「英霊にこたえる会」が、靖国参拝違憲判決を下した裁判官に不当圧力

今年4月、小泉首相の靖国参拝訴訟で、「参拝は違憲」とする判決を下した福岡地裁の裁判官にたいして、「英霊にこたえる会」が裁判官弾劾を求める訴追請求状6千通余を提出しました。産経新聞は、「市民団体」という見出しを掲げていますが、「英霊にこたえる会」は市民団体などとは言えません。

しかしもし、個々の裁判の判決内容を理由に裁判官が訴追されるようになれば、裁判官は時々の政権に逆らう判決が下せなくなります。訴追委員会に持ち出されるというだけでも、相当な圧力になるでしょう。司法の独立と中立性を侵害する不当な圧力は絶対に許されません。

3裁判官の罷免請求6036通 市民団体、靖国参拝ねじれ判決(産経新聞)

3裁判官の罷免請求6036通 市民団体、靖国参拝ねじれ判決

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる違憲訴訟で今年4月、福岡地裁の亀川清長裁判長が主文で原告の損害賠償請求を棄却した一方、判決理由で「参拝は違憲」とする“ねじれ判決”を下した問題で、市民団体が21日、国会の裁判官訴追委員会に亀川裁判長ら3裁判官の罷免を求める訴追請求状6036通を提出した。
 この団体は、首相らの靖国公式参拝を求める国民運動団体「英霊にこたえる会」(会長・堀江正夫元参院議員)。訴追委事務局は「11月初旬に、審議するかどうか決定したい」としている。
 請求状は、訴追理由について「判決は(形式上勝訴で控訴が封じられ)被告の憲法第32条『裁判を受ける権利』を奪うもので憲法違反」「政治的目的で判決を書くことは越権行為。司法の中立性、独立を危うくした」などと指摘した。
 訴追委は衆参両院議員各10人ずつで構成。訴追が決まると、弾劾裁判所で罷免、不罷免の判決が下される。(産経新聞) – 10月22日2時48分更新

ちなみに、首相の靖国参拝が違憲かどうかと、原告の損害賠償請求を認めるかどうかは、次元の異なる問題であり、原告の損害賠償を棄却したからといって、「ねじれ判決」だという非難は当たりません。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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