する。どうしてそんなことをするんだろう? この映画を見ていると、いま日本では、学力低下とか、教育崩壊とか大騒ぎするけれど、その前に何かだいじなことを忘れてしまっているような気がしてならなかった。

◆監督・編集 ニコラ・フィリベール◆出演 ロペス先生と13人の生徒たち◆2002年 フランス

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私は「うつ依存症」の女

クリスティーナ・リッチが主演ということで、さっそく見てきました。(^^;)

で、筋はというと、特別に破局の結末があるわけでなし、ハッピーエンドでもなしというものですが、「うつ」になったというだけのことはあって、見ているだけでイライラしてくるような鬱陶しい話の展開ばかりです。クリスティーナ・リッチ扮するリジーは、ハーバード大学に合格し、さらに音楽評の才能を認められ、ローリングストーン誌からも注目されるという才能ぶりを発揮。ところが、突然思うように書けなくなってしまい、大学の寮の同室者(ミッシェル・ウィリアムス)とも衝突するし、彼氏とも別れるし、と事態は悪くなるばかり・・・・。そもそも、リジーが子どもの時に両親は離婚、母親(ジェシカ・ラング)はリジーを溺愛し、過干渉気味。父親とも4年ぶりに再会するが、確かに甲斐性のなさそうなさえない中年オヤジだし。リジーがカウンセリングを受けている先生(女医)というのも、いかにも!という感じで、「うつ」を理解する態度など微塵も見せず、ただただ話を聞くだけ。まあ、なんでこんなに事態をややこしくしないといけないんだろう・・・・と呆れるぐらいです。

それにしても、アダムス・ファミリーで子役を演じていたクリスティーナ・リッチも、もうすっかり女優です(ことし23歳の筈)。「耳に残るは君の歌」では、“私って脱ぐと意外にすごいんです”なボディーを披露していたけれど、小柄な体格と妙にアンバランスなボディーは、今回もちょっとだけ堪能できます。(^^;)

ところで、原題は、原作とも「Prozac Nation」。つまりは、「プロザック(代表的な抗うつ剤の商品名)国民」とか「プロザック漬けの国民」というような意味。これを「私は『うつ依存症』の女」と翻訳した人は偉い! ちなみに、プロザックが開発されたのは1986年(主人公リジーがハーバードに進学したとされる年)。神経伝達物質であるセロトニンの再吸収を阻害し、セロトニンが減りすぎないようにすることで、「うつ」を改善するとされています。

◆監督 エーリク・ショルビャルグ◆脚本 フランク・ディージー/ラリー・グロス◆原作 エリザベス・ワーツェル◆出演 クリスティーナ・リッチ/ミッシェル・ウィリアムス/ジェシカ・ラング◆2001年 アメリカ映画

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