NOVA倒産

英会話学校NOVAが会社更生法の適用を申請。負債は439億円、未払い賃金40億円、受講生30万人といわれ、影響は広範囲にわたる。

NOVA倒産、会社更生法申請…負債総額439億円(産経スポーツ)
猿橋前社長ら経営陣を聴取へ NOVA給与遅配問題(朝日新聞)
NOVA破綻、どうなる受講生(朝日新聞)
英語の先生が授業来ない 愛知・春日井の小中3校、NOVAと派遣契約(中日新聞)

NOVA倒産、会社更生法申請…負債総額439億円
[産経スポーツ 2007年10月27日 更新]

 「駅前留学」は創業26年で挫折…。英会話学校最大手のNOVA(大阪市)が26日、会社更生法の適用を大阪地裁に申請した。創業者でワンマン社長だった猿橋望氏(56)も臨時取締役会でクーデター的に解任された。急成長を遂げた一方で、講師への給与未払いなどトラブルが噴出。負債総額約439億円という大規模経営破綻(はたん)に。約40万人の受講生はどうなるのか。

 「ノー・プロブレム。アイ・アム・ノバ」とカタコト英語を操る農婆や、ピンク色のNOVAうさぎのCMで有名となったNOVA。だがプロブレムまみれの状態で倒れてしまった。
 26日午前に更生法を申請し、財産の保全管理命令を受けた。全国約800の教室はすべて一時閉鎖に。ジャスダック証券取引所は同社株の上場廃止を決めた。
 同社の保全管理人が同日夕、大阪市内で会見し支援企業を1カ月以内に探し、決まらなければ破産手続きを取ると表明。支援企業候補としてイオン、丸井、ヤフー、楽天の4社が挙がっていることを明らかにした。
 4社はそれぞれ、現時点での同社からの支援要請を否定。楽天は「要請を受けた時点であくまで白紙から検討する」(広報部)と含みを持たせたが、他3社は「過去の提携交渉で破談しており、難しいのでは」(丸井広報室)など、支援にやや否定的な姿勢を示した。
 保全管理人は「戦後最大の数の債権者が出る未曾有の事件」と指摘。元受講生らへの未払い返戻金などは600?700億円、講師らへの未払い給料などは40億円近くにのぼるという。
 また肝心の猿橋(さはし)望氏については「東京方面にいると聞く。携帯電話にかけたが現時点で連絡がつかない」と漏らした。猿橋氏自身が公の場に現れることもなかった。
 NOVAは駅近くに教室を構える「駅前留学」をはじめ、テレビ電話を使う「お茶の間留学」、幼児向けの「NOVA KIDS」、CM戦略で経営を急拡大。平成17年度に受講生数が48万人とピークとなり、売上高で業界シェア約47%と圧倒的トップに君臨した。
 半面、講師の質の低下▽「受講予約が取れない」など受講生の不満拡大▽受講料返還を求める訴訟の増加?などの問題が急増。最近2年は赤字続きで、賃料滞納で一部教室が閉鎖、講師への給与未払い状態も続いた。
 「NOVA KIDS」に4歳の娘を通わせていた堺市の主婦(35)は、「NOVAうさぎちゃんがお金を持って逃げちゃった」と娘に説明したという。

★深夜のクーデター解任劇

 電撃的「クーデター解任」だった。25日深夜、取締役3人は社長の猿橋氏が不在のまま臨時取締役会を開催。社長を解任した上で更生法申請を決めた。同社は「今後も猿橋氏に業務執行を委ねるのは不適当と判断した」と説明した。
 猿橋氏は高校卒業後にフランスの大学に留学した経験から昭和56年に友人3人で創業した。「駅前留学」なども自身のアイデアで、平成8年にジャスダック市場に上場。一代で同社を急成長させた“立志伝中の人物”。だが最近は会社に姿も見せず独断で不透明な金策に走っていたとされる。

