「満州はドイツの権益を譲り受けた」――安倍晋三氏、珍説を開陳

サンデープロジェクトで、自民党の安倍晋三幹事長代理と共産党の志位和夫委員長とが対決。そのなかで、安倍氏は、「満州は攻め入ってつくったわけではない」「満州の権益は、第1次大戦で日本がドイツの権益を譲り受けた」と発言していました。

しかし、第1次世界大戦で「戦勝国」として、日本が中国から取り上げたドイツ権益は山東省の青島・膠州湾地域のもの(ベルサイユ講和条約第4篇8款、参照)。日本が中国につきつけた「対華21カ条要求」でも、山東省のドイツ権益以外に、日本が寄こせと要求したドイツの権益はありません。それに、そもそもドイツは「満州」(中国東北地方)に「権益」など持っていなかったのですから、もともと譲り受けようもなかったのです。

安倍晋三ともあろうお方が、この程度の知識で「歴史問題」を論じていたとは…。「無知(無恥?)より強いものはない」。あれこれいう前に、まず歴史のお勉強をしましょう。

安倍晋三氏がこんなとんちんかんな発言をしたのは、扶桑社の『新しい歴史教科書』を早呑み込みしたからかも知れません。『新しい歴史教科書』には、「21カ条要求」について、次のように書かれています。

日本は、1915(大正4)年、ドイツがもっていた山東省の権益を引きつぎ、関東州の租借期限の延長などを中国に要求した。

もちろん、『新しい歴史教科書』だって、ドイツの権益は山東省だけで、関東州の租借期限の延長などは、山東省のドイツ権益とは別のものとして書いています。しかし、文章上不分明なため、安倍氏は、これを、山東省の権益だけでなく、関東州の租借権もドイツのものだったと読んでしまったのではないでしょうか? まあ、『新しい歴史教科書』の執筆者にしても、ドイツ権益というのが山東省のものだというのは誰だって知っていることだから、わざわざそれを明確に書き分ける必要があるとは思いもよらなかったのでしょうが…。

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