★小中高も混乱、契約解除も

 外国語指導助手(ALT)の派遣をNOVAに委託している学校現場にも混乱が広がっている。大阪市教委によると、市立小中高450校のうち335校が同社に派遣委託。だが今週に入り同社側からのキャンセルが急増し、この1週間で57校に上った。区立小中58校で契約していた東京都品川区は同社からの申し出を受け24日に契約を解除した。
 NOVAの講師からも給与未払いによる悲鳴が。オーストラリア人講師(25)は「貯金は2万円ほど。家賃の7万円を支払えない…」と途方に暮れていた。

猿橋前社長ら経営陣を聴取へ NOVA給与遅配問題
[asahi.com 2007年10月27日06時27分]

 経営破綻(はたん)した英会話学校大手「NOVA」(大阪市)による給与遅配問題で、大阪労働局は26日、同社の猿橋(さはし)望前社長(56)ら経営陣から事情聴取する方針を固めた。同局はNOVAの給与遅配行為が労働基準法違反(賃金未払い)の疑いがあるとして、すでに講師や日本人従業員から事情を聴いている。関係者の聴取結果や今後の給与の支払い状況を見極めたうえで、経営陣に対する同法違反容疑での立件の可否について最終判断するとみられる。
 外国人講師の一部が加入する労働組合「ゼネラルユニオン」(同市)などによると、NOVAは経済産業省から一部業務停止処分を受けた今年6月以降、受講料の返還請求が殺到。日本人従業員約2300人への7、8月分の給与振り込みがそれぞれ翌月にずれ込み、9、10月分はいずれも未払いとなっている。約4400人いた外国人講師については、9月分が2週間遅れ、10月分は現在まで支払われていないという。
 こうした状況を受け、同局は今月23日、講師ら4人から事情聴取。NOVA側が毎月の支給日に給与を振り込んでいなかったことを確認した。労働基準法24条は「賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」とし、違反すれば30万円以下の罰金が科せられる。
 同局は、受講料の返還などで資金繰りに行き詰まったNOVA側が、講師らへの給与の支払いを故意に遅らせていた可能性があると判断。検察当局に刑事処分を求めるのが妥当かどうか判断するため、取締役に降格された猿橋前社長を含む経営陣の聴取が不可欠と判断したとみられる。
 遅配が続いている給与について、26日に大阪市内で会見したNOVAの保全管理人の弁護士は「当面は凍結されるが、労働債権は優先権があるので、資金がある限りは支払いたい」と述べた。

NOVA破綻、どうなる受講生
[asahi.com 2007年10月26日]

 NOVAで起きた突然の解任劇。猿橋望社長をクビにした新経営陣は、「ワンマン」の退場で支援企業の登場に望みをかける。受講生らに被害が広がるのを嫌った行政も支援に協力することになりそうだ。だが、再建への更生計画は債権額の2分の1以上を持つ債権者の同意が必要だ。受講料を前払いしている債権者は約30万人おり、取りまとめに難航すれば、NOVAは破産に追い込まれる可能性もある。

      ◇

 NOVAの教室数はピーク時の900超から669教室に減った。とはいえ受講生は約30万人いる。希望する受講生に授業を提供し、解約する受講生に払い戻される態勢を整えられるかが、再建の成否を握る。
 大阪市内の教室に通う男性会社員(29)は36万円分のレッスンを購入したが、まだ8割以上の授業分を残す。「講師の質は心配だが、授業さえ続けてくれれば文句はない」。ただ、支援先が現れず、破産などに追い込まれれば「(授業のチケットなどは)紙くずになる」(保全管理人)。
 支援先が見つかれば、救済の道も開かれるが、大幅な教室の統廃合は避けられない。最寄り駅では授業が受けられなくなる人が出てくる。
 そこで、名古屋高裁が9月に示した判決が判断基準になりそうだ。名古屋市内の女性は伏見校に通っていたが、06年3月に閉鎖、近くの栄校に統廃合された。女性は、未消化の受講料分の支払いを求めて提訴した。
 語学学校は特定商取引法の指定業務で、中途解約に関する規定もあり、最高5万円の違約金が発生する。しかし、判決で名古屋高裁は、統廃合により、契約通りには授業が行われなくなったと判断。違約金を支払う必要なく、未消化分すべての受講料返還を命じた。
 消費者問題に詳しい池本誠司弁護士は、「当初の契約通りに授業が受けられるかがポイント。解約時に不利益を被らないようにして欲しい」と話している。
 NOVAを始め英会話学校では、高額の授業料を最初に請求されることが多い。受講生の多くは信販会社とクレジット(信用販売)契約を結び、分割払いをしている。
 分割払いのルールを定める割賦販売法では、業者との間で契約が無効になった場合には、消費者はクレジット会社からの代金支払い請求を拒む権利が認められている。これを行使するには、書面で信販会社に通知する必要がある。
 経済産業省は26日、NOVAの破綻を受け、クレジット利用者を保護するようクレジット業界に要請した。書面など消費者からの通知がなくても、NOVAの休業中は、支払い請求を止めることを求めた。

      ◇

 26日、大阪市内で記者会見したNOVAの保全管理人との主なやりとりは次の通り。
 ――地域や事業を分けて売却する可能性は。
 高橋典明氏 「駅前」や「お茶の間」、「キッズ」など理念的には分けられるが、分割するより一体で、全国ネットワークを生かした方が良いと思っている。
 ――店舗網の整理は。
 東畠敏明氏 閉鎖している教室もあるが、スポンサーと相談する。いらない教室は、家主に迷惑をかけるので解約する。
 ――新株予約権発行など不透明な資金調達がみられる。
 高橋氏 前社長が走り回って処理した。何とか株を運転資金に回そうとしたようだ。
 ――不透明な資金繰りが今回の申請につながったのか。
 高橋氏 そう思ってもらってかまわない。
 ――経済産業省の対応をどう思うか。
 高橋氏 経産省も含めて数々の行政指導があり、経営悪化の原因になったが、根本はNOVAの経営体制が悪かった。今後は協力や指導をあおぎたい。
 ――前社長への刑事、民事での責任追及は?
 東畠氏 前社長個人から問題点について聞き取りたい。さらに法律的に分析して、損害賠償請求、その次の段階へと、通常の手段をとる。
 ――猿橋氏と連絡はとれているのか。
 東畠氏 携帯に連絡を入れているが出ない。東京方面にいると聞いている。
 ――受講生の受講料の返還や従業員の給料はどうなるのか。
 東畠氏 支援企業が現れたら、未使用分の授業料を生かして契約できないか考えている。従業員の給料は優先債権なのでお金のある限り優先的に支払う。

      ◇

 業界内では、今回の失敗は無理な拡大路線が招いた「NOVA固有の問題」と見る向きがほとんどだ。経済産業省や文部科学省は生徒の受け入れに業界団体の協力を求める考えだが、「あれだけ肥大化した生徒や講師、教室を引き受けられる同業者はいないはずだ」(業界大手)と冷ややかだ。
 大手の「ジオス」などが加盟する業界団体、民間語学教育事業者協議会の畠中邦雄副理事長は「救済といわれても、NOVAは会員でもない。どうすればいいのか」と困惑気味だ。NOVAはこの団体の設立時に興味を示したが、倫理規定などの縛りもあって、結局、加盟せず、どの業界団体とも距離を置いた存在だった。
 この団体に加盟していたラド・インターナショナル(東京)が今年4月に破綻(はたん)した際には、一部の受講生に対して、協会加盟校での無料受講を実施。だが今回は、「20万人を超える受講生では物理的にも救済が不可能なことは自明だ」(畠中氏)という。
 「イーオン」などが加盟する全国外国語教育振興協会でも「今は静観するしかない」(桜林正巳事務局長)という。「経営戦略や経営規模も違い、加盟企業で支援に名乗りを上げるところはないだろう」(桜林氏)と見る。
 企業再生に詳しいある弁護士は「30万人といわれる受講者も債権者。更生計画案ができても、一人ひとりに賛同を求めるのは容易でなく、計画がスムーズに進むことは難しい」と指摘する。

      ◇

 「30万人の生徒と全国に店舗網を持つ事業価値を評価してくれる支援先を探したい。勝負は長くても1カ月だ」
 26日午後、大阪市内で開かれた記者会見。保全管理人に選任された東畠敏明弁護士は、支援先探しの期限をそう強調した。
 NOVA内部ではこれまで、流通大手のイオンや丸井、IT関連のヤフーや楽天などが支援候補として浮上してきた。東畠弁護士は、すでにある企業から支援の打診を受けていることを明らかにした上で「同じような条件なら早く打診を受けた企業を優先する」と話した。
 会見ではそんな強気な姿勢も示されたが、支援候補との協議は難航することが予想される。NOVAは、1カ月の従業員給与だけで15億円が必要だが、「会社に現金はほとんどない」(金融機関)。短期決戦で足元を見られるのは、NOVA自身だ。
 候補に名前が挙がるイオンは、「英会話学校の運営は当社の成長戦略に入っていない。考える余地はない」(同社広報)と、仮に打診がきても拒否する構えだ。
 「再建手続きの着手がもっと早ければ、有利なスポンサー(支援先)の選定ができたのに」。会見した弁護士の口からは、本音も漏れた。取引銀行からは、「支援先が正確にNOVAの資産査定ができるか疑問だ」との見方もある。

      ◇

 保全管理人が「1カ月間」努力しても、支援先が決まらなかった場合、NOVAは破産手続きに移行することになる。まさに「最後のワンチャンスにかける」(保全管理人)状況だ。
 会社更生法は、更生管財人が会社の資産を調べ、更生計画案をまとめる。ただ、計画案は関係人集会で債権総額の2分の1以上を持つ債権者の同意などで可決される。授業料を前払いしている受講生の多くの同意が必要になる。
 最近では、当初は民事再生法を申請して再建を目指したウェブ制作支援のクインランド(神戸市)のケースがある。今月25日、大阪地裁に破産手続きの開始を申し立て、会社の清算を決めた。資金繰りが安定せず、再建の可能性が薄かったためだ。民事再生法の申請から7日後の決断だった。
 NOVAが破産手続きに入れば、受講生が前払いした授業料が全額戻ってくる可能性は極めて低くなる。

そういうなかで、ちょっと意外だったのは、↓これ。NHKニュースによれば、世田谷でも同様の問題が起こっているそうですが、そもそもは、学校の授業を外注していることに問題があるのでは。

英語の先生が授業来ない 愛知・春日井の小中3校、NOVAと派遣契約
[中日新聞 2007年10月27日 朝刊]

 英会話学校最大手のNOVA(大阪市)が会社更生法の適用を申請した二十六日、同社講師を小中学校へ派遣する契約を結んでいた愛知県春日井市の小学校二校と中学校一校に講師が現れず、学校側は急きょ授業内容を振り替えるなど、対応に追われた。
 同市教育委員会によると、今年四月にNOVAと市内の小中学校五十二校に計十一人の講師を派遣する契約を、年間約三千三百万円で締結。同社の講師が学校の教師と一緒に英語の授業をしていた。
 二十六日には篠木小と押沢台小、味美中を担当する計三人の講師が来なかった。小学校は担任教師がほかの科目の授業を行い、中学校は学校の英語教師が単独で授業をしたという。篠木小は二十五日も講師が来なかったという。
 同社との契約は月払いになっており、市教委は「今後も契約の履行が困難と思われるので、契約破棄を検討していく必要がある」としている。

